オオムラサキの生態については、飼育している人もたくさんいるし、研究もされているので、たいてい分かっているつもりでいましたが、自然の中で観察していると、通常書かれている事とは違う場面に遭遇したりして驚かされることがあります。求愛の際には、オスが求愛しメスが受け入れると交尾に至ると思われていますが、受け入れたメスをオスが足蹴(実際は翅でたたき落とす)にして別のメスに求愛するという場面に遭遇したことがあります。
そんな週末にとんでもない場面を見てしまいました。それが最初の写真です。このオスは、神社の礎石の脇の乾き切った地面に口吻を刺し込んで20分以上も何かを吸っていたのです。いったい何を吸っていたのでしょう。粒子の細かな土でしょうか。そんな事はどこにも書かれていません。不思議です。
飛び去った後、その場所をさらって見ましたが、やはりカラカラに乾いた非常に細かい砂だけです。他に何もありません。かなり長い時間吸っていたので間違えて口吻を突き刺したわけではないようです。
ネットで色々調べてみましたが、こんな生態はどこにも載っていませんでした。新発見でしょうか。
別のオスは、神社の格子戸にしみ込んだ水分を吸っていました。これは分かります。極わずかな水分なので、これも長時間このままの体制で吸い続けていました。見つけた樹液には一発で来るオオムラサキも、水分の場所を見つけるのは苦手な様です。観察していると結構行き当たりばったりで、わざわざ水気のある場所を通り過ぎて、乾燥した土や落ち葉の上で口吻を盛んに突き立てている場面を見ます。樹液に比べて強い匂いがないからでしょうか。
こちらは湿った地面に口吻を突き刺して吸っています。これが通常見られる光景です。まだ羽化したてなので翅も奇麗です。これが10日も経つと縄張り争いやニホンカナヘビにかじられたりして傷んできます。樹液も出始めたので、今まで一カ所に集まっていたオス達も、分散するようになってきました。今年は初め空梅雨でしたが、その後順調に降ったので樹液の出も悪くはないようです。縄張り意識は強いので、今日も二頭で燕を追い掛けるところを見ました。幼虫の時に、仲間が次々に鳥に食べられてしまった仕返しというわけではないでしょうが。
6月はまだ樹液があまり出ていないので、このように土の中のわずかな水分を吸ったり、イノシシの柔らかい糞を吸ったりします。熟した桑の実が落下して潰れたものも吸います。
ヒメウラナミジャノメが、葉の上で交尾していました。
樹液の出が悪いと、所謂「樹液バー」は、席の取り合いが激しくなります。今回はオオスズメバチが吸汁している所へ、最初オオムラサキのメスが来ました。このメスはやや小さくオオスズメバチに呆気なく追い払われてしまいました。その後やって来たのがヒオドシチョウ。横へ入り込んで吸い始めたのですが、結局オオスズメバチに追い払われてしまいました。先にオオムラサキの、特に大きなメスがいるときは、オオスズメバチを追い払う事もあります。勝負は五分五分というところでしょうか。そんな彼らを全く問題にしない昆虫がいます。さてなんでしょうか。
それはカブトムシです。樹液バーで最強の席取りは、なんといってもカブトムシです。オオスズメバチが数匹で襲いかかってもびくともしません。その顛末は、下のリンクの写真をご覧ください。カブトムシの横で吸汁するのは危険を伴います。脚や角で振り払われたら、オオムラサキの口吻などすぐに切れてしまいます。実際そういう個体は毎年目にします。
■樹液バーでの昆虫同士のバトルとその顛末
今日は日曜だったので、小さな子供達も来ていました。4歳位の女の子にオオムラサキがいるよと教えると、地上すれすれに飛んだり、地面に留まって水分を吸う姿を興味深げに見ていました。メスもそろそろ羽化し始めたので、やがて求愛のシーンも見られる様になるでしょう。
■オオムラサキなど、信州の里山で夏に見られる蝶の色々
