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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

蜂雀と書く不思議なホウジャク。極小のミナミヒメヒラタアブ。ジャノメチョウの交尾。夏の茶臼山自然植物園(妻女山里山通信)

2024-07-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 11日ぶりの晴れ。しかも梅雨が明けました。梅雨は短かったのですが、長野県の降水量は平年の1.5倍だとか。よく降りました。この日の最高気温は32度の予報ですが、茶臼山自然植物園は28度。しかし日差しは刺すように暑く炎天下にいられるのは3分ほど。今回のお目当ては蜂雀と書くホウジャクです。前回、目撃したので。

 まず見つけたのはミナミヒメヒラタアブ。複眼がくっついているのでオス。体長が8-9ミリしかないので、探さないと存在すら気がつきません。小さすぎて羽音もしません。以前9ミリのオスが8ミリのメスを抱きかかえて交尾飛翔する場面を撮影しましたが、本当に幸運でした。

 胸部と腹部の間の両側に小さなヘラ状の突起が出ています。昆虫は4枚の翅を持っていますが、ハエ目の昆虫は2枚です。これは後翅が退化して平均棍という飛翔の際にバランスをとるための器官に変化したものです。長い下口式の口器(唇弁)を出して花粉や密を吸います。

 後方は茶臼山南峰。一番下からは2.5キロ。標高差は300mほど。ここまで登ってくる人は少ないのですが、5人ほど登ってきました。日課としている方もいる様です。熱中症対策は必須です。花は外国産の園芸種が中心。

 ヒメクロホウジャク(姫黒蜂雀)チョウ目スズメガ科 ホウジャク亜科。体長は45ミリほど。地表に粗い繭を作り蛹で越冬します。幼虫の食草は、アカネ、ヘクソカズラ、アケビなど。ブラジルで見たハチドリそっくりです。

 体長と同じぐらいの長い口吻で吸蜜しています。1秒間に70回ほど高速で羽ばたきます。写真の様に花に止まることもありますが、基本はホバリングしながら吸蜜します。

 吸蜜している花は、ブッドレア・ブラックナイト。高さ2.5メートルぐらいになる華やかな花です。蝶が集まるため、英名はバタフライブッシュ。

 翅の一部が透けていて美しい。初めて見たときは、なぜ日本にハチドリがいるのと思いました。

 高速で羽ばたき移動するので、これも撮影が難しい昆虫です。

 日本特産のヤマユリ(山百合)。大柄で艶やか。鱗茎は食用の百合根になります。ただ花はユリ中毒を起こすので芳香が強くても嗅がないほうがいいでしょう。ネコは死ぬこともあるそうです。

 ベルカシア・アンプレ・クリカウリスで交尾しながらメスが吸蜜している3組のマメコガネ(豆黄金)。幼虫はブドウ、バラ、ヤナギ、そしてクズやマメ類などの根を食べ、成虫はそれらの葉を食べることから害虫として知られています。北米ではジャパニーズ・ビートルと呼ばれる外来の重要害虫。鳥やスズメバチが天敵ですが、土壌中のバチルス・ポピリエという乳化病菌が幼虫に寄生するため大量発生を抑えているということです。つまり、農薬の空中散布などで土壌汚染されて細菌が死ぬと大量発生の可能性もあるわけです。

 オカトラノオで吸蜜するヒメキマダラセセリ(姫黄斑挵)。

 ブッドレアで吸蜜するウラギンスジヒョウモン(裏銀筋豹紋)。

 交尾中のジャノメチョウ(蛇目蝶)。クガイソウ、マツムシソウ、アザミ類などの花で吸蜜するほか、腐った果実や獣糞も吸います。幼虫の食草は、イネ科やカヤツリグサ科の葉。

 植物園にいついている黒猫。声をかけても振り向きもせず。暑さに参っている様です。

 黄色い花は、北米原産のルドベキアの一種。草丈が2メートルぐらいあります。別名は松笠菊。右奥に根子岳と四阿山。手前に奇妙山。昼近くですが暑くて誰もいません。頭がクラクラしてきたので帰ります。

 帰る途中にヤブカンゾウ(藪萱草)ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。私も畑で育てていますが、蕾は金針菜で、中華の高級食材。消炎、止血薬として血尿、痔などに効く薬草です。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

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