日本列島旅鴉

風が吹くまま西東、しがない旅鴉の日常を綴ります。

丸投げ

2013-08-11 18:37:05 | 
近年自分の中で顕著に変わったことの一つとして、全国チェーンを極力避けるようになったことが挙げられます。たとえば、宿泊は全国チェーンのビジネスホテルよりも地場の宿を優先し、買物も地場のスーパー、コンビニを好んで使うといった具合です。
どこへ行っても同一水準のサービスを低価格で受けられる全国チェーンが、消費者の強い味方であることは事実だとしても、合理性と画一性の追求は味気なさという副作用をもたらします。古い町並みがことごとく廃れ、幹線道路沿いに並んだ無機質な全国チェーンが幅をきかせる時代であればこそ、その土地に古くから根付いてきたものがもつ情緒や味わいを大切にしたいという考えが、年を追うほど強くなってきた次第です。

しかし、そんな中でも依然として全国チェーンに頼り切っているものが一つだけあります。給油で立ち寄る宇佐美のスタンドです。
ガソリンスタンドにも地場の業者と宇佐美のような全国チェーンはあり、チェーンを避けたいなら宇佐美は真っ先に敬遠すべき存在でしょう。そう分かっていながら頼ってしまうのは、当然ながらいくつかの理由があってのことです。以下に思いつくまま挙げてみます。

・ガソリンの品質が変わらない
根本的な理由は何といってもこれです。飲食店にたとえていうなら、これはどこの店へ行っても同じ味が楽しめるようなものといってよいでしょう。それなら何も地場のスタンドを探してまで給油する必然性はなく、使い慣れた全国チェーンでよいわけです。

・そこそこ安い
品質が変わらないとすれば、あとはもっぱら価格で選べばよいということになります。とことん安いスタンドを探すなら、元売りの看板を持たない「インディーズ系」のスタンドが一番です。しかし、少しでも安いスタンドを求めて血眼になるなど、旅先においては本末転倒も甚だしいというものでしょう。この点宇佐美なら、その地域の最安値とは限らないにしても、周辺の平均価格は確実に下回ります。旅の楽しみを犠牲にしない範囲で最も安く給油するなら、なんだかんだで宇佐美が一番なのです。

・全国一の店舗網
道北、和歌山、香川、高知、沖縄など少数の空白地帯はあるものの、全国津々浦々に張り巡らされた店舗網は、長距離ドライブの強い味方です。

・いつでも開いている
大半のスタンドが24時間営業なので、時間を気にする必要がありません。

・善し悪しの見分けがつかない
味が全く同じなら、あとは価格で選べばよいと申しました。しかし、味が同じであっても、店の雰囲気やらサービスやらで満足度が大きく違ってくることはよくあります。ガソリンスタンドにもこの理が当てはまるとすれば、画一的な全国チェーンよりも、店主自ら接客する個人経営のスタンドの方が、高い満足を得られる可能性はあるのかもしれません。とはいえ、店構えからある程度想像がつく酒屋と居酒屋はさておき、ガソリンスタンドの善し悪しというものを見分けることは果たして可能なのでしょうか。少なくとも自分にはそのような眼力がありません。

このように、給油に関する限りは全国チェーンに明確な優位性があり、宇佐美に丸投げする方針は当分変わらないでしょう。しかし、「善し悪し」を見分ける眼力がついたとすれば、これは相当奥深い趣味になりそうな気がします。そのように想像できる時点で、その道には得てして先達がいるものです。果たせるかな愛好家のWebサイトを発見。こ、これは(絶句)
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