日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

晩秋の大地を行く 2021 - 夕日

2021-10-30 16:55:50 | 東北
日本海航路における最大の見所といえば夕日ですが、年により当たり外れはあるものです。先へ行くほど曇りがちになり、今一つだった去年に比べ、今年の眺めは上々でした。雲一つなかった青空に大きな雲が漂い始め、平板だった全景に立体感が出る一方、主役の西日は鮮明で、水平線に日が沈むまでの一部始終を見届けることができたのです。もはや晩秋とは言い難い時期まで出発が延びたことにより、直近の二年を超えるものまでは期待していないのが現状ではありますが、船上からの眺めについては紛れもなく今回の方が上でした。
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金沢移住顛末記 続編 - 二度目の順延

2021-09-14 08:07:03 | 東北
昨日よりも早めに見切りをつけました。これで二度目の順延です。いずれ晴れるとされていた昨日とは違い、今日は早々に予報が見直されました。夕方まで晴れるとされていたところが、終日曇となったのです。これでは強行したところで多くを期待できません。微妙なところで決断し後々臍を噛むよりも、これでよかったと納得です。
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北海道花見の旅 2021 - 薄曇

2021-05-09 12:48:33 | 東北
自覚する以上に疲れているからか、腹が満ちると風呂より昼寝の気分でした。しばらく休んで起き上がると、船は金華山沖を航行中でした。北三陸より平坦になった地形が一目瞭然です。常磐沖ではますます平坦になるでしょう。ただでさえ平板になりがちな眺めが、薄曇の天候によってますます単調なものとなり、洋上からの眺めとしては今一つです。しかし、そうと知りつつ大洗までそのまま戻ることにしたのは、東北から延々自走するのが面倒だからであって、眺めに期待をしていたわけではありません。最新の予報によると、夕方には再び晴れてくるとされます。印象的な夕景で締めくくれれば御の字でしょう。
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北海道花見の旅 2021 - 九日目

2021-05-09 08:36:42 | 東北
おはようございます。長旅を続けていると、一旦眠りについてから五時間ほどで目覚めるようになってきます。体内時計の働きによるものでしょう。出航を見届け、遠ざかる陸の明かりをしばし眺めてから休んだのは二時過ぎでした。それに応じて目覚めも遅れ、気付いたときには七時半でした。船は現在三陸沖を航行しており、右舷側には北三陸の断崖絶壁が見えています。津軽海峡の航海になぞらえるなら、仏ヶ浦を彷彿させる眺めです。日本海航路、青函航路に比べて乗船した機会が少なく、洋上からの眺めについては確たる記憶がないものの、今は見せ場の一つなのかもしれません。
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北海道花見の旅 2021 - ライダーハウス旧萱野駅

2021-05-08 20:18:16 | 東北
光珠内からさらに上ると、岩見沢の市街を短絡する道道に入ります。走った先に現れるのが萱野のライダーハウスです。残念ながら今回は素通りせざるを得ないものの、どのみち前を通るなら、挨拶だけでもしていきたいと思うのは人情というものでしょう。事前に一報入れた後、ささやかな手土産持参で乗り込むや、駅舎に灯る明かりを見て、先客がいることを知りました。おそらく以前同宿したと思われる、釧路から来たオフロードバイクの旅人です。渦中の札幌にも近く、ライダーハウスの動静は否応なく気になっていたわけなのですが、変わらず開放されていると知り、安堵感が押し寄せるとともに、改めて感謝したいものだと思いました。
結果として、あと一日足りませんでした。もう一日あればこちらに泊まった上で、駆け足に終わってしまった奈井江と美唄の桜を再び眺めて締めくくることができたからです。しかし、例年は疎かとなりがちな道南に、腰を据えて滞在できたことについては満足しています。管理人に挨拶だけはできたため、もう思い残すことはないという心境ですが、それはあくまで秋に再訪するという前提があってのことに他なりません。そのときにまたお会いしましょう…
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - 御来光

2021-05-03 08:20:47 | 東北
船が離岸を始めるや、後方に鎮座する岩木山が見えてきました。山頂こそ雲をかぶっているものの、雪を被った山頂が御来光に染まっています。改めて見送りに出てくれたかのような光景に、津軽への名残惜しさが募ってくるのは人情です。
函館へ向かって航行する場合、甲板からの眺めでは右舷の方が上回ります。八甲田山、夏泊半島と下北半島が視界に入り、さらに北上していけば函館山も見えるからです。しかし、今日に関する限りは岩木山を遠望できる左舷も悪くありません。非常時とはいえ連休の影響は避けられず、大型車が少ない代わりに乗用車の数は結構なものです。取りも直さず船室は混みます。いわゆる「密」の状態です。航送料が安い代わりに設備については貧弱な青函フェリーではありますが、甲板上にも雨風を凌げる場所は一応あります。適度に暖をとりつつも、甲板で海峡を眺めながらの航海となりそうです。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - 青函フェリー

