連休初日に妻女山の奥まで山蕗と天然榎茸を採りに行きました。斎場越の旧道を登っていると、右手から視線を感じました。その方向を見ると、いつものニホンカモシカがいます。子供の方です。下って行くところだったので、ヒノキの植林地で母親と会っていたのでしょう。そこが二匹のいつもの出会いの場所なので。とりあえず数枚撮影してから山を登りました。
時間もないので最短のコースを登り、陣場平を真っすぐに横切ってニホンカモシカの獣道を使って山蕗の場所へ。深い落ち葉をのけて出始めの蕗を10個ほど採りました。深い落ち葉の下にあるので、場所を知らないと採れません。この山蕗は里のものと比べると格段に味が濃いのです。苦みも相当にあります。すぐに下って天然榎茸が出るシロを目指します。古い切り株に雪に埋もれる様にしてひと抱えほどの榎茸がありました。
そして、そそくさとわが家の森に戻ると、さっきのニホンカモシカがまだいました。林道の下のくぼみに座って反芻しています。積雪があると座れずに立ったまま反芻します。これを「アオの寒立ち」といいますが、ここのところの陽気で雪解けしたため座って反芻することができるようになったのです。反芻している間は動かないのでしばらく様子見る事にしました。
カメラを取りに戻ってしばらくするとニホンカモシカがゆっくりと動き出しました。森の中に入り近づいてくと立ち止まってこちらを凝視しています。小さい頃は結構血気盛んで、こちらに向かってシュッと何度も威嚇をしたものですが、最近は顔も覚えたのでしょう。威嚇されることはなくなりました。それでも近づきすぎると逃げますが、ゆっくりで、数メートル行くと必ず止まって振り返ります。今回も、手を振ったり、話しかけたりしながら近づいて撮影しました。
このニホンカモシカなんですが、オスにもメスにも角があるため、なかなか雌雄が分からないのです。ところがこの日は、撮影した後興味がなくなったか、下にある糞場に下りていきました。そこで私がいるのにも関わらず、腰を落として用をたしたのです。雌雄の区別でオスは立ちションをし、メスは座ってするというのがあるので、これはメスかなと思ったのですが、糞の場合はオスもやや腰を落とすのでしょうか。結局判別にはいたりませんでした。
角は、牛科なので鹿の様に毎年生え変わる事はありません。前方から見ると短く見えますが、横から見ると頭に沿って寝ていてけっこう長いことがわかります。細い枝に角の前側の下をこすりつけて角研ぎをするのですが、このニホンカモシカはまりしないようで、ほとんどすり減っていません。まだ若いというのもあるのでしょうが、周りを見てもそのような痕跡が見られないのです。一説には、縄張り争いが激しい場合によくするということらしいのですが、このニホンカモシカは母親に縄張りを譲ってもらったことからしても、そういうストレスはないのかもしれません。
これから山蕗が出て、貝母や新芽もでてきます。カタクリも食べます。暖かくなると冬毛が抜け始めるのですが、しばらくボロをまとったルンペンのような酷い風体になります。人によっては皮膚病かなどと勘違いするようですが、そうではありません。冬毛が抜け落ちると、ひと回りスマートになります。ずいぶんと痩せてしまったなと思えるほどです。大きくなっているはずなのに去年より小さいので同じ個体と気づくのに時間がかかることもあります。
このニホンカモシカは、顔立ちが整っていてなかなか美形だなと思います。はやりメスなのでしょうか。一番下の写真などは、私に流し目を送っているみたいにさえ見えます。ニホンカモシカに惚れられても困るのですが‥。春が近づいて、ニホンカモシカの表情にも穏やかさが感じられる今日この頃の妻女山ですが、今夜からまた雪になりそうです。

★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。
時間もないので最短のコースを登り、陣場平を真っすぐに横切ってニホンカモシカの獣道を使って山蕗の場所へ。深い落ち葉をのけて出始めの蕗を10個ほど採りました。深い落ち葉の下にあるので、場所を知らないと採れません。この山蕗は里のものと比べると格段に味が濃いのです。苦みも相当にあります。すぐに下って天然榎茸が出るシロを目指します。古い切り株に雪に埋もれる様にしてひと抱えほどの榎茸がありました。
そして、そそくさとわが家の森に戻ると、さっきのニホンカモシカがまだいました。林道の下のくぼみに座って反芻しています。積雪があると座れずに立ったまま反芻します。これを「アオの寒立ち」といいますが、ここのところの陽気で雪解けしたため座って反芻することができるようになったのです。反芻している間は動かないのでしばらく様子見る事にしました。
カメラを取りに戻ってしばらくするとニホンカモシカがゆっくりと動き出しました。森の中に入り近づいてくと立ち止まってこちらを凝視しています。小さい頃は結構血気盛んで、こちらに向かってシュッと何度も威嚇をしたものですが、最近は顔も覚えたのでしょう。威嚇されることはなくなりました。それでも近づきすぎると逃げますが、ゆっくりで、数メートル行くと必ず止まって振り返ります。今回も、手を振ったり、話しかけたりしながら近づいて撮影しました。
このニホンカモシカなんですが、オスにもメスにも角があるため、なかなか雌雄が分からないのです。ところがこの日は、撮影した後興味がなくなったか、下にある糞場に下りていきました。そこで私がいるのにも関わらず、腰を落として用をたしたのです。雌雄の区別でオスは立ちションをし、メスは座ってするというのがあるので、これはメスかなと思ったのですが、糞の場合はオスもやや腰を落とすのでしょうか。結局判別にはいたりませんでした。
角は、牛科なので鹿の様に毎年生え変わる事はありません。前方から見ると短く見えますが、横から見ると頭に沿って寝ていてけっこう長いことがわかります。細い枝に角の前側の下をこすりつけて角研ぎをするのですが、このニホンカモシカはまりしないようで、ほとんどすり減っていません。まだ若いというのもあるのでしょうが、周りを見てもそのような痕跡が見られないのです。一説には、縄張り争いが激しい場合によくするということらしいのですが、このニホンカモシカは母親に縄張りを譲ってもらったことからしても、そういうストレスはないのかもしれません。
これから山蕗が出て、貝母や新芽もでてきます。カタクリも食べます。暖かくなると冬毛が抜け始めるのですが、しばらくボロをまとったルンペンのような酷い風体になります。人によっては皮膚病かなどと勘違いするようですが、そうではありません。冬毛が抜け落ちると、ひと回りスマートになります。ずいぶんと痩せてしまったなと思えるほどです。大きくなっているはずなのに去年より小さいので同じ個体と気づくのに時間がかかることもあります。
このニホンカモシカは、顔立ちが整っていてなかなか美形だなと思います。はやりメスなのでしょうか。一番下の写真などは、私に流し目を送っているみたいにさえ見えます。ニホンカモシカに惚れられても困るのですが‥。春が近づいて、ニホンカモシカの表情にも穏やかさが感じられる今日この頃の妻女山ですが、今夜からまた雪になりそうです。






★ネイチャーフォトは、【MORI MORI KIDS Nature Photograph Gallery】をご覧ください。キノコ、変形菌(粘菌)、コケ、花、昆虫などのスーパーマクロ写真。滝、巨樹、森の写真、森の動物、特殊な技法で作るパノラマ写真など。