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モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

蜂雀と書く不思議なホウジャク。極小のミナミヒメヒラタアブ。ジャノメチョウの交尾。夏の茶臼山自然植物園(妻女山里山通信)

2024-07-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 11日ぶりの晴れ。しかも梅雨が明けました。梅雨は短かったのですが、長野県の降水量は平年の1.5倍だとか。よく降りました。この日の最高気温は32度の予報ですが、茶臼山自然植物園は28度。しかし日差しは刺すように暑く炎天下にいられるのは3分ほど。今回のお目当ては蜂雀と書くホウジャクです。前回、目撃したので。

 まず見つけたのはミナミヒメヒラタアブ。複眼がくっついているのでオス。体長が8-9ミリしかないので、探さないと存在すら気がつきません。小さすぎて羽音もしません。以前9ミリのオスが8ミリのメスを抱きかかえて交尾飛翔する場面を撮影しましたが、本当に幸運でした。

 胸部と腹部の間の両側に小さなヘラ状の突起が出ています。昆虫は4枚の翅を持っていますが、ハエ目の昆虫は2枚です。これは後翅が退化して平均棍という飛翔の際にバランスをとるための器官に変化したものです。長い下口式の口器(唇弁)を出して花粉や密を吸います。

 後方は茶臼山南峰。一番下からは2.5キロ。標高差は300mほど。ここまで登ってくる人は少ないのですが、5人ほど登ってきました。日課としている方もいる様です。熱中症対策は必須です。花は外国産の園芸種が中心。

 ヒメクロホウジャク(姫黒蜂雀)チョウ目スズメガ科 ホウジャク亜科。体長は45ミリほど。地表に粗い繭を作り蛹で越冬します。幼虫の食草は、アカネ、ヘクソカズラ、アケビなど。ブラジルで見たハチドリそっくりです。

 体長と同じぐらいの長い口吻で吸蜜しています。1秒間に70回ほど高速で羽ばたきます。写真の様に花に止まることもありますが、基本はホバリングしながら吸蜜します。

 吸蜜している花は、ブッドレア・ブラックナイト。高さ2.5メートルぐらいになる華やかな花です。蝶が集まるため、英名はバタフライブッシュ。

 翅の一部が透けていて美しい。初めて見たときは、なぜ日本にハチドリがいるのと思いました。

 高速で羽ばたき移動するので、これも撮影が難しい昆虫です。

 日本特産のヤマユリ(山百合)。大柄で艶やか。鱗茎は食用の百合根になります。ただ花はユリ中毒を起こすので芳香が強くても嗅がないほうがいいでしょう。ネコは死ぬこともあるそうです。

 ベルカシア・アンプレ・クリカウリスで交尾しながらメスが吸蜜している3組のマメコガネ(豆黄金)。幼虫はブドウ、バラ、ヤナギ、そしてクズやマメ類などの根を食べ、成虫はそれらの葉を食べることから害虫として知られています。北米ではジャパニーズ・ビートルと呼ばれる外来の重要害虫。鳥やスズメバチが天敵ですが、土壌中のバチルス・ポピリエという乳化病菌が幼虫に寄生するため大量発生を抑えているということです。つまり、農薬の空中散布などで土壌汚染されて細菌が死ぬと大量発生の可能性もあるわけです。

 オカトラノオで吸蜜するヒメキマダラセセリ(姫黄斑挵)。

 ブッドレアで吸蜜するウラギンスジヒョウモン(裏銀筋豹紋)。

 交尾中のジャノメチョウ(蛇目蝶)。クガイソウ、マツムシソウ、アザミ類などの花で吸蜜するほか、腐った果実や獣糞も吸います。幼虫の食草は、イネ科やカヤツリグサ科の葉。

 植物園にいついている黒猫。声をかけても振り向きもせず。暑さに参っている様です。

 黄色い花は、北米原産のルドベキアの一種。草丈が2メートルぐらいあります。別名は松笠菊。右奥に根子岳と四阿山。手前に奇妙山。昼近くですが暑くて誰もいません。頭がクラクラしてきたので帰ります。

 帰る途中にヤブカンゾウ(藪萱草)ススキノキ科ワスレグサ属の多年草。私も畑で育てていますが、蕾は金針菜で、中華の高級食材。消炎、止血薬として血尿、痔などに効く薬草です。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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絶滅危惧Ⅱ類のハナダカバチ。ツバメシジミ、ベニシジミ、ルリシジミ、ヤマトシジミ、ウラギンスジヒョウモンが舞う茶臼山自然植物園(妻女山里山通信)

2024-07-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が36度になった長野市。茶臼山自然植物園に行きました。毎年この季節に必ず訪れています。10時過ぎに着いたときの気温は30度。湿度が低いので日陰に入るとしのげますが、日向は痛いほどの日差し。20分ほど撮影しては車に戻って休憩を繰り返しました。ただそのために帰ってからバッテリーがあがってしまいました。アイドリング状態でのエアコンはほどほどに。

 ハナダカバチ(ニッポンハナダカバチ)。いきなり凄い昆虫を発見。絶滅危惧Ⅱ類です。砂地に巣を作る肉食性の昆虫。なので海岸や河川敷に生息するのですが、なぜこんな山の中に。茶臼山は地滑りの山なのであちこちに崩れた砂の崖があるのです。ここから続く中尾山は裾花凝灰岩の砂地が各所にあるので生息できるのでしょう。

 メスが斜めに30センチほどの巣穴を掘り、幼虫の餌となるハエやアブを毒針で刺してとらえ巣に運びます。ひとつの巣には一個の卵を産み育てます。ただ人を襲うことはない様です。成虫の体長は、21~23ミリ。学校や公園の砂場に巣作りすることもあるそうです。成虫はこんな風に花で吸蜜もするのですね。花はオカトラノオ。

 飛んでいるハエやアブを空中で捉えて毒針を刺し麻酔をかけて生きたまま巣に運びます。フランスの昆虫学者のファーブルが『昆虫記』にハナダカバチの生態を記しています。世界には300種ほどいますが、まさか茶臼山で邂逅するとは思いませんでした。

 展望台から登って藤棚を超えると英国風ガーデン。色々な花と昆虫が見られます。超ラッキーなら幻のブルービーに邂逅するかも。

 シジミチョウは、まずツバメシジミを発見。ツバメシジミ(燕小灰蝶)チョウ目シジミチョウ科。後翅にある尾状突起が特徴なんですが切れて無くなっています。庭でもよく見られるシジミチョウです。

 夏型のベニシジミ(紅小灰蝶)。幼虫の食草は、タデ科のスイバやギシギシなど。

 オカトラノオで吸蜜するルリシジミ(瑠璃小灰蝶)。ヤマトシジミに似ていますが、目が真っ黒です。オスの翅の表面は水色から明るい青紫色。瑠璃色ということでルリシジミ。春先から晩秋まで、山地から田畑、人家周辺でも見かけます。幼虫はバラ科、マメ科、ブナ科植物の蕾や花を食べます。

 ヤマトシジミ(大和小灰蝶、大和蜆蝶)。幼虫の食草がカタバミなので、その周辺で見られます。

 マルバハギで吸蜜するルリシジミ。妻女山のヤマハギはまだつぼみです。

 休憩に立ち寄った丸太造りの展望台から東方の眺め。左の薄紫の花は、ヒメルリトラノオ。ヨーロッパ~北アジア原産のベロニカ・スピカータの小型品種です。中央遠くに根子岳と四阿山。手前に奇妙山。いずれも拙書に載せています。何組か子連れの家族が来ていますが、皆左のアスレチックのある森の中にいます。炎天下にいるのは私だけ。

 吸蜜中のウラギンスジヒョウモン(裏銀筋豹紋)。ここではほかにツマグロヒョウモン、メスグロヒョウモン、ミドリヒョウモンなどを撮影したことがあります。

 似たものにオオウラギンスジヒョウモンがいますが、前翅裏面中ほどに外縁に平行にぼやけた白色の点列があることや、翅頂が丸いことなどからウラギンスジヒョウモンとしました。また、翅頂に白斑がないことからオスです。食草はスミレ類で、成虫はオカトラノオ、アザミ類で吸蜜します。 吸蜜中のこの花は、キク科のヘリオプシス・ヘリアンソイデス。

 キキョウ(桔梗)の花。根っこは生薬として用いられます。根を生薬で桔梗根といい、去痰、鎮咳などの薬効があります。
「萩の花 尾花 葛花 瞿麦の花 姫部志 また藤袴 朝貌(あさがお)の花」山上憶良。朝貌の花が桔梗のことといわれています。奈良時代に唐から入ったのですが、その当時は朝に咲く花をまとめて朝顔と呼んでいました。清少納言は、朝顔を大和のなでしこ(撫子・牛麦)として、オミナエシ(女郎花)、キキョウ(桔梗)、カルカヤ(刈萱)、菊、壷スミレと並べて褒めたたえています。

