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信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

冬のニューウェーブ信州の郷土料理。冬瓜・ヤマブシタケ・合鴨・シナノスイート・お醤油豆・カブのおやき・おしぼりうどん(妻女山里山通信)

2023-12-31 | 男の料理・グルメ
 冬は温かい料理が食べたくなるのはもちろんですが、やはり地元の食材を中心に使いたいものです。信州の伝統野菜や地元の野菜は新鮮で安く、旨さも大量生産のものとは一味違います。有機栽培や低農薬栽培であるのも嬉しい。そんな冬野菜を使ったちょっとニューウェーブな信州の郷土料理です。

「冬瓜とヤマブシタケ、牡蠣とカニカマとひき肉の中華煮」 冬瓜は夏野菜なんですが半年もつので冬まで貯蔵できます。昔は父も作っていて冬の煮物料理に使いました。今回はヤマブシタケを使います。加えて牡蠣、カニカマ、合い挽き肉を。冬瓜とヤマブシタケを干し椎茸を入れて煮て、ひき肉はごま油でさっと炒めて加えます。カニカマを入れ、牡蠣は焼いて最後に加えます。中華出汁、貝出汁、牡蠣ソース、味醂、胡椒で味付け。もっと寒くなったら水溶き片栗粉に卵を溶いた金あんでとろみをつけると温まります。

 ヤマブシタケ。天然では2回しか採ったことがありません。幻のキノコです。近年、記憶力増強の成分があると分かり注目されているキノコ。千曲市の久保産業で栽培され、JAのスーパーなどで売っています。

「豚バラ、ゴボウ、大根、ヒジキ、戻し干し椎茸、フキと山椒の実の佃煮、長ネギの炊き込みご飯」 昆布鰹出汁、本味醂、醤油で。業務スーパーの姜葱醤(ジャンツォンジャン)が味のポイント。山椒の実の佃煮を入れたので少しピリッと爽やかな味です。

「ビーフシチューのチーズドリア」。ハンバーグ・ビーフシチューを作りすぎたので残りをチーズドリアに。業務スーパーのクラシック・アルフレッドソースとチェダーチーズで。クラシック・アルフレッドソースは、リコッタチーズ、生クリーム、ペコリーノ・ロマーノチーズ、グラナ・パダーノチーズ、ホエイなどが入ったパスタソースですが、色々な料理に使えます。ほかにクラシック・トリュフソースがありこれもお勧めです。

「合鴨ロースとカブ、赤ネギの煮込みうどん」 業務スーパーの合鴨ロースにカブの葉も使って、関東名産の赤ネギと。昆布鰹出汁に干し椎茸、更に鶏出汁を加えています。解凍した鴨の汁も。カブと赤ネギの甘さと旨さが加わって得も言われぬ美味しさに。父手作りの赤唐辛子を振って。体が芯から温まります。うどんは友人が作った大正時代に日本一のうどん粉といわれた幻の小麦「伊賀筑後オレゴン(通称いがちく)」に地粉を少しブレンド。いがちくは本当に美味しい小麦粉です。ただ生産量が非常に少なくあまり一般には出回っていませんが、ネットでは買えます。うどん好きの方はぜひ一度食べてください。

「リンゴのコンポート」 友人からもらったシナノスイートがぼけはじめたのでリンゴのコンポートを作りました。赤ワイン、水、蜂蜜、シナモンパウダー、レモン汁を適当に鍋に入れてリンゴを15分ほど煮たらできあがり。冷蔵庫で冷やしてハーゲンダッツのバニラアイスといただきます。ミントの葉があればもっと映えたのですが。アルコールは飛ぶので大人のデザートにしたければ、リンゴのお酒カルヴァドスを加えるといいでしょう。リンゴがぼけるというのは信州の方言で、リンゴのシャキシャキ感がなくなってフニャッとする状態です。

「お醤油豆」 北信の郷土料理で市販もされています。茹でた黒大豆に同分量の米麹を入れ、粗塩、醤油、本味醂、キビ糖で味をつけて60度の低温調理で4時間ほど。その後は常温保存します。出来上がりは透明ですが時間が経つと麹が溶けて薄茶色に濁りとろとろになってきます。ご飯のおかずはもちろん、焼き餅に大根おろしとのせたり、煮込みうどんに調味料として入れたりと便利で美味しい体にもいい発酵食品です。

