モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ヤマトシジミの三角関係の修羅場に遭遇した真夏日の妻女山山系。オオムラサキのオスを初見も…(妻女山里山通信)

2023-06-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 9日ぶりの梅雨の晴れ間。前夜にかなりの降雨があったので林道は泥濘状態でズルズル滑りながら登りました。オオミドリシジミは数頭舞っていましたが、雨上がりで湿度が高いので地面近くには下りてきません。日当たりの良い場所に行けばゼフィルスが見られるだろうと向かいました。

 カタバミで吸蜜していたのは、最初メスかなと思いましたが、どうも縄張り争いで鱗粉が剥がれたオスだろうと。このオスが飛び立ってたどり着いたのは。

 メスを見つけました。交尾器のバルバを出してメスに交尾を誘います。

 迫るのですが、そう簡単には応じてもらえません。シェークスピアの戯曲『ロミオとジュリエット』を思います。成就するでしょうか。

 諦めずに求愛を続けます。

 めでたく受け入れてもらえました。

 どちらが主導するのか分かりませんが、位置を微妙に変えていきます。

 マクロレンズで近接撮影をしているので、かなり接近します。驚かさない様に息を止めてゆっくりと移動します。

 一番いい体勢を探している様です。

 最もしっくりする体位に落ち着いた様です。ところが。

 近くに鱗粉がまだきれいなオスが止まりました。嵐の予感。

 交尾中の二頭に激しく羽ばたいて迫ります。おらっちの方が若いしいい子種を持っているだに。

 しかし、交尾中のオスのバルバはメスをガッチリと捕まえているので、若造が体当りしたくらいでは外れません。三角関係の修羅場になるかと思いきや。二人の愛は固く確かなものでした。

 ひとり寂しく黄昏れるオス。いやいや美しいメスは彼女だけではない。君にピッタリのメスは必ずいる。かもしれない。諦めるべからず。幸運を祈る。

 というわけでセッセと交尾に励むカップルでした。昆虫を擬人化するというのは生物学的にはやってはいけないことなんですが、やりたくなりますね。以前、オオムラサキの三角関係でメスがすがりつくのをオスが気に入ったメスと交尾直前で足蹴にするのを目撃しブログにアップしました。ルリボシカミキリの三角関係もアップしています。人に限らず動物の愛の成就は難しいものなのです。動画も撮影しているので、インスタグラムやYouTubeにアップします。

 撮影を終えて陣場平へ。気温は20度ですが湿度はものすごく高いです。ガビチョウやサンコウチョウの鳴き声がします。川中島の戦いで上杉謙信が本陣としたと伝わる場所。兵どもが夢の跡。

 貝母(ばいも・編笠百合)の実は枯れていますが、まだ緑のものも。見が弾けて種が飛ぶのは梅雨明け以降になります。

 貝母の群生地入り口から林道方面。梅雨明けしたら妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーを集めて、除草や帰化植物の除去、倒木の処理や除伐の作業をします。

 下山して松代方面の眺め。もう夏の風景です。撮影はできませんでしたが、オオムラサキをのオスを初見しました。ここ2年ほど数が減少しているので、大量に発生してくれることを期待しています。昆虫の増減には経年変化や気象条件、農薬や排気ガスなど色々な原因があるのですが、ネオニコチノイド系農薬の空中散布は中止されましたし、どういう原因理由があるのかは非常に難しい問題です。とにかく定点観測が重要なのです。

■ヤマトシジミの三角関係の修羅場に遭遇した真夏日の妻女山山系


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