 ガウラ。アカバナ科の多年草です。和名をハクチョウソウ(白蝶草)といいます。北アメリカ、メキシコ原産。

 葉を見てすぐにタデ科と分かりました。帰って調べると、ベルカシア・アンプレ・クリカウリスだそうで、中国・ヒマラヤ・パキスタンに分布するそうです。

 茶臼山自然公園の地図。左が山頂直下で標高700mほど。右が400mほど。結構標高差があります。南側に動物園があり、北口入り口からモノレールに乗って入場できます。昼を過ぎて更に気温が上昇。ボーッとしてきたので帰ります。

 立ち寄った北口入り口から下るとネムノキの花が満開。遠くに根子岳と四阿山。

 すぐ下から南東の眺め。眼下に篠ノ井市街。奥に私がホームフィールドとしている妻女山山系。とにかく暑いので温泉へ向かいました。

 この二日前の妻女山陣場平。貝母の群生地に行くと遠くに見慣れたニホンカモシカがお尻を見せて草を食べていました。静かに横にまわると、なんと脇に小さな子供がいてお乳を飲んでいました。生まれて間もない様です。一週間も経っていないでしょう。母親が気づいて振り返りました。顔見知りなのですが、流石に生まれたばかりの子供が一緒では近づけません。しばらくして子供を促すように森の奥へ消えていきました。4月2日に撮影した彼女を確認すると、確かにお腹が大きい。彼女の家系は三代前まで全てオスメスの双子を産んでいます。今回は一頭だけ。

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梅雨の晴れ間に、万葉集に艶めかしくうたわれたネムノキの花。ヤマアジサイの涼やかな花。ムギワラトンボ舞う(妻女山里山通信)

2024-06-29 | アウトドア・ネイチャーフォト
 約2週間ぶりの梅雨の晴れ間。前日はかなり雨が降りました。遠くからネムノキの花が咲いているのが見えたので、まずそこへ向かいました。

 ネムノキ(合歓木、合歓の木)マメ科ネムノキ亜科の落葉高木。夜になると小葉が閉じて垂れ下がる就眠運動を行うことで眠る木といいます。
 ネムノキは高さ10m以上になります。花は葉の上に咲くので、下からはよく見えません。ここは林道下の斜面に根本があるので間近で見られます。化粧の刷毛の様でもあり、線香花火の様でもあり。繊細な花です。なんとも形容し難いかすかに甘い香りがします。赤松と同様に排気ガスには弱く、我が家の山の大木は高速道路ができたら数年で枯れました。葉は合歓皮(ごうかんひ)といって漢方薬です。利尿、強壮、鎮痛、腰痛、打ち身、腫れ物、水虫、手荒れ、精神安定などに効くそうです。貝原益軒は「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安じ、気をやわらげる」と記しています。

「昼は咲き 夜は恋ひ寝(ぬ)る 合歓木(ねぶ)の花 君のみ見めや 戯奴(わけ)さへに見よ」 紀女郎(きのいらつめ) 『万葉集』巻八1461
(昼に咲いて、夜には恋しい想いを抱いて寝るという合歓の花を私だけに見させないで。君もここに来て見なさいな):紀女郎が大伴家持に贈った歌ですが、紀女郎は年上の人妻で、戯奴というのは目下の人を呼びかける言葉です。人妻が若者をからかったのか、誘ったのか。背景を知ると、なんとも意味深な歌です。
「合歓咲く 七つ下りの 茶菓子売り」小林一茶
 江戸の八丁堀の合歓の木が咲く小腹が空く午後4時頃に、茶菓子売りの声が聞こえる様。どんな茶菓子だったのでしょう。茶饅頭か、夏だから水菓子かな。

「象潟(きさかた)や 雨に西施(せいし)が ねぶの花」松尾芭蕉
 西施は、中国の春秋時代の呉を滅ぼした傾国の美女。その越に滅ぼされた呉のエリートたちが日本に渡来して弥生時代を作ったのです。その後、越も滅ぼされ、また日本に渡来します。詳しくは下のリンク記事を。
中国正史の書を読む梅雨空の好日。『中国正史 倭人・倭国伝全釈』『中国正史の倭国九州説 扶桑国は関西にあった』『西暦535年の大噴火』(妻女山里山通信

 ヤマアジサイ(山紫陽花)。別名は、サワアジサイ。周辺は装飾花で、中心部は両性花。ガクアジサイに比べると、花の色が色々あります。

「言問はぬ木すら味狭藍(紫陽花) 諸弟(もろと)らが練の村戸(むらと)にあざむかえけり」(大伴家持 巻4 773)
  (恋を語らない木ですら、紫陽花のように移ろいやすい。巧みな言葉に私は騙されてしまいました。)
「味狭藍(紫陽花)の 八重咲く如 やつ代にを いませわが背子 見つつ思はむ(しのはむ)」(橘諸兄 巻20 4448)
  (紫陽花が八重に咲くように、ますます長い年月を生きてください。紫陽花を見ながらあなたをお慕いします。)

 ムギワラトンボ(麦藁蜻蛉)。シオカラトンボのメス。オスも未熟な時はメスと同様な色合いをしています。まだ羽化直後なのでしょうか、翅がよれて眼も青くありません。ルリシジミらしきものを見かけました。

 陣場平へ登る途中。落葉松の倒木を処理しようと思ったら、誰かが切ってくれていました。有り難い。道路にはみ出ていたつるを片付けました。丸太は梅雨明けにメンバーと処理しましょう。

 陣場平。気温は20度ですが、前日の大雨のために湿度は100%近く。この湿度ではゼフィルスは樹冠を舞っていて下りてはきません。

 貝母(ばいも・編笠百合)は全部倒れました。実はまだ弾けていません。種が飛び出すのは梅雨明けごろ。

 ザトウムシ(座頭虫)。節足動物門鋏角亜門クモ綱ザトウムシ目で日本には80種類ぐらいいます。アメリカでは足長伯父さん(Daddy Longlegs)と呼ばれています。「千と千尋の神隠し」の釜爺(かまじい)のモデルであり、また「新世紀エヴァンゲリオン」のマトリエルのモデルとなっています。

 ミヤマフキバッタの幼体か。ヒメギスの幼体にしては触覚が短すぎるし後ろ脚がねています。

 陣場平の中央にあるクマノミズキ。花が咲いているものと結実したものが見られます。

 堂平大塚古墳へ。濃緑(こみどり)の里山の向こうに晴れていれば北アルプスが見えるのですが。中腹が見えていますね。

 ハハコグサ(母子草)キク科ハハコグサ属の越年草。春の七草のひとつです。里山にあると野草ですが、畑にあるとかわいそうですが雑草です。

 イチヤクソウ(一薬草)。別名は 鹿蹄草(ろくていそう)といい生薬。 薬効は急性腎炎、膀胱炎、妊娠時のむくみなど。妻女山山系では貴重な花です。

 葉を巻く昆虫は、オトシブミ科のオトシブミ(落し文)やハマキガ科のハマキムシ(葉巻虫)です。巻いた葉は揺籃といいます。これはどちらでしょう。後者かな。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。前翅がかなり傷んでいます。飛ぶのに問題はありません。

 妻女山展望台から茶臼山と右奥に虫倉山。

 飯縄山の山頂は雲の中。千曲川は大雨のために増水して濁っています。南長野運動公園。右はAC長野パルセイロのホームスタジアム。今日行われた信州ダービーは、松本1-1長野でした。信州ダービーは本当に面白い。盛り上がります。

 北アルプスは雲の中。夏色の空。明日からまた梅雨空に戻りそうです。

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オオミドリシジミの激しい占有行動や卍巴飛翔。休憩中を撮影。ウラゴマダラシジミとも邂逅。梅雨入り前の夏めく善光寺平。キタアカシジミ?(妻女山里山通信)

2024-06-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 前日は羽化したての綺麗なオオミドリシジミがいたのですが、強風で下におりてきませんでした。翌日登りましたが前夜に雨が降ったので湿度が高くおりてこない可能性もありました。着いてみると下草に雨露は残っていましたが、湿度は低くオオミドリシジミの占有行動や卍巴飛翔(まんじともえひしょう)も始まっていました。卍巴飛翔は占有行動のひとつで、2、3頭で激しく高速でクルクル回ること。時間は数秒から十数秒で、終えると近くの日当たりの良い葉に止まって見張るように占有行動をします。

 占有行動の激しいバトルが終わると日当たりの良い葉の上で休憩。森の宝石とも呼ばれます。
 オオミドリシジミ(大緑小灰蝶:Favonius orientalis)は、チョウ目シジミチョウ科ミドリシジミ亜科に属するチョウ。オスの翅は、青緑に輝き非常に美しい蝶です。メスの翅は灰褐色。幼虫の食樹はブナ科のコナラ・クヌギ・ナラガシワ・カシワ・ミズナラなど。

 美しい翅の表の色は鱗粉の色ではなく、オオムラサキと同様に構造色です。

 構造色なので見る角度により色味が少し変わります。それもまた美しい。

 葉に止まってから近づくと逃げます。そこで止まるであろう葉を特定して、そのそばで待ちます。

 まるでエメラルドかアクアマリンの様。森の宝石です。テリトリーの占有行動や卍巴飛翔は、晴れの日の朝から始まり午前9時半から10時半頃に突然終了します。雨や曇の日には行いません。太陽が大好きなゼフィルスです。