■ツイッターMORIMORIKIDSは左のサイドバーでご覧頂けます。主に原発情報、地震情報を呟いています。非常に重要な情報を選んでツイートしています。ときには自然、歴史も。写真もアップします。福島第一原発からは、今も毎日2億4000万ベクレルの放射性物質が流出しています。事故は終わっていません。太平洋は死の海になろうとしています。現実を学び見ないと生き残れない時代です。それでも原発は必要ですか。
そんな週末にとんでもない場面を見てしまいました。それが最初の写真です。このオスは、神社の礎石の脇の乾き切った地面に口吻を刺し込んで20分以上も何かを吸っていたのです。いったい何を吸っていたのでしょう。粒子の細かな土でしょうか。そんな事はどこにも書かれていません。不思議です。
飛び去った後、その場所をさらって見ましたが、やはりカラカラに乾いた非常に細かい砂だけです。他に何もありません。かなり長い時間吸っていたので間違えて口吻を突き刺したわけではないようです。
ネットで色々調べてみましたが、こんな生態はどこにも載っていませんでした。新発見でしょうか。
別のオスは、神社の格子戸にしみ込んだ水分を吸っていました。これは分かります。極わずかな水分なので、これも長時間このままの体制で吸い続けていました。見つけた樹液には一発で来るオオムラサキも、水分の場所を見つけるのは苦手な様です。観察していると結構行き当たりばったりで、わざわざ水気のある場所を通り過ぎて、乾燥した土や落ち葉の上で口吻を盛んに突き立てている場面を見ます。樹液に比べて強い匂いがないからでしょうか。
こちらは湿った地面に口吻を突き刺して吸っています。これが通常見られる光景です。まだ羽化したてなので翅も奇麗です。これが10日も経つと縄張り争いやニホンカナヘビにかじられたりして傷んできます。樹液も出始めたので、今まで一カ所に集まっていたオス達も、分散するようになってきました。今年は初め空梅雨でしたが、その後順調に降ったので樹液の出も悪くはないようです。縄張り意識は強いので、今日も二頭で燕を追い掛けるところを見ました。幼虫の時に、仲間が次々に鳥に食べられてしまった仕返しというわけではないでしょうが。
6月はまだ樹液があまり出ていないので、このように土の中のわずかな水分を吸ったり、イノシシの柔らかい糞を吸ったりします。熟した桑の実が落下して潰れたものも吸います。
ヒメウラナミジャノメが、葉の上で交尾していました。
樹液の出が悪いと、所謂「樹液バー」は、席の取り合いが激しくなります。今回はオオスズメバチが吸汁している所へ、最初オオムラサキのメスが来ました。このメスはやや小さくオオスズメバチに呆気なく追い払われてしまいました。その後やって来たのがヒオドシチョウ。横へ入り込んで吸い始めたのですが、結局オオスズメバチに追い払われてしまいました。先にオオムラサキの、特に大きなメスがいるときは、オオスズメバチを追い払う事もあります。勝負は五分五分というところでしょうか。そんな彼らを全く問題にしない昆虫がいます。さてなんでしょうか。
それはカブトムシです。樹液バーで最強の席取りは、なんといってもカブトムシです。オオスズメバチが数匹で襲いかかってもびくともしません。その顛末は、下のリンクの写真をご覧ください。カブトムシの横で吸汁するのは危険を伴います。脚や角で振り払われたら、オオムラサキの口吻などすぐに切れてしまいます。実際そういう個体は毎年目にします。
■樹液バーでの昆虫同士のバトルとその顛末
今日は日曜だったので、小さな子供達も来ていました。4歳位の女の子にオオムラサキがいるよと教えると、地上すれすれに飛んだり、地面に留まって水分を吸う姿を興味深げに見ていました。メスもそろそろ羽化し始めたので、やがて求愛のシーンも見られる様になるでしょう。
■オオムラサキなど、信州の里山で夏に見られる蝶の色々
■ツイッターMORIMORIKIDSは左のサイドバーでご覧頂けます。主に原発情報、地震情報を呟いています。非常に重要な情報を選んでツイートしています。ときには自然、歴史も。写真もアップします。福島第一原発からは、今も毎日2億4000万ベクレルの放射性物質が流出しています。事故は終わっていません。太平洋は死の海になろうとしています。現実を学び見ないと生き残れない時代です。それでも原発は必要ですか。