「カブと合挽き肉のおやき」 旬の野菜、カブと合挽き肉のおやきです。皮は幻の小麦、伊賀筑後オレゴン。皮はいがちくに長芋のとろろと全卵、炒り粉を混ぜます。具は合挽き肉とカブは拍子切り。葉もざく切りで使います。手作りの信州糀味噌にごま油、牡蠣ソース、昆布鰹出汁パウダー、炒り粉で混ぜ混ぜ。26センチのフライパンで具を挟んで片面6分ずつ中弱火で焼いてできあがり。カブの甘みがたまりません。具は多すぎるぐらいでちょうどいい。

「ブリ大根」 鮮度抜群の天然ブリのアラが手に入ったのでブリ大根を作りました。最も大事なのは下ごしらえ。竹串で徹底的に血合いを取り除きます。ぬるま湯で洗って湯が赤く染まらなければ大丈夫。仕上げに熱湯で霜降りにします。大根は皮をむかずに下茹でもせずに厚切りで三等分。昆布鰹出汁、本味醂、キビ糖、干し椎茸、生姜2かけ、鷹の爪を電気圧力鍋で炊きました。普通はこれを煮詰めるのですが私はそのまま一晩置きます。今は冷蔵庫の中より朝の台所の方が寒いのできれいな煮凝りができます。 冷たいブリ大根を暖かい部屋でいただく。これが好きなのです。

「おしぼりうどん」 冬の旧埴科郡と更級郡だけで食べられる古代からの郷土料理「おしぼりうどん」。激辛の後に「あまもっくら」という甘さと旨さを感じます。うどんはもちろん地粉で手打ちうどん。激辛のねずみ大根とか戸隠地大根にやや辛味の少ない青大根、別名中国大根(江都青長)を合わせます。青大根はビタミン大根の名で売られています。信州味噌をといて花鰹や葱を薬味にいただきます。北信州の坂城町、千曲市、戸倉上山田温泉、篠ノ井、松代には、おしぼりうどんを食べさせてくれるお店が何軒かあります。
 辛味大根は、辛味成分のイソチオシアネートを多く含んでいます。栄養価も高く、カリウムやビタミンAやカロテンを豊富に含んでいるのです。ジアスターゼも豊富ですから、消化剤を一緒に飲んでいるようなものと良く言われます。そんなわけでお酒を飲んだあとの締めにも最適です。小麦粉は伊賀筑後オレゴンと地粉のブレンドで。製麺機はうどん通なら知っているはずの小野式製麺機。

「牡蠣と信州冬野菜の味噌煮込みうどん」 岡山産の大振りな牡蠣があったので、信州冬野菜の味噌煮込みうどんを作りました。白菜、長葱、春菊、カブ、スナップエンドウ、舞茸。昆布鰹、炒り粉、アゴ、帆立の出汁をブレンド。本味醂と醤油で煮ます。手作り信州味噌は最後に。火を止めて予熱で牡蠣を入れて蓋をして1、2分で完成。牡蠣とたくさんの冬野菜の出汁が合わさって体の芯まで温まる美味しいうどんになりました。うどんは伊賀筑後オレゴンに唐木田製粉の志賀を少しブレンド。残った汁は翌朝卵で閉じて味噌おじやに。

「アジフライとほうれん草の卵とじのサンドイッチ」 揚げたてで分厚いアジフライは豚カツに勝るとも劣らない。ホウレン草は30センチ以上の規格外品の大きなものが甘くて美味しい。根っこが一番甘いのでついていたら使う。オリーブ油で炒めてコンソメパウダーで味付け。アジフライには塩を振りマヨネーズと粒マスタードをたっぷりと。サバフライだとトルコ風に(本当は焼き鯖)。オニオンスライスとレタスにレモン汁で。パンはバゲットがいいですね。

「信州の伝統野菜」図鑑 古くから東西文化の融合点にあった長野県は、全国有数の伝統野菜の宝庫。各地の気候風土に適応して特徴的な味や形、香りなどを持った多種多様な野菜が、貴重な「食の文化財」として脈々と受け継がれてきました。しかし、戦後の経済発展の中で、野菜の生産の主流は育てやすく見栄えのよい規格の揃った品種に移行し、その多くは衰退していきました。その一方で、近年、伝統野菜の存在意義を見直し、復興させようという取り組みが各地に広がっています。(長野県のサイトより)
信州の伝統野菜(Wikipedia)

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『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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