 ミドリシジミとつくものは他に、ミドリシジミ、ウラジロミドリシジミ、フジミドリシジミ、ミヤマカラスシジミ、メスアカミドリシジミ、ハヤシミドリシジミ、アイノミドリシジミなどがいますが、このエリアでは最後の三種も見られます。

 シジミチョウの多くは、この時期に羽化して産卵するため、農薬散布をすると簡単に絶滅してしまうのです。同時期に林道脇などの除草もされますが、食草であるイボタノキやクヌギやヤマザクラ、カシワの幼木や若木が切られると、大量の卵が死んでしまいます。

 月末までは占有行動のバトルが見られそうです。

 占有行動が終わったので陣場平へ。貝母(編笠百合)は実が大きくなり後は枯れて弾けて種を飛ばすだけです。日本でここだけの大きな群生地。花の見頃は4月10〜20日頃です。

 ウラゴマダラシジミ。シジミチョウ科 シジミチョウ亜科のシジミチョウで、幼虫の食草はイボタノキ。成虫もイボタノキやクリで吸蜜するので、その近くで見られることが多い蝶です。イボタノキの花が散ってしまったので今は栗の木の花で吸蜜していると思います。

 やや大型のシジミチョウで、翅の裏の縁に沿って二列の黒胡麻状の紋があり、それが名前の由来です。

 堂平大塚古墳で除草した後で下山。妻女山展望台から。西の茶臼山。右奥に虫倉山。両山とも拙書で紹介。茶臼山は幼児でも登れます。

 北に飯縄山。手前は南長野運動公園の野球場と屋内プールにサッカースタジアム。その手前に千曲川。

 北東にホワイトリングとエムウェーブ。右奥に高社山。拙書でも載せていますが、歴史のある非常に面白い里山です。

 東に松代の城下町。奥に大きな奇妙山。本来は帰命山で、本名を仏師岳(仏師ガ岳)といい古代は修験の山で、戦国時代以前の山城の跡もあります。ハイカーに人気の里山で、拙書でも紹介しています。

 4日後、再び現場に。朝8時半にはすでに激しい卍巴飛翔が森のあちこちで繰り広げられていました。しかし、なかなか下りてきません。やっと山椒の葉に止まったところを撮影。

 前回に比べると3倍ぐらいに数は増えています。午後は激しい夕立になりました。大雨で翌日の撮影は難しそうです。眼の黒い線は、触覚の影です。

 あちこちでコムラサキ(小紫)の花が咲き始めました。

「鴨ロースと淡竹のピラフ」旬の淡竹に鴨のロース、新玉葱、インゲン、エリンギをコンソメパウダーとエキストラ・ヴァージン・オリーブオイル、胡椒で炊き込みます。鴨ロースの脂が行き渡って美味。淡竹は鯖水煮缶汁や天ぷらなど和風が多いのですが、洋風や中華風も合います。淡竹に海老団子や鶏ひき肉を詰めてフライも美味。豚の角煮と中華風炊き込みご飯もお勧め。淡竹の季節も終わりなので、それ目当ての子連れの熊も来なくなるでしょう。

 2年前に妻女山山系で撮影したシジミチョウ。最初アカシジミと思ったのですが、帰って拡大してみると違う。ひょっとしてキタアカシジミ(カシワアカシジミ)か? ネットで群馬のアカシジミと北海道のキタアカシジミを画像で比較しているサイトがあったので比較してみました。どちらでもないというか両方の特徴が見られる。キタアカシジミで画像検索すると、そちらに近い様な。で、「キタアカシジミ 長野県」で検索すると、キタアカシジミが絶滅危惧Ⅱ類. Vulnerable (VU).になっていました。生息する様です。信州には東信などにはアカシジミも生息します。不思議です。どういう分布なのでしょう。私が発見し撮影したナミルリモンハナバチ(ブルービー)も全く生息分布が分かっていません。
 基本的に厳密な生物の同定というのは、DNAレベルまで調べないと分からないのです。動物に限らず植物でも菌類でも粘菌でさえそうです。それらをすべて調べるほどの機関も人員も予算も時間も無いというのが現状です。

梅雨の森の宝石オオミドリシジミ。ウラゴマダラシジミ、ミズイロオナガシジミ。枯れ始めた貝母の実。熟れた実が匂うあんずの里(妻女山里山通信):羽化したての鮮やかなオオミドリシジミです。

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 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。講演は一人1000円✕10人、60分が最低基準です。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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イボタノキで吸蜜するコマルハナバチ。羽化したてのミズイロオナガシジミ。光るヒメウラナミジャノメ。淡竹のおやき。コミスジ、オオミドリシジミ(妻女山里山通信)

2024-06-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 最高気温が29度の予報の中、妻女山へ。そろそろゼフィルスに出会えるかもと。なんと羽化したてのミズイロオナガシジミに邂逅しました。アカシジミとクジャクチョウも目撃。信州の里山は、梅雨と真夏に向けてどんどん賑やかになって行きます。

 イボタノキで吸蜜するコマルハナバチ。花が小さく蜜が少ないのか次々と花を替えるので撮影に難儀しました。逆光に光る毛が美しい。長い口吻が目立ちます。

 オスのコマルハナバチ。とにかく動きが速い。毛深くて花粉が付きやすいので果実の受粉を助ける優秀な昆虫なのです。

 スポットライトを浴びたようにヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。前翅の付け根の青と緑の毛が美しく光っています。草の上を跳ねるようにフワフワと飛ぶので遠目でも分かります。

 蝶の撮影に来ていた顔見知りの女性から羽化したばかりのミズイロオナガシジミ(水色尾長小灰蝶)がいると教えてもらいました。なんでも羽化の瞬間を目撃したとか。羽化したてなので綺麗です。私は鳥にはあまり詳しくはないのですが、彼女によるとガビチョウが増えた。ヒヨドリ、シジュウカラはたくさんいるけど、サンショウクイやクロツグミもいると。

 羽化したばかりで動きがぎこちない。舞い上がったと思ったら小さな草につかまって逆さまになってしまいました。食樹は、ブナ科のコナラやクヌギなど。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)アゲハチョウ上科タテハチョウ科。幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラやタニウツギ、ヤブウツギなど。妻女山山系のものは、オレンジ色の斑紋があります。

 キバネツノトンボの卵塊を見に行きました。この茎には三か所に産み付けられています。孵化が楽しみです。蛹化や羽化も見てみたい。孵化の後は茎の上部に集まり3日以内には落下して散らばっていくそうですが。その後どこで暮らすのでしょう。

 ヤブヘビイチゴ(藪蛇苺)。イチゴはそれ自体は偽果で痩果(そうか)。本当の果実は表面の粒々。無毒ですが無味無臭。中国では、ジャモ(蛇苺)といい全草を熱、咳、のど、痔の薬。抗がん活性作用もあるらしい。

 ヤマホタルブクロ(山蛍袋)キキョウ科ホタルブクロ属。昔、ホタルを入れて遊んだからの名前だそうですが、本当かなと思っていたら、生前父が子供の頃そうやって遊んだと言っていたと聞いて、へえ!って納得しました。

 オカトラノオ(丘虎乃尾)の蕾。サクラソウ科オカトラノオ属。花は穂の下の方から咲いていきます。群生地では、花穂(かすい)の波うつ様子がまるで波の文様の青海波(せいがいは)のように見えます。

 林道倉科坂線から松代方面。左に拙書でも紹介の奇妙山。山頂は古い山城です。右奥に根子岳が霞んでいます。

 翌日は曇り。キバネツノトンボの卵塊は気になったのですが温泉へ。帰りにJAのスーパーに寄ったら東北フェアでなんとホヤの刺し身が売られていました。大好物です。しかし普通は信州では、生のナマコ(海鼠)と同様にお目にかかることはありません。初めて食べたのは恐らくアマゾンから帰ってブラジルで出会った友人を訪ねて青森に行った時。はまって在京時代は生のホヤを買って自分でさばいていました。久しぶりの美味を堪能。お酒が進みます。

「淡竹と鴨・合挽肉・ビタミンちくわのおやき」旬の淡竹に鴨のロース、合挽肉、信州人のソウルフード・スギヨのビタミンちくわ、新玉葱の中華風おやき。皮はまぼろしの小麦粉・伊賀筑後オレゴンにとろろを少し。具の味付けは、手作り信州糀味噌、昆布鰹出汁顆粒、牡蠣ソース、五香粉、豆板醤、XO醤、ジャンツォンジャン、ラー油、胡椒。鴨の脂が淡竹と合わさってこくのあるいい味を出します。皿はオールド・ノリタケのBROOKVALEです。

 コミスジ。ボディの七色が美しい。

 枯れ葉の中でもがいていたミズイロオナガシジミ。羽化不全でしょうか。

 森の宝石、本命のオオミドリシジミ。強風で専有行動も少なく下に来ません。次の機会を待ちます。

「フェジョン・コズィード」ブラジルのほぼ毎日食べる料理。フェジョン・プレット(黒いんげん豆)を茹でて、ひき肉、ウインナーソーセージをニンニクでコンソメ味で炒め煮したもの。ファリーニャ・デ・マンジョーカの粉と辛いピメンタをかけて食べます。ブラジル旅行中は毎日食べていました。ブラジル人のソウルフード。臓物が色々入るとフェイジョアーダ。付け合せはガーリックライス。バックの布は。昔アマゾン川の中流の街サンタレンの生地屋で買ったもの。

