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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

続 梅雨の森の宝石オオミドリシジミ。構造色の鱗粉がはがれ始めた。コシアキトンボ。樹下に咲くイチヤクソウ。オカトラノオとシモツケ(妻女山里山通信)

2023-06-21 | アウトドア・ネイチャーフォト
 3日ぶりの梅雨の晴れ間。オオミドリシジミの撮影にでかけました。快晴とはいかず小さな雲が通り過ぎますが、風がないのが幸いしました。雨天はもちろん曇天や強風の日はオオミドリシジミの専有行動の飛翔はほとんど見られません。

 広葉樹林の藪の高いところで数頭が舞っていましたが、一頭だけ下りてきてくれました。ヒカゲイノコヅチの葉の上で休憩中。

 たった3日ですが構造色の鱗粉があちこちで剥がれています。専有行動の飛翔はかなり激しいもので、2匹、3匹がクルクルと回る途中で翅がぶつかるのでしょう。ひとつ前の記事の写真と比べると一目瞭然です。というか翅をぶつけ合って回っているのでしょう。鹿のオス同士の角突きみたいなものかも。

 この日は葉に止まるとすぐに翅を開きます。湿った翅を少しでも早く乾かしたいのでしょうか。

 メスはオスの後翅の様な茶褐色です。オオムラサキは、メスのほうが1週間か10日ほど遅く羽化するのです。そして産卵して生涯を終えます。オオミドリシジミもそうなのでしょうか。

 オニグルミの葉の天蓋。オオミドリシジミはこの樹冠の上には行きません。

 いきなりシナノガキ(信濃柿・豆柿)の葉に止まりました。少し後ピンになりました。すぐに飛び去ったのでこのワンカットだけ。あっという間に終了の10時半になりました。彼らの体内時計は、SEIKO並みに正確です。

 苔むした山桜の幹にニホンカナヘビが日向ぼっこ。人の気配に非常に敏感ですぐに逃げるのですが、この時は日向ぼっこの心地よさに酔いしれていました。

 湿った樹下に咲くイチヤクソウ。木漏れ日のスポットライトを浴びていました。

 イチヤクソウ(一薬草)。別名は 鹿蹄草(ろくていそう)といい生薬。 薬効は急性腎炎、膀胱炎、妊娠時のむくみなど。妻女山山系では貴重な花です。周囲には5株ありました。

 休憩に陣場平へ。ヒメウラナミジャノメがピョンピョンはねて舞っています。コゲラのドラミングとサンコウチョウの囀り。貝母はまだ弾けた実はありません。

 別の林道へ。これはめずらしい。コシアキトンボの未成熟のオスです。見かけたことはあっても撮影したのは初めてかも知れません。

 林道の小さな木漏れ日の中で日向ぼっこするコミスジ。こちらもずいぶんと翅が傷んでいます。

 オカトラノオ(丘虎乃尾)サクラソウ科オカトラノオ属。花は穂の下の方から咲いていきます。群生地では、花穂(かすい)の波うつ様子がまるで波の文様の青海波(せいがいは)のように見えます。

 シモツケ(下野)バラ科シモツケ属。別名は、キシモツケ(木下野)。シモツケの葉は、卵形や披針形ですが、シモツケソウの葉は掌状に5~7に深裂します。シモツケソウは、バラ科シモツケソウ属。どちらも葉の縁に鋸歯があります。

 標高の低いところのクマノミズキの花が咲き始めました。昆虫たちがたくさん吸蜜に訪れます。

 妻女山展望台から東の松代方面の眺め。陣場平は涼しかったのですが、麓の最高気温は29度になりました。ただ湿度が低いので不快ではありません。

 北東の眺め。信越トレイルの手前は豪雪地帯の飯山。山脈の向こう側は新潟県です。典厩寺は、武田信玄の弟、信繁が八幡原で討死したことに因み、合戦から60年後、元和八年(1622)、松代藩主真田信之が信繁の官職「左馬助」の唐名「典厩(てんきゅう)」から寺号を典厩寺と改めて菩提を弔ったものです。閻魔堂には東洋一大きいといわれる閻魔大王像があります。またここの川中島合戦記念館は必見です。信繁の着用した鎧の下着や刀などが展示されています。
武田典厩信繁の墓と全国随一の大きさの閻魔大王像がある典厩寺探訪(妻女山里山通信)

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