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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

妻女山のソメイヨシノが満開。キブシやミヤマウグイスカグラも咲きました(妻女山里山通信)

2016-04-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 あんずの花が散って妻女山のソメイヨシノが満開になりました。千曲川河川敷の桃の花も開花。ここのところ最高気温が割りと高く、最低気温もそう低くないので一気に開花が進みました。『真田丸』効果で妻女山(旧赤坂山)を訪れる人も増えました。ここが謙信本陣と勘違いして帰る人が多いので拙書を見せて、謙信本陣はここより100m高い旧妻女山、本名斎場山ですよとご案内しています。皆さん驚かれますね。

 妻女山山系で最初に咲くスミレ(左)。草高は3-5センチしかありません。葉の先は尖っているものと、丸いものがあります。茎には毛があります。アオイスミレでいいのでしょうか。交雑種でしょうか。ムラサキケマン(中)。毒草ですが、ウスバシロチョウの食草です。カンスゲの穂も出てきました(右)。こちらでは芝草ともいいます。林道ではヒオドシチョウやルリタテハが日向ぼっこ。陣馬平ではルリシジミが忙しなく舞っています。ホウジロのさえずり、ピーエーというノスリの鳴き声、クサボケも咲き始め、ベニヤマザクラも咲き出しました。

 ミヤマウグイスカグラ(左)。深山鶯神楽と書きますが、ウグイスが実をついばむ姿が神楽を舞うように見えることからの命名とか。葉や茎、赤い実にも毛があります。12月にも咲いていました。6月になる赤い実は甘く食べられます。玉暖簾の様に咲くキブシ(中)。ニワトコも開花(右)。

 キブシ(木五倍子)の花の暖簾は、明るい林道沿いで群生しているのが見られます。キブシの髄はスポンジ状で、昔は灯芯などにも使われたようです。髄を取り出すと中空になるので、酒樽の呑み口にも使われたとか。また、江戸時代には既婚の女性はお歯黒にする習慣がありましたが、キブシの実も利用されました。釘や鉄粉を食酢につけて酸化した液に、ヌルデの実、五倍子(ごばいし)やキブシの実の粉末をつけて、歯につけると黒く染まるそうです。

 カタクリも咲き始めました。花は温度により開閉します。花びらの温度が17-20度で開花し、25度では完全に反り返るといいます。気温はそれほどなくても、直射日光に当たると温度が上昇するようです。種にアリが食料とするエライオソームという物質がついているため、アリによって運ばれるアリ散布植物の一種で、日本には200種以上あります。
もののふの 八十娘(やそおとめ)らが 汲み乱(まが)ふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花 (万葉集/大伴家持)

 カタクリは別名を初百合ともいいます。片栗粉で名前だけ残っていますが、江戸時代の、『茅窓漫録』に「病人飲食進みがたく,至りて危篤の症になると,かたくりといふ葛粉のごとくなるものを湯にたてて飲ましむ。」とあるように、薬草として用いられました。ちなみに花言葉は「初恋、嫉妬、寂しさに耐える」。

 カタクリの群生地の中にあったヤマトリカブト(左)。全草が猛毒です。山菜になるニリンソウと似ているので間違えないようにしないといけません。泉の小さな流れに咲いていたワサビの花(中)。私のレシピ集から「ワサビの粕漬けの作り方」。緑色なので一瞬ホトケノザかと思いましたが、よく見ると同じシソ科のヒメオドリコソウ(右)。最低気温が高いのでアントシアニンが生成されず赤紫にならないのでしょう。拙書の髻山のキャプションにホトケノザとあるのは間違いで、正しくはヒメオドリコソウです。両方共シソ科です。

 今は亡き山仲間のKさんのログハウスの枝垂れ桜も、例年よりかなり早く咲き始めました。左はソメイヨシノ。天然のカスミザクラ、オオヤマザクラ、ウワミズザクラやズミが咲くのは、今月下旬でしょう。

 陣馬平の貝母もかなり開いてきました。薬草ですが、これもかなり毒性が強いので要注意です。丸まった葉の先を互いに絡めあって東風(こち)に揺れる様は、非常に風情があり美しいものです。ここへの行き方は、拙書で紹介しています。貝母へ進入するノイバラとヨシの除去で腰痛が酷くて参っています。発見した時は酷いヤブの中で四畳半ほどしかなかったのですが、4年ほどかけてギャップを作ったらここまで増えました。元々畑だったので周囲と土目が異なるのです。

 貝母は、和名を編笠百合といいますが、花の中を見るとその理由が分かります(左)。妻女山松代招魂社のソメイヨシノも週末には満開になりました。たくさんの観光客や花見客が訪れていました。17日(日)は、長野マラソンですが、桃の花や堤防の菜の花も咲くでしょう。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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