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な日々が見られます。

好評だったブログ記事:「ブラジルへの郷愁」レヴィ=ストロース 川田順造訳 みすず書房。文化人類学、また構造主義におけるバイブルのひとつ(妻女山里山通信)は、都合によりリンク先の楽天ブログに移転しました。

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『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

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キバネツノトンボの産卵。突然のアクシデントであたふたも。無事産卵を終えることができました。9つの卵塊を発見(妻女山里山通信)

2024-06-05 | アウトドア・ネイチャーフォト
 そろそろゼフィルスの季節と晴天の妻女山山系へ登ったのですが、目にしたのはキバネツノトンボの産卵でした。昨年が異常なくらいに春が早く初夏も暑かったのです。16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少なキバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)。交尾期は早々と終えてオスは姿を消しました。2匹の産卵を確認しました。

 産卵するメリケンカルカヤ(米利堅刈萱)を探して飛び回るキバネツノトンボのメスを発見。3分ほど飛び回ってやっとお気に入りのメリケンカルカヤを見つけました。トンボといいますが、実はアミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫。大きな目のその愛くるしい姿は、一度見たら忘れられません。絶滅危惧種ですが、長野県ではあちこちに生息地がある様です。

 20個ほど産んだところでそのアクシデントは起きました。マクロレンズのフードの先がキバネツノトンボから5〜10センチで撮影しているのですが、なんと腕にかけていたカメラのストラップが派手に落ちてしまったのです。なんという大失態。キバネツノトンボは驚いて飛び去ってしまいました。申し訳ない!

 それで2分ほど飛び回って新しいメリケンカルカヤの茎に掴まりました。同じところには戻らないというか、どこだったか覚えていないのでしょう。すぐに産卵を再開しました。やれやれ。良かった。

 左右交互に産み付けて行きます。

 5月下旬の頃と違い、メリケンカルカヤは豪雨や強風もあったので倒れています。

 かなり疲れるのでしょうか。5月のメスは10分ぐらいで60個ぐらいを産んだのですが、時々5〜10秒ほど休みます。

 卵には茎に接着するための粘液がコーティングされています。

 お腹を曲げて産み付けていきます。

 もうお腹が曲がれなくなったので、少し茎をよじ登ります。ついでに休憩しています。かなり産んだのでお腹も痩せてきました。

 最後の産卵です。

 終わった様です。だらんとぶら下がりました。結局ブランクを除いても産卵には20分ほどかかりました。前回の2倍の時間です。

 突然羽ばたいて飛び去っていきました。撮影中は息を止めているので私も疲れました。

 休憩しようと堂平大塚古墳のログハウスへ行こうとしたらなんということでしょう~。入り口の手前に大きなクヌギの倒木が。進めません。Uターンもできません。仕方なく200mほどをバックで登り返しました。やれやれ。梅雨明けの作業で処理しましょうか。

 陣場平へ。貝母は実がついたものはまだ倒れていません。ガビチョウがやかましい。ウスバシロチョウが2頭いるだけでした。イボタノキにもウラゴマダラシジミはいません。下山します。

 もう撮影するものは今日はないかなと思ったら別のメスが産卵を始めていました。

 右は別のメスが産んだ卵塊です。観察すると、メリケンカルカヤはたくさんあるのですが、産卵に適した太さや場所があるようで。それはそう多くない様なのです。それで同じ茎に産卵することが起きるのでしょう。こういう茎が3本ありました。

 これは5月23日か24日に産み付けられた卵塊。色が変わって中で幼虫が育っている様です。最終的に9つの卵塊を見つけました。

 今年はヤマホタルブクロが例年よりたくさん咲いています。

 妻女山展望台後ろの四阿から茶臼山と右奥に虫倉山。北アルプスの白馬三山は雲の中です。お昼のチャイムが鳴ったので帰ります。鞍骨山へ何人か登っている様です。淡竹の筍を求めて子連れの熊が下りてくる頃なので、登山ノートに気をつける様に書いておきました。今年は例年の1.8倍の熊の出現数で県から注意報が出ました。

キバネツノトンボの産卵 vol.03 *オリジナルは4kで重いので無料動画圧縮サイトVEEDで軽くしてインスタグラムに載せています。


「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な学生生活が見られます。

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貝母の球根の移植作業。種から開花までは7、8年。球根なら翌年開花します。ゴマダラチョウと邂逅(妻女山里山通信)

2024-05-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 久しぶりの妻女山里山デザイン・プロジェクトは、貝母の球根の移植作業です。多忙なメンバーもいて集まったのは4名。前日は29度でしたが、21度で涼風もあって快適な作業ができました。

 森の周辺に散ってしまった株を掘り起こします。

 現在の貝母の状況。間に生えているのはヒカゲイノコズチ。茎に毛があればヒナタイノコズチ。ヒカゲイノコズチには、虫えい(イノコズチクキマルズイフシ)ができます。株が大きくなると貝母の邪魔になるので、貝母群生地のものだけは貝母が枯れた後で除草します。

 枯れているのは実がついていない茎。実がある茎は実が熟して枯れるまで青々としています。

 掘り出した球根を一輪車に積んで移植の場所へ。

 貝母の球根です。ユリ科なので百合根に似ています。よく見るとひとつの球根は二つが合わさっています。それが二枚貝の様だと中国名が貝母となったのです。和名は花の内側の模様から編笠百合と呼ばれます。江戸時代に愛でられて4月の茶花です。薬草ですが、かなり強い毒草です。誤って食べると死に至る可能性も。

 あらかじめ私が掘っておいた穴に球根を入れて土を被せて踏みます。

 移植した跡です。来年には開花します。今回は40株を移植しました。来年の開花が楽しみです。見頃は4月10〜20日頃。当ブログで開花状況をお知らせします。

 作業が終了して、次はオオブタクサを引き抜き除草します。以前は1000本以上を引き抜きましたが、毎年の作業で減り続け、今回は100本ほど。ただ見落としはあるので、また除草に来ます。梅雨明け頃にメンバーを集めて除草作業をする予定です。

 終了して次は枯れた枝を伐り片付けます。立ち枯れ木や倒木、落枝の処理、有害帰化植物(オオブタクサやハルジオンなど)の除去。ノイバラや山藤の実生の除去。林道の整備などなど。里山保全は大変なのです。学生など里山保全に関心がある方はぜひ手伝ってください。ノウハウは伝授します。里山リテラシーが抜群に高まります。

 ゴマダラチョウ(胡麻斑蝶)。近年は有害帰化生物のアカボシゴマダラがここでも見られるのですが、久しぶりにゴマダラチョウを発見しました。食草はオオムラサキと同じエノキ(榎)です。作業の最中は、これも中国から人為的に持ち込まれたという有害鳥類のガビチョウが盛んにやかましく鳴いています。

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キバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)の産卵を求めて妻女山山系へ。オスと卵は見つけましたが産卵シーンには出会えず(妻女山里山通信)

2024-05-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 16都道府県でレッドリスト(絶滅危惧種)に指定されている希少なキバネツノトンボ(黄翅角蜻蛉)の産卵を求めて生息地へ通います。しかし、いつ産卵するのかを予測するのはとっても難しいのです。

 5月22日に発見したのはメリケンカルカヤに産み付けられた卵。しかし、成虫は現れませんでした。

 24日に行くと3つ産卵してありました。これは縦に2匹で産み付けた様です。上は60個ほど、下は80個ほどです。

 58個の卵。4つ欠損しているのは、落ちたのか何かに食べられたのか。分かりません。

 午後になるとオスが一匹やってきて止まりました。オスの尾部には丸いハサミが見えます。これでメスの尾部を掴んで交尾をします。キバネツノトンボはトンボの仲間ではなく、アミメカゲロウ目ウスバカゲロウ科ツノトンボ亜科の昆虫です。

 頭部と胸部のアップ。風があって撮影は困難を極めます。毛むくじゃらで複眼にはダビデの星の様な文様が見えます。

 暫くの間止まっていましたが、メスはやって来ません。風が強くなってきて諦めたのか飛び去りました。昨年の様に産卵のシーンを撮影したいものです。チャンスは多くありません。

 キバネツノトンボが産卵するメリケンカルカヤ。太すぎても細すぎても駄目な様です。

 同じ場所に見られるカモガヤ。これには産卵しません。長野県の小学生の花粉症の原因の70%がこの植物といわれています。通学路に普通に見られる植物です。花に触ると大量の花粉が飛び散ります。

 ニガナ(苦菜)。キク科 ニガナ属の多年草。薬草のひとつで、ビタミンC、カロチン、カルシウムが多く含まれ、昔から、せんじ薬としても用いられていました。 腹痛や下痢、胃腸炎などに、生の茎葉をつついて汁を出し、その汁を湯で薄めて飲用します。

 そのニガナで吸蜜するヒメウラナミジャノメ。

 キツネアザミ(狐薊)にカニグモの仲間。ガザミグモの様です。花の上でやってくる獲物を待ち受けています。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)。花以外に、腐った果実や動物の糞尿に集まります。食草はスイカズラ。成虫は、ウツギやイボタノキ、ミズキなどで吸蜜します。

