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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

ヒオドシチョウの日向ぼっこ。陣場平の貝母のつぼみ。セリバオウレンも薬草。紅梅にセイヨウミツバチ(妻女山里山通信)

2023-03-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今から12年前の今日3月11日午後2時46分、東北大震災が起きました。いまだに避難生活を余儀なくされている人は3万人余り。福一の廃炉作業は税金で。で上乗せして電気代高騰。東電は赤字どころか黒字。使える原発は60年使う。原発が安全なら最も電力を使う東京に作りなさい。有事が起きたら狙われるのは原発。トマホークなどなんの役にも立たない。確実に日本は終わる。平和外交を忘れた日本。統一教会カルト自公政権を潰さないと日本は終わります。こんな日本を子供や孫達に残してはいけない。という麗らかな日に、花粉を物ともせず妻女山陣場平へ。

 越冬したヒオドシチョウ(緋縅蝶)の日向ぼっこ。翅の表が鎧の緋縅(ひおどし)を連想させることからの命名ですが、裏は地味な樹皮模様。ハネがボロボロなのは、縄張り争いの戦いの結果です。 幼虫(刺の多い、ごま塩に黒と黄色の線、オレンジのスポットがある)は、春にエノキ、ヤナギ、ケヤキ、ニレなどの葉を集団で食べ、成虫はクヌギなどの樹液に集まります。

 毎回必ず撮影する陣場平入り口の最も成長の早い貝母。林道からも見えます。もう蕾をつけています。このまま50センチ以上に伸びます。満開は、4月10〜25日頃でしょうか。寒の戻りとかで変わります。開花情報は当ブログで確認してください。

 陣場平の大群生地に入ってすぐ左の高句麗からの帰化人の積石塚古墳の周りの群生地。高句麗からの帰化人と貝母が日本に入ったのは、ほぼ同じ頃です。古墳にピッタリの花だと思います。万葉集に一首詠われています。

 入り口の反対側から。これでも全部ではありません。左右にも広がっています。四畳半ほどの群生を発見してから、ここまでするのに14年かかりました。この日は、貝母の上に落ちた落枝を何十本と片付けました。

 貝母のつぼみはもうできています。今年は3月下旬には咲き出すかも知れません。随時このブログで載せていきます。

 陣場平の片隅にひっそりと咲く薬草のセリバオウレン。雄花。直径が10ミリもありません。これを観るには虫眼鏡が必要です。大きなのは5枚の萼片で、その内側の少し黄ばんだ10枚ほどの小さなものが花びらです。生薬の「黄連」は根茎を乾燥したものでベルベリン(アルカロイド)などを含み、消炎、止血、精神不安に効く薬です。薬草ですが、貝母と同じく毒草です。

 昨年、貝母が枯れた5月下旬に妻女山里山デザイン・プロジェクト(妻女山SDP)のメンバーを集めて周囲の森に散った貝母の球根を100株近く掘って中央の貝母がない場所に移植しました。それが発芽しています。

 15センチ位の腐朽木の破片に黄色いものが見えました。粘菌かなと思いましたが小さすぎて分かりません。帰って見るとキノコです。モエギビョウタケ(萌黄鋲茸)。直径は0.5ミリから1.5ミリ。

 蕗の薹(とう)も、妻女山山系のあちこちで出始めました。雄花。雌しべがあるので両性花ですが自家受粉はできません。蕗味噌にしました。

 ノビル(野蒜)もあちこちで。カルシウムをはじめ、マグネシウム、リン、鉄分などのミネラルも豊富な山菜です。抗ガン、抗菌、免疫力アップ、貧血予防、便秘解消、美肌効果、老化防止の効能も。これのおやきと餃子は絶品です。卵とじやパスタにも。醤油・本味醂・ゴマ油でノビルの醤油ダレも最高です。これに漬けて鶏の唐揚げを。在京時代は、調布市の野川へ息子と採りに行きました。乞食ネギなんていう失礼な俗名もありますが、古代から食べられていたので古事記ネギと言うべきでしょう。

 昼になったので堂平大塚古墳のログハウスへ。手造りのツナマヨおかかとタラチャンジャと明太子マヨおかかのおにぎりとたんぽぽコーヒーでまったりと昼餉。20度の寒暖差での自律神経失調症と花粉症で体調は最悪ですが、紅梅も咲いて心がほぐれます。北アルプスは春霞か黄砂か花粉か、霞んでいます。

 紅梅にはたくさんのセイヨウミツバチが訪れていました。羽音がもの凄い。後ろ脚には花粉団子。

 オオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)は、明治初期にヨーロッパから伝わった帰化植物です。オオバコ科クワガタソウ属の越年草。日が当たるときだけ花を咲かせる一日花で、別名は星の瞳です。ホトケノザももうすぐ咲きそうです。
「犬ふぐり 星のまたたく 如くなり」高浜虚子 このイヌフグリが、オオイヌノフグリか白い在来種のことかは虚子に聞かないと分かりません。

 スギ花粉もたくさん付いています。ほぼ無風なので大丈夫ですが、午後2時頃になると決まって強風が吹き始めます。そのため午後1時には必ず下山するようにしています。さもないと悲惨な目に会います。天気がいいので洗濯物も布団も午前中に取り込みが必須です。スギ花粉の後はヒノキの花粉。それが終わらないと窓を開けることはできません。やれやれ。
 東北大震災、福一核爆発から12年。ちなみに当時、携帯もパソコンメールも不通でした。唯一通じたのがツイッター(相互フォローしているとダイレクトメールができます)。東京の次男には、現状をつぶやき続けろといいました。そう遠くない将来に東京直下型地震が来るかも知れません。信州でも2011年3月12日に栄村大震災があり、2014年11月22日に神城断層地震があり、白馬村が大災害に見舞われ、虫倉山の山頂が4割崩壊し、善光寺でも被害がありました。松本平の牛伏寺断層はいつ動いてもおかしくないといわれています。備えに完全はないのですが、必要です。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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