2021-05-03 07:35:18 | 東北
出航の45分前という、自身としては過分なほどの余裕を持って青森港に着きました。出発から1562kmを走破して東北編は完結です。
わざわざ車を渡すなら、道内に長くいられるようにするのが当然です。しかるに、青森で二日にわたり足踏みしたのは、大型連休特有の事情に起因しています。人出が減った非常時とはいえ、腐っても鯛の諺通り、五連休の初日はさすがに別でした。前日の晩に照会したところ、日中の便は既に埋まって、最速でも深夜着の便まで待つしかないと判明。津軽海峡フェリーは空いていたものの、片道で一万円も違うとなると、さすがに考えざるを得ません。「迷ったら買え」が原則とはいえ、それは合理的な出費で買えるということが暗黙の前提となっているからです。大型連休とはいえども、一万円もの料金差に合理性を見出すことはできませんでした。そうなるに至ってよくよく考えると、すぐにあちらへ渡ったところで翌日は雨と予想されました。その雨をやり過ごしてから渡ればよいと考えて、今朝の便に落ち着いたという顛末です。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - サンルート青森

2021-05-03 06:01:45 | 東北
勝手知ったる弘前と違い、青森に宿泊するのは五年ぶりです。定宿と呼べるところはありません。必要以上に迷った結果、サンルートの世話になりました。
一に料金、二に利便性というのが自身にとっての宿選びの基準であり、同じ料金だったとすれば、チェーンよりも地場の宿を優先するという方針が加わります。ところが、予約サイトの検索結果に出てきた宿の多くが全国チェーンでした。それらを含めて検討の結果、料金、立地の総合評価でサンルートに落ち着くという顛末です。
全国チェーンの老舗たるサンルートも、近年は後発のチェーンに押されて存在感がありません。後発組の多くが宿泊に特化し、合理性、経済性を徹底的に追求する手法を採用したことにより、シティホテルとビジネスホテルが二極化して、中間的な存在だったサンルートの存在意義が乏しくなったということでしょう。時代遅れといってしまえばそれまでとはいえ、随所に残る古きよき時代の名残はこちらの好むところです。全国チェーンだからといって、一律に毛嫌いするには及びません。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - 三日目

2021-05-03 05:14:33 | 東北
昨晩は「鎌蔵」を最後に切り上げました。直接の理由は体力的に限界だったことですが、そうでなくとも早めに終えるつもりでした。結論から申しますと八時の便で函館に渡ります。
弘前での花見が空前絶後の完勝となったことにより、花見の旅に出た目的は達成され、さらに北上しようという強い動機はなくなりました。ただし、出発地まで車を回送するだけの旅にするのも面白くありません。その結果、北海道へ行く案が復活しつつあることについて、出発前にも言及しました。その時点ではあくまで五分五分だったものの、五分五分という時点で「迷ったら買え」の原則が妥当します。あと500km弱に迫った通算24万kmを、北の大地で達成できるという点でも理想的です。非常時を理由に高速料の割引が凍結された現状では、延々自走で帰るより、北海道からフェリーに運んでもらった方が楽でもあります。要するに、決め手となった要因の八割方は「迷ったら買え」の原則であり、どこまで北上するかについての確たる目標はありません。
このような姿勢は、五月の北海道の天気に多くを期待し難いという経験則にも基づいています。その一方で、短時間でも晴れてくれれば、実際に晴れた時間以上に満足できることについても分かっています。一時は絶望的に思えた天候が、若干ながら上向いたのは好材料です。的中してくれることを願います。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - 埋め合わせ

2021-05-02 19:19:42 | 東北
油川から海岸沿いに走っていくと青森市街に至ります。再開後の二日をかけて弘前との間を行き来するにとどまり、出発からの走行距離は1550kmとなりました。
弘前を出た時点で五時が迫っていました。さらに一泊していきたくなる時間帯です。しかしさすがにきりがありません。それよりも、青森に一泊していきたい事情がありました。県下では弘前を専ら贔屓にしてしまい、青森には汽車旅の帰りに寄るのがせいぜいです。ところが、長年恒例行事としてきた汽車旅は、物騒なご時世の煽りを食って頓挫しました。その埋め合わせをしたかったのが真相です。
もう一つの背景として天候がありました。どのみち雨なら見切りをつけ、早いうちから一杯やるのもよいでしょう。その前提で考えると、寿司屋で呑める青森は弘前よりもお誂え向きだったのです。しかし、結果としては短い間ながらも晴れ、あちらを出るのが夕方に延びたことにより、投宿が七時を回ってしまいました。持ち時間が限られるため、何はさておき行ってきます。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - 城北公園

2021-05-02 16:58:32 | 東北
今夜の宿を手配して、弘前を後にするのは確定的となりましたが、その前にもう一ヶ所だけ寄り道です。城北公園を訪ねます。
全国各地に点在する交通公園の一種で、園内には模擬の信号、標識、踏切があります。その片隅に鎮座するD51の保存機がこちらの目当てです。当地ゆかりの892号機で、屋外展示にもかかわらず黒光りするほどよい状態を保っています。しかし、通年にわたりこの状態では、開放式の運転台に雪にが吹き込むのは明らかです。シートに覆われ冬を越し、再び日の目を見たのはつい最近のことでしょうか。動輪まで真っ黒に塗装されているのが唯一惜しまれるところではありますが、大切にされているようなのは幸いです。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - 餞