 ヒレアザミ (鰭薊)。茎全体にに翼(ヒレ)がついています。前日にはホトトギスとカッコウの初鳴きがありました。

 26日に見つけた卵。普通卵は60個ほどなのですが、このメスはなんと122個も産みました。下から産み始めて上へ。産卵できない穂先まで行ってしまったので戻って中程にまた産み付けています。大きい個体だったと思いますが、普通の二倍生むというのは驚異的なことです。産卵シーンを見たかった。で、ご指摘をいただいたのですが、産み直したのではなく、二重に産み付けたということの様です。産み直しなら卵に掴まらなければならないわけで傷つきますね。おかしいと思ってました。

キバネツノトンボの産卵 vol.02


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花の聖山へ。360度の大パノラマを堪能もお目当ての二つには出会えず。ニリンソウ、フデリンドウ、ユキザサ、チゴユリ(妻女山里山通信)

2024-05-18 | アウトドア・ネイチャーフォト
 麻績村と長野市大岡(旧大岡村)に跨る聖山(1447.2m)は、北アルプスから戸隠連峰、四阿山から八ヶ岳連峰と360度の大パノラマで人気の里山です。県外からのハイカーも多く、連休や週末はけっこう混雑します。ということで晴れの金曜日にでかけました。お目当てが二つ+ひとつあったのですが、結局出会えず。自然相手ですから仕方がありません。

 標高1300mほどの遊歩道の様な登山道。左(南側)は、麻績村へ下る急斜面。右(北側)は、なだらかな落葉松林と別荘地。ただしクマの生息地なので熊鈴を。山頂直下の尾根で、藪を登ってくるクマを追い払ったことがあります。これは誤解を生みそうなので追記します。まず藪を登ってくる熊は小枝を踏んでバキバキ音がします。イノシシはブヒブヒいいます。ニホンカモシカは無音です。そして、お互い見えていないことが条件です。見えていたらできません。熊は本来臆病なので大きな音を出します。木を叩いたり吠えたり、ペットボトルを潰すとかホイッスルとかとにかく大音量を出します。拙書で10mぐらいで熊を追い払ったエッセイを載せていますが、これもそういう条件があったからです。ただ例外がある可能性はあります。まず熊の限界距離以内で出くわさないことが一番です。

(左)妻女山ではすでに結実し始めたウワミズザクラ(上溝桜)が満開です。(右)ムラサキケマン(紫華鬘)の群生地もあちこちに見られます。毒草ですが、ウスバシロチョウの食草。アリ散布植物です。

(左)聖峠の先にニリンソウ(二輪草)の群生地があります。(右)タチツボスミレ(立坪菫)。ニリンソウもですが、草丈が低く花も小さめ。3月の冷え込みの影響でしょうか。妻女山陣場平の貝母も、昨年より5〜10センチ低めでした。

(左)クリンユキフデ (九輪雪筆)。まだつぼみです。タデ科イブキトラノオ属の多年草。(右)ツタウルシ。触ったら酷くかぶれます。登山道脇にあるので要注意。

(左)ミツバツチグリ(三葉土栗)。(右)ヤグルマソウ(矢車草)の実生。

 フデリンドウ(筆竜胆)。リンドウ科リンドウ属に分類される越年草。以前コケリンドウと書いたことがありましたが、フデリンドウが正解の様です。小さいので、見落としがちな可憐な花です。

(左)ユキザサ(雪笹)。まだつぼみです。若葉は山菜として食べられます。似ているホウチャクソウは毒草です。(右)カエデの新芽。外皮は粘液で守られています。

(左)ハウチワカエデ(羽団扇楓)の葉。紅葉は鮮やかで美しい。(右)水道施設の屋根にタンポポ(蒲公英)の群生地。セイヨウタンポポとの交雑種でした。

(左)白樺の樹皮にウメノキゴケ。菌類と藻類などが共生する地衣類の仲間。藻が光合成を行い、菌類を助けるという関係があります。(右)猛毒のヤマトリカブト(山鳥兜)。ここのものは、草丈が1mぐらいになると横に伸びて行き、そこに花をつけます。イヤリトリカブト(居谷里鳥兜)といい、戸隠や飯綱で確認されていますが、聖山や冠着山、鞍骨山などでも確認しています。全つる性のヤマトリカブトを発見したので、今年はきちんと確認するつもりです。

(左)ヤマブキ(山吹)。(右)モミジイチゴ(紅葉苺)。赤い甘い実をつけます。

 チゴユリ(稚児百合)。俯いて咲く可憐な花です。花言葉は、「恥ずかしがり屋」「純潔」。毒草です。

 山頂。右奥に蓼科山。その右手前に美ヶ原。手前に四阿屋山。左へ子檀嶺岳。その左手前に大林山。1時間のコースを2時間以上かけて登ったので、皆さんは下山しました。ひとり占めです。

 南方の眺め。周囲を伐採したので展望が良くなりました。中央手前に四阿屋山。眼下は麻績村。右は筑北村。スマートインターチェンジができて便利になりました。

 拙書の表紙に使っている子檀嶺岳。独鈷山も掲載しています。その間は、信州の鎌倉といわれる塩田平。右奥には清少納言が七栗の湯といったという別所温泉。修那羅峠には、これは見逃せない石仏群があります。

 南西の眺め。松本盆地が見えます。長野盆地、松本盆地、佐久平が見えるのは聖山だけです。

 南西の筑北村方面。古い善光寺街道(北国西街道)が越えていた立峠があります。江戸時代には、立峠の石畳を通って多くの信者たちが善光寺へ参詣に行きました。古い街道は、長野国道事務所のサイトで見られます。地図も買えます。右奥の雪を冠った山は、乗鞍岳。
信州の街道探訪 - 関東地方整備局 - 国土交通省

 北東の眺め。善光寺平が見えます。私のホームグラウンドの妻女山山系。陣場平は川中島の戦いの上杉謙信の本陣として有名ですが、現在は私が主宰する妻女山里山デザイン・プロジェクトで保全活動をしている貝母(ばいも・編笠百合)の日本でここにしかない群生地として知られています。左のアーカイブで4月の記事をご覧ください。

 北北東には北信五岳が。陣場平山の中腹には、七二会から小川村まで集落が続き、横断する展望の良い道路があります。サイクリングコースとしてもお勧めです。

 西には北アルプスの仁科三山。左から爺ヶ岳、鹿島槍ヶ岳、武田菱で有名な五竜岳。

 聖湖と拙書でも紹介の三峯山。息子達が小さい頃に滑ったスライダーが見えます。右奥には、これも拙書で紹介の冠着山(姨捨山)が見えます。

 帰りに別の里山でコシアブラを採取。袴の部分が一番味が濃いので取ってはいけません。いがちくの手打ちうどんで、鶏天とコシアブラの天ぷらにします。

「鶏胸肉コシアブラ牛蒡人参干し椎茸ひじきアミエビ生姜昆布鰹出汁炊き込みご飯」
 鶏胸肉とゴボウ、ニンジンは、炒めて本味醂と醤油で照り焼き風の味付けに。椎茸ひじきアミエビは水でもどして。昆布鰹出汁にすりおろし生姜を入れて炊き込みます。コシアブラもゴボウも味が強いので喧嘩するかなと思ったら杞憂でした。それぞれの味が立って且つ絶妙なマリアージュ。箸が止まりません。忘れてました。自家製地大根の切り干し大根も入っています。これが香ばしいいい味出してます。油揚げも忘れてました。

 山蕗は採ってすぐならアク抜きは一度茹でこぼせばOK。皮むきは不要。干しホタルイカは信州では古くから煮物などに使われて来ました。非常に濃くて美味しい出汁が出ます。今回は身欠き鰊も入れています。ご飯のおかずにはもちろん、かけ蕎麦に汁も入れてのせると絶品です。

皐月の妖精ヒメギフチョウを求めて聖山に登ったのですが…。ヤマシャクヤク(妻女山里山通信)
花の聖山へ。北アルプス含め360度の大展望が魅力。ヒメギフチョウとの邂逅(妻女山里山通信)

「村上春樹さんのピーター・キャットを中心とした70年代のクロニクル」というムサビの美大生時代に彼のジャズ喫茶でアルバイトしていた当時のブログは世界中からアクセスがあります。この文章をクリックで見られます。ロンドンに5週間住んでいて、Queenのフレデイ・マーキュリーの恋人のメアリー・オースチンが勤めていたBIBAの店で当時の私の恋人が彼女からジャケットを買った話。70年代の美大生の赤裸々な人生が見られます。

インスタグラムはこちらをクリックツイッターはこちらをクリックYouTubeはこちらをクリック。米子大瀑布、絶滅危惧種のナミルリモンハナバチ・キバネツノトンボ・北信流など。これからどんどんアップしていきます。
 
もう一つの古いチャンネルはこちら。76本のトレッキングやネイチャーフォト(昆虫や粘菌など)、ブラジル・アマゾン・アンデスのスライドショー

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、
『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。講演は一人1000円✕10人、60分が最低基準です。掲載の写真は有料でお貸しします。他のカットも豊富にあります。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
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貝母の種がたくさんなっています。球根の移植作業の準備。ホタルカズラ、ヤマツツジ、コバノガマズミ、シナノタンポポ、クサノオウ、ギンラン(妻女山里山通信)

2024-05-03 | アウトドア・ネイチャーフォト
 妻女山陣場平の貝母(ばいも・編笠百合)は全て散って実がなっています。今年もたくさんなりました。球根の移植作業の準備で穴をたくさん掘りましたが、気温がどんどん上昇するのできつく休み休みの作業でした。貝母を見に3人女性が訪れましたが、実を紹介しました。加えて堂平大塚古墳の満開のツツジも。

 陣場平の上の入り口の小道を進むとすぐに右にインセクトホテルが見えます。昆虫の越冬用の棲家です。

 そこを抜けるとすぐに貝母の群生地。左の枝の山は、雪や強風での落枝を積んだもの。周囲に何ヶ所もあります。この下は、2mぐらいあるシマヘビの棲家だったりします。この時期、オオスズメバチの女王蜂が巣作りの場所を求めて舞っています。まとわりつかれたら絶対に声を上げたり手で払ったりしては駄目です。おとなしくジッとしていること。やがて去ります。化粧品や香水、柔軟剤やシャンプーの甘い香りに惹きつけられるので、山に来る際は無臭が原則。ミントやハッカの香りは虫が嫌います。防虫スプレーや手作りの防虫オイルがお勧め。黒い服や黒髪もハチに狙われます。

 貝母群生地の小道。今回移植をするのは左奥です。色々な鳥のさえずりが聞こえます。GWの観光地の喧騒とは無縁の静かな森の中です。ベンチに腰掛けて森林浴をしながらティータイムをお勧めします。

 菱形基線測点の手前の移植地。昨年も移植をした場所です。密度を高めます。移植の穴を掘りました。15ぐらいですが、この2倍は掘ります。暑いので今日はここまで。タンポポコーヒーを飲んで喉を潤します。

 たくさん結実しています。葉の先が丸まっているのは、互いに茎や葉をからめあってこの時期発生する爆弾低気圧の強風から 身を守るためと解説していますが、このカットでそれが分かると思います。

 大きなもので15ミリぐらい。7月には30ミリぐらいになって枯れると弾けて種が飛び出します。

 先日まで満開だったウワミズザクラも散って、すでに小さな実ができています。ウスバシロチョウを初見しました。

 陣場平の下の入り口の右に咲くホタルカズラも数が増えました。蕾は赤紫で、咲くと白っぽくなりやがて青く染まります。あちこちに咲くギンランはまだ。GW明けでしょう。

 色々なツツジが満開の堂平大塚古墳へ。山の斜面一面にヤマツツジが咲いています。

 先日の妻女山SDPの作業で伐採したため、北アルプスがよく見えます。仁科三山の爺ヶ岳。

 前回は蕾も多かったコバノガマズミも満開になりました。

 シナノタンポポの種。

 茶臼山の向こうに白馬三山。テレビではGWの高速の渋滞や観光地の混雑ばかりやっていますが、信州では野菜の苗や肥料を買いにホームセンターが満車です。農家もサラリーマンも畑仕事で忙しい。私はミニトマトの苗などを買いに行きました。

 咲いているシナノタンポポ。カントウタンポポの亜種で、花の下の総苞が閉じていて草丈が20〜40センチあります。私が発見した最高は、高さが80センチありました。

 妻女山登り口の上杉謙信槍尻ノ泉近くに毒草のクサノオウ(瘡の王)の群生地があります。小学生の遠足のコースなので触らないように注意が必要です。

 山のあちこちで山藤が満開です。巻き付かれた樹木はいずれ枯れて倒れることが多いので、貝母の群生地のものはすべて伐ります。

 千曲川の向こうに爺ヶ岳と鹿島槍ヶ岳。台風19号で、外来種のブルーギルやブラックバスはすべて流されてしまったので、それ目当てのルアーフィッシャーはいなくなりました。汗をかいたので温泉へ向かいます。

 ギンラン(銀蘭)ラン科キンラン属。白い花は蕾ではなく、これでもせいいっぱい咲いている状態です。ギンランは、「菌根菌」という菌類と共生する特殊な生育形態をもっています。特に菌に対する依存度が強く、「外生菌根菌」は特殊な土壌にのみ生息するため、この花を採取して移植しても家で育てる事は不可能です。

 ハモグリバエの仲間の被害に遭うことがあるようです。林床の藪を刈って明るくしてやることも必要。

 環境省の絶滅危惧II類(VU)-2012年レッドデータ。長野県では準絶滅危惧種に指定。採取は厳禁。

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妻女山陣場平の貝母は結実し始めました。ズミとウワミズザクラが満開。ホタルカズラ、イカリソウも咲き始めました。純白のリュウキュウツツジ(妻女山里山通信)

2024-04-28 | アウトドア・ネイチャーフォト
 24日の信毎の朝刊を見て陣場平の貝母(ばいも:和名はアミガサユリ)を見に来られる方が後を絶ちません。残念ながら花期はすでに終わり結実が始まっています。そこで当ブログで満開の写真が見られますと案内します。スマホは高齢者もお持ちですが、写真を横1200ピクセルで載せているので可能ならばパソコンの大きな画面で見ることをお勧めしています。

 第四次川中島の戦いで上杉謙信が七棟の陣小屋を建てたと伝わる陣場平。現在は日本でここにしかない貝母の群生地として有名になりつつあります。毎年の見頃は、4月10日から20日頃です。開花情報は当ブログでお知らせしています。

 真中にある山桑の木の下に奇跡的に咲き残っている貝母があります。左奥に見えるコンクリートの八角形の菱形基線測点が貝母発見のきっかけになったことをお話しています。2009年4月の記事をご覧ください。

 奇跡的に咲き残っている貝母。薬草ですがかなり強い毒草です。園芸店に売っていないのはそのためです。江戸時代から親しまれた4月の茶花です。切り花は売られていることもありますが、取り扱いには注意が必要です。

 貝母群生地の東の端に咲くズミ。そろそろ終わりです。

 陣場平の周囲にたくさん満開のウワミズザクラ(上溝桜)。

 ドアップを撮影してみました。桜だと分かります。実は塩漬けにして食用になります。

 陣場平の下の入口の右にホタルカズラ(蛍葛)が咲き始めました。蕾はピンクで開き始めると薄紫に。咲くと青くなります。

 林道沿いにガマズミやコバノガマズミの花が咲き始めました。これは葉が小さなコバノガマズミ。秋には真っ赤な実をつけます。果実酒にするとルビー色の綺麗なリキュールができます。抗酸化作用が強く老化防止になります。

 クヌギの花があちこちで咲いています。この秋は仲間と大木を伐採して椎茸の原木栽培をします。

 長坂峠やあちこちでヨモギ(蓬)が出ています。天ぷらやヨモギ団子、草餅に。制癌作用が証明されている薬草でもあるのです。

 山のあちこちでヤマツツジが咲いています。この蜜は吸えます。レンゲツツジは猛毒です。

 6番目のカーブの上にイカリソウ(碇草・錨草)が咲き始めました。花期はこれからです。根っこは淫羊藿といって強壮剤になります。天然のバイアグラですね。

 山のあちこちで山藤も咲き始めました。この豆は炒って食べられます。花も天ぷらで。

 下の妻女山展望台から西の白馬三山。手前に茶臼山。右奥に虫倉山。

 北には左に戸隠連峰。右に飯縄山(飯綱山)。1917mなので低いなと覚えますが、歴史と花の非常にいい山です。もちろん拙書でも紹介しています。手前は富士ノ塔山。

 東には松代と奥にそびえる根子岳と四阿山。左手前は奇妙山。あちこちにヤマザクラが咲いているのが見えます。麓はあんずの里の東条。日に日に緑が濃くなって行きます。今日も妻女山から陣場平経由で鞍骨山(鞍骨城跡)へ向かう人がいました。大河ドラマ『真田丸』で人気になった里山です。ブログ内検索で、私の登頂記事が何本か読めます。

 29日。妻女山陣場平の下の堂平大塚古墳のツツジが見頃です。

 純白のリュウキュウツツジも満開。


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妻女山陣場平の貝母は下から半分ほどしぼみました。ズミとウワミズザクラが満開。昨日の信毎の朝刊を見て40人ほどが訪れました(妻女山里山通信)

2024-04-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
 陣場平の貝母(ばいも:和名はアミガサユリ)は下から半分ほどがしぼみました。明日は28度とかの予報なので見納めになるでしょう。

 今日は、昨日の信毎の朝刊を見たと言って40人ほどが訪れてくれました。県外からも。貝母を見てから鞍骨山へ向かった人達もいた様です。信毎一面の威力は凄いですね。周りの緑も賑やかになってきました。午後は強風になることが多いのでおにぎりを持って午前中に来ることをお勧めします。

 スマホの人が多くて下向きに咲く貝母の撮影には苦労していました。横向きに咲いている花を紹介してあげました。薬草ですがかなり強い毒草であることや、15年の開発と保全の話もしました。今年の貝母は数回のなごり雪のために、やや草丈が低いのですが、それでも最も高いものは128センチありました。