2021-05-02 15:54:58 | 東北
無料で車を止められる一時間以内で退散するはずが、二時間半を費やしました。短い間とはいえ晴れ、思った以上に楽しめたということでもあります。日が射した時間をつなぎ合わせても、20分あったかどうか分かりません。しかし、元々の予報を思えば上出来でした。あの青空を餞に、弘前を後にせよという思し召しかもしれません。感謝を胸に、次なる目的地へ向かいます。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - 雨上がり

2021-05-02 13:33:49 | 東北
前夜から降っていた雨が予報通りに止みました。再び弘前公園を訪ね、追手門から市民広場、二の丸を経て四の丸に着いたところです。
一時は終日雨の予報も出ていた中、昼までに止んでくれただけでも上出来でした。しかし、園内を歩いていくと次第に薄日が射し始め、青空も所々に見えてきました。ついに日が射した瞬間を捉え、雨上がりの青空を背にした八重紅枝垂と八重桜を写し止めるという経過です。その後再び曇ったものの、所々に青空が広がっている空模様だけは変わりません。見切りをつける必要はまだなさそうです。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - 長勝寺

2021-05-02 11:33:38 | 東北
性懲りもなく禅林広場に戻りました。ただし、この空模様で岩木山の眺望など期待すべくもありません。目当ては長勝寺の境内のカスミザクラです。ソメイヨシノが散ってから咲く一本桜の名木を、明るいうちに今一度眺めようという算段でした。あいにくの雨といえども、由緒正しきお堂に重なる一本桜は絵になります。
ちなみに現在の気温は7.5度、暑がりの自分も半袖ではさすがに厳しく、こちらに着いたところで長袖に着替えました。長袖の出番は会津若松以来ですが、あれはあくまで夜に限ったことでした。会津と津軽の気候の違いを改めて感じます。
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東北縦断花見の旅 2021番外編 - スマイルホテル弘前

2021-05-02 09:14:51 | 東北
弘前の宿は二重に痛手を被ったかもしれません。物騒なご時世により宿泊客が激減しているのに加え、連休前に早々と桜も散ってしまったからです。五連休の初日の宿を難なく手配できたのも、手放しでは歓迎できなくなってきます。昨晩世話になったのは弘前国際ホテルです。
観桜期を除いて考えると、弘前の定宿は当館か弘前東栄ホテルです。当館には帰京の前に泊まったことを考えると、昨晩はあちらにしたいところでしたが、そこまで虫のよい話はさすがにありませんでした。その結果として当館に舞い戻ってきたわけなのですが、結果としてはこれでよかったともいえます。というのも、早朝に発った前回は、当館自慢の朝食を見送らざるを得なかったのが些細な心残りでした。図らずも再び機会を得た今回、朝食付で手配したのはもちろんです。
物騒なご時世の影響は免れず、朝食の形式が見直されたと聞きました。予め取り分けた小鉢を選ぶと聞かされて、想像したのは米沢で世話になったモントビューの朝食です。それはおおむね的中したものの、意表を突かれたこともあります。まず食堂のテーブルが一新されていました。お客同士の間隔を空ける目的で、元々あった長いテーブルを置き換えたということでしょう。それと同時に気付いたのは、品数が相当減っていることです。遅めの時間に訪ねたため、その時点で切れていたものはあるかもしれません。しかし、名物の一つだった帆立のカレーが見当たらないため、始めからなかったものがいくつかあるのは間違いないでしょう。そのような事情もあり、品数はモントビューの朝食に及びません。
ただし、品数を減らしても質を全く落とさないのはさすがです。まず用意されていたのは、皿一枚と箸一膳、それに小さなトングとおしぼりを載せたお盆でした。全ての品が小鉢になったわけではなく、温かいものについては取り分ける形が踏襲されていました。小さなトングはそのために用意されたものだったのです。衛生上の対策を万全にしつつ、少しでもお客に満足してもらおうと試行錯誤を重ねた結果、この形に行き着いたのでしょう。今季のさくらまつりと同様、周到な工夫の跡が窺われました。もう一つ特筆すべきは盛り付けの美しさです。特にたこ酢は居酒屋の小鉢としてそのまま出てもおかしくありません。温かい惣菜を取り分け、小鉢を選んでご飯と味噌汁を加え、ラップを剥がして写真に撮れば、いわゆる「インスタ映え」する朝食の出来上がりです。品数が減らされた分を補って余りある朝食でした。
そのようなわけで、今回も非常に満足できましたが、些細な心残りが一つだけありました。最後にりんごジュースをいただこうとしたところ、目の前で切れてしまったのです。ただし、頼めば補充されると知りつつ、あえて求めはしませんでした。代わりに酒を呑めという思し召しのような気がしてきたからです。酒も地産の飲み物には違いありません。未曾有の危機に直面する飲食業の支援にかこつけ、今夜も一献傾けます。
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