 東の端にはズミが満開です。昔、りんごの台木として使われました。シジュウカラが盛んに鳴いています。

 まだ咲いている貝母の花。雌しべの根本には糸巻き形の6角形の実ができています。この実は6月末には3センチぐらいになります。枯れると蒴果といってホウセンカの様に種を弾き飛ばします。その時、東風(こち)が吹くことが多いので、貝母は西へと増えていきます。種から発芽して花が咲くまでは7、8年かかります。
「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
 これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
 意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 陣場平の上の入り口の20mぐらい下に咲くウワミズザクラ(上溝桜)が満開になりました。

 遠目ではとても桜に見えませんが、こうしてアップにすると小さな桜だと分かります。

 15年前に藪を切り払い灌木を切ったら、昔あったアカネ(茜)が出るようになりました。

 あちこちでサンショウ(山椒)の若葉が。摘んで佃煮を作るには、2〜3時間摘まないとだめですね。木の芽和えなどにするなら30分も摘めばいいでしょう。

 上の入り口から入るとゴヨウアケビ(五葉木通)の花が見られます。

 貝母の花に隠れて山蕗の花。もう結実しています。

 クヌギの幼木に、ナラメリンゴフシ(楢芽林檎五倍子)。ナラリンゴタマバチによって作られた虫コブ(虫えい・ゴール)です。ナラメリンゴタマバチ(雌)が交尾後、コナラの根に楢根玉五倍子(ナラネタマフシ)を作ります。そこから冬に羽化した雌が単性生殖でコナラの冬芽に産卵し、それがこのような五倍子(フシ)を形成するのです。形成されたフシは卵の揺りかごであり幼虫になっては餌となります。コナラの冬芽をこんな風に変形させてしまうのですから恐るべしかなナラリンゴタマバチ。タマバチのタマとは、このリンゴ状のフシのことです。
 虫コブは古くから利用されてきました。マタタビはマタタビミミタマバエの作る虫コブができて初めて価値あるマタタビ酒になります。また、ヌルデ(白膠木)の若芽や若葉などにヌルデシロアブラムシが寄生してできる虫こぶ(ヌルデミミフシ)は、お歯黒、染め物、薬、インク、占いなどに使われてきました。特に染料は、空五倍子色という伝統色で、古代より(正倉院にあり)珍重されてきました。

 春型のアゲハも舞い始めました。ヒメオドリコソウで吸蜜しています。食草の山椒の木が多いのも見られる理由でしょう。冬越しのルリタテハも。貝母が咲き終わっても里山の魅力は続きます。樫の木のベンチに腰掛けて鳥のさえずりを聴いているだけでストレスは雲散霧消します。

 陣場平の上の入り口。小道を入ってすぐ右の足元にハナヤスリの群生地があります。小さな水芭蕉の様な葉がそれです。希少なシダ類です。

 堂平大塚古墳へ下る道の脇にキジムシロ(雉筵)が咲いていました。春に咲くバラ科の黄色い花は、キジムシロ、ミツバツチグリ、ツルキンバイ、クサイチゴ、ヘビイチゴなど皆似ていて同定に苦労します。

 妻女山松代招魂社の八重桜も満開になりました。この花弁で桜茶が作れます。

 妻女山への登り口にクサノオウ(瘡の王)が咲き始めました。毒草なので触らないでください。小学生の遠足コースなので、引率の先生にアドバイスしたことがあります。これからイカリソウやアマドコロ、ホタルカズラが咲き、ウスバシロチョウが舞い始めます。これからオオスズメバチの女王が巣作りのために飛び始めるので、黒い服は避けてください。

 翌26日は最高気温が28度の予報。早めに登ってノイバラやヤマフジの除去作業をしました。やはり信毎を見たと言って登ってきた人が30人以上。鞍骨山へ向かった人も大勢いました。例年の見頃は4月10日から20日頃という話や、当ブログで開花情報を出していることなどをお話しました。みなさんが帰った頃にサンコウチョウが鳴き出したのは残念でしたが。堂平大塚古墳では猛毒のレンゲツツジが咲き出しました。これからKさんが植えたリュウキュウツツジや色々なツツジが咲き出します。ホタルカズラも咲き出した様です。
 貝母を見に来た女性にオオスズメバチの女王蜂が暫くの間まとわりつきました。これは化粧品や香水、柔軟剤やシャンプーの甘い香りに惹きつけられたのです。山に来る際は、無臭が原則。ミントやハッカの香りは虫が嫌います。防虫スプレーや手作りの防虫オイルを塗ってくるといいでしょう。前記した様に黒い服や黒髪もハチに狙われます。まとわりつかれたら絶対に声を上げたり手で払ったりしては駄目です。刺されます。おとなしくジッとしていること。やがて去ります。

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妻女山陣場平の貝母は少しずつしぼみ始めました。それでも週末までは充分に見頃です。信毎の取材を受けました(妻女山里山通信)

2024-04-24 | アウトドア・ネイチャーフォト
 陣場平の貝母(ばいも)は少しずつしぼみ始めました。それでも週末までは充分に見頃です。今日(23日)は、信濃毎日新聞の取材を受けました。明日の朝刊に載るそうです。25(木)26(金)は見頃です。

 記者の方が貝母を撮影しています。編笠百合の名前の通り、花の中を撮影するのがポイントです。スマホの方には自撮りモードでとアドバイスしますが、なかなか難しい様です。

 カスミザクラ(霞桜)。満開ですが、風が吹く度に花吹雪が舞い散ります。ヤマザクラ(山桜)はかなり散りました。オオヤマザクラ(大山桜)はまだ紅色に咲いています。まもなくウワミズザクラ(上溝桜)も咲くでしょう。

 貝母は下から咲いていきます。満開になったら下からしぼみ始めます。上の写真でそれが分かると思います。上部はまだ開いているので、週末まではなんとか見頃だと思います。

 群生地で、一番背の高い貝母がこちら。約90センチはあります。昨年はなごり雪がなかったので、これくらいの貝母がたくさんあって壮観でした。球根も大きいでしょう。全草が毒ですが、特に球根は美味しそうですが絶対に食べてはいけません。薬草ですが、かなり強い毒草です。

 あちこちでシロヤブケマンが咲いています。氷河期の生き残りといわれるウスバシロチョウの食草です。ゴールデンウィーク明け頃から舞い始めるでしょう。これも毒草です。ルリタテハが舞っていました。

 あちこちでヤマツツジも咲き始めました。

 林道に咲く、左がカスミザクラ、右がヤマザクラ。樹下にはピンク色のミヤマウグイスカグラが咲いています。妻女山駐車場からは30〜40分。林道入口の地図と、長坂峠と陣場平の上下の入り口にある看板に従って群生地に入ってください。小さな実生を踏まない様に鑑賞してください。樫の木のベンチに腰掛けて、鳥のさえずりに耳を傾けるのもいいでしょう。運が良ければニホンカモシカにも出会えます。

 24日の信濃毎日新聞の一面に掲載された記事。本文中に陣馬平とあるのは間違いで、キャプションにある陣場平が正しい地名です。アミガサユリ(編笠百合)は、貝母の和名です。4月の茶花として江戸時代から親しまれて来ました。
 やはり長野県では信毎が新聞では一番なんでしょうか。朝からこの記事を読んで「陣場平 貝母」、「陣場平 アミガサユリ」で検索したのでしょうか、当ブログへのアクセスがもの凄いことになっています。明日から三連休は大勢訪れてくれるかも知れません。できるだけ現地でガイドをしたいと思っています。

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妻女山陣場平の貝母は満開です。山桜、霞桜、大山桜も満開。カタクリ、キブシ、ハナヤスリ、コクサギ、ヤマブキ(妻女山里山通信)

2024-04-20 | アウトドア・ネイチャーフォト
 陣場平の貝母(ばいも)が満開になりました。山桜、霞桜、大山桜もほぼ満開です。足元では鮮やかな朱色のクサボケ(草木瓜)も咲いています。氷河期の生き残りウスバシロチョウの食草のシロヤブケマンもあちこちで咲き始めています。カタクリは咲き終わり、あちこちでミヤマウグイスカグラが咲いています。今日も何人も訪れてくれました。里山の自然と歴史、里山保全の大切さと大変さについてお話しています。陣場平は川中島の戦いで上杉謙信が本陣とした場所。ブログ内検索で「川中島の戦い」で該当する記事が読めます。ちなみに我が家の祖先には真田幸村の影武者のひとり、林源次郎寛貴がいます。

 貝母の花。和名は編笠百合といいますが、こうして花の内部を見るとその意味が分かります。葉先が丸まっていますが、これでお互いの茎に絡みつきスクラムを組んで、この時期に発生する爆弾低気圧の強風から身を守ります。奈良時代に入った薬草(毒草)で、万葉集に一首詠まれているらしいことは一つ前の記事で書いています。薬草ですが、全草が毒草です。花の香を嗅ぐのも花粉を吸い込む可能性があるのでしないでください。

 貝母の群生地の周りに朱色のクサボケが咲き出しました。実は地梨といいます。

 クサボケ(草木瓜)の花。草ではなく、高さ50センチぐらいの低木ですが、鮮やかな朱色の花を咲かせるので意外と目立ちます。また、低木ににつかわしくない梅のような大きな実は薬用酒になり、貧血や疲労回復、不眠症に。煮だし汁は入浴剤になるそうです。

 カスミザクラ(霞桜)。と書きましたが、近くで確認するとヤマザクラでした。左向こうはやや桃色がかっているのでエドヒガンの仲間でしょうか。ツピー、ツピーというシジュウカラ。月日星ホイホイホイと鳴くサンコウチョウ、鶯(ウグイス)の初鳴きも聞こえました。

 灌木越しに見る貝母の群生地。灌木は山椒の木や黒文字、臭木など。山椒の若葉を摘む女性もいました。

 貝母は下から咲いていきます。てっぺんが咲いたら満開です。まだつぼみが残っていますが、それも明日には咲くでしょう。

 オオヤマザクラ(大山桜)。別名は、紅山桜。

 花枝に毛があるのでカスミザクラ。無毛で葉がやや赤みを帯びているとヤマザクラ。

 ハナヤスリ。葉の真ん中から出てくる胞子嚢がヤスリの形に似ているのでそう呼ばれます。そうは見えませんが、シダ植物です。

 貝母の群生地の真ん中にあるクマノミズキ。芽吹くために樹液を吸い上げて余剰分が出て発酵してオレンジ色になります。無毒で舐められます。カエデやクヌギなら甘いのですが、これはほぼ無味無臭です。

 カタクリの群生地を観に林道を登ります。あちこちでミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)が咲いています。夏になる赤い実は甘くて美味しい。

 林道脇に咲く(木五倍子)。キブシの髄はスポンジ状で、昔は灯芯などにも使われたようです。髄を取り出すと中空になるので、酒樽の呑み口にも使われたとか。また、江戸時代には既婚の女性はお歯黒にする習慣がありましたが、キブシの実も利用されました。釘や鉄粉を食酢につけて酸化した液に、ヌルデの実、五倍子(ごばいし)やキブシの実の粉末をつけて、歯につけると黒く染まるそうです。

 カタクリ(片栗)ユリ科。別名カタゴ、カタカゴ(堅香子)、ハツユリ(初百合)。種にアリが食料とするエライオソームという物質がついているため、アリによって運ばれるアリ散布植物です。日本にはアリによって増えるアリ散布植物が200種以上あります。
「もののふの 八十(やそ)乙女らが 汲みまがふ 寺井の上の 堅香子(かたかご)の花」大伴家持(万葉集)
 当維持29歳の大伴家持が、赴任先の越中国府の伏木(現在の富山県高岡市伏木に5年間赴任)で、寺井の井戸(井泉の跡と歌碑がある)の周りにたくさん咲くカタクリを宮中の乙女になぞらえ、都を懐かしんで詠んだ歌だといいます。そう思うと写真のカタクリが、美しい乙女に見えてくるから不思議です。
 もののふとは、宮廷に仕える文武の官のことで、物部と書きます。八十(たくさんという意味)にかかる枕詞ですが、数が多い氏と発音の同じ宇治川の宇治から、宇治川を導く枕詞となったということの様です。昔もやたらと役人が多かったのでしょうか。もののふとは、後に武士そのものを指す言葉に変化します。

 コクサギ(小臭木)ミカン科。小さな臭い木という名前ですが、柑橘系の爽やかな香りです。雌雄異株。葉はコクサギ型葉序と呼ばれ、枝の片側に2ずつ交互に互生します。クサギ(臭木)はクマツヅラ科。実は黒褐色で5ミリほど。有毒です。ミカンがなるわけではありません。葉には殺菌作用のあるアルカロイドを含むので地方によっては家畜小屋に敷いたりするそうです。

 ヒオドシチョウ(緋縅蝶)。ルリタテハと共に春の到来を告げる蝶です。武士が纏う紅色の緋縅に似ているからの命名です。

 天城山(てしろやま)林道から見る千曲川と松代パーキングエリア。黄砂とヒノキの花粉で辛いです。黄砂で遠くの山が霞んで見えません。

 ヤマブキ(山吹)バラ科。「七重八重花は咲けども山吹の実の(蓑)ひとつだになきぞ哀しき」兼明親王(後拾遺和歌集) 実のと雨具の箕をかけています。太田道灌の逸話で知られる花。 古今亭志ん生『道灌』は一聴の価値あり。花を乾燥させて煎じたものは、慢性のせきに効くそうです。

 若葉の頃は樹種によって葉の色が異なります。春紅葉も見られます。この時期の里山は本当に美しい。5月になると緑が濃くなって、遠目では樹種の違いが分からなくなります。

 我が家のタラの芽も一気に開きました。タラの芽生椎茸ベーコンアンチョビーの馬鹿旨パスタ。山菜の季節到来です。明日も午前中は訪れる方の案内をする予定です。見かけたらお気軽に声をかけてください。貝母は、26日までは見頃だと思います。25度以上になるとしぼみ始めます。

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本の概要は、こちらの記事を御覧ください

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魚眼レンズで撮る陣場平の貝母。9枚の花弁がある貝母を発見。満開の枝垂れ桜と花桃。ズミも開花(妻女山里山通信)

2024-04-17 | アウトドア・ネイチャーフォト
 陣場平の最高気温はなんと28.4度。山上も26度。ノイバラの地下茎を掘り出す作業をしたのですが暑くて大変でした。こんな暑い日でしたが、貝母見学の方が何人も訪れてくれました。鞍骨山へ向かった人もいた様です。三日連続のブログ記事のアップとなりました。信州の春は駆け足で過ぎていくので撮影が大変です。

 今回はサブカメラとして使っているコンデジに魚眼レンズをつけて撮影しました。貝母の群生地の広さが分かっていただけると思います。これは 上の入り口から。樫の木のベンチはここと積石塚古墳の横にあります。貝母は奈良時代に唐からもたらされた薬草ですが、かなり強い毒草でもあります。咳止めの薬ですが、成分は筋肉弛緩剤とほぼ同じ。誤って百合根の様な球根を食べると非常に危険です。

 上のカットのちょうど反対側から。一番華やかなカットが撮影できます。
「時々の 花は咲けども 何すれぞ 母とふ花の 咲き出来ずけむ」丈部(はせつかべ・はせべ)真麻呂(万葉集)
 これが貝母のことであるという説があります。丈部真麻呂は、遠江国山名郡(現在の静岡県袋井市)で徴兵され九州に派遣され国境警備にあたった兵士・防人(さきもり)でした。
 意味は、季節ごとに花は咲くのに、どうして母という花は咲かないのだろうか(咲くのだったら摘み取って共に行くのに)。防人というのは、21歳から60歳までの健康な男子が徴兵されました。任期は三年で、延長もされたそうです。食料・武器は自弁で帰郷は一人で帰るため、途中で野垂れ死ぬ者も少なくなかったとか。人民には重い負担になったようです。

 南側から。この背後には種で増えた群落が広がっています。あと数年したらこれと同じ草丈になるでしょう。

 東側の林の中から。ここは半日陰なので、花が長く持ちます。当地は午後になると強風が拭き始めるので、午後1時ぐらいまでの見学をお勧めします。

 貝母は普通は花弁が6枚なんですが、これは9枚です。今までの観察では9枚が最高です。

 中央の花は7枚です。注意深く探すと見つかるかも知れません。

 昼近くですが、朝よりもさらに開きました。21日ごろには天頂部まで咲き満開になるでしょう。

 堂平大塚古墳の枝垂れ桜も満開です。

 枝垂れ桜のアップ。

 花桃も満開。この花桃は太い枝が折れて地面についているのですが健気に咲いています。オオイヌノフグリとの取り合わせがあり得ないことなので奇妙に見えます。

 堂平大塚古墳。まもなくツツジ(躑躅)が咲き始めます。ヤマツツジ、猛毒のレンゲツツジ、純白のリュウキュウツツジなどが咲き誇ります。

 途中で採取したコゴミ。タラの芽、ハリギリ、コシアブラと続きます。

 ズミも咲き始めました。

 妻女山松代招魂社の桜も満開です。

 妻女山展望台から。遠く飯綱山と戸隠連峰。

 翌16日の貝母。前日の暑さで貝母もかなり開きました。まだてっぺんが蕾のものも見られますが、週末には満開になるでしょう。ヤマザクラ、カスミザクラ、オオヤマザクラも咲き始めました。

 いきなり満開になった桃の花越しに妻女山。ずいぶんと木々が色づき始めました。春紅葉も見られます。

 千曲川の岩野橋左岸から見る妻女山。ソメイヨシノは散り始め。奥の皆神山の桜は今が満開。

 河川敷の桃の花も満開。川中島白桃でしょうか。土手に咲くのは、テレビで菜の花と紹介していましたが、有害帰化植物のハルザキヤマガラシがほとんどです。畑に咲いているのは野沢菜の菜の花です。土手の向こうに、長野パルセイロのホームスタジアムが見えます。その奥には薄っすらと高社山。21日は、長野マラソンのために国道403や岩野橋、赤坂橋が昼ごろまで通行止めになるので注意してください。屋代方面からは妻女山に登れます。

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