goo blog サービス終了のお知らせ 

モリモリキッズ

信州里山通信。自然写真家、郷土史研究家、男の料理、著書『信州の里山トレッキング東北信編』、村上春樹さんのブログも

集中豪雨で妻女山山系に壊滅的被害が出ました。ヒヨドリバナで吸蜜するスジグロシロチョウ(妻女山里山通信)

2021-07-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 7月11日(日)に長野盆地南部を襲った集中豪雨は、千曲市や松代町の果樹や野菜に大きな被害をもたらしましたが、私達が貝母や里山の保全活動をしている妻女山山系も壊滅的な被害を受けてしまいました。車では上がれないので徒歩で登りましたが、被害は予想以上のものでした。湿度は100%。クロメマトイが鬱陶しく纏わりつく中を通常の二倍ぐらいかけて登りました。

(左)妻女山展望台の裏の赤松の大木が地上5mぐらいで折れてしまいました。手前にある石碑に当たらなくて良かった。(右)駐車場奥の桐が二本倒れました。残った一本も傾いて倒れそうで大変危険です。これは伐倒しないといけません。

(左)妻女山松代招魂社はあれだけの暴風雨でも無事でした。ただオオムラサキは姿を消しました。あの暴風雨では生き残れないでしょう。新たな生命の羽化を待つしかありません。(右)鳥居の脇の妻女山の案内看板は根本から折れてしまいました。

(左)貝母群生地のある陣場平や天城山(てしろやま)、鞍骨山へ向かう林道を登ります。豪雨で林道(農道)が深くえぐれてしまいました。大きな穴が空いてしまった場所も。これでは車で登れません。秋にもし山火事が発生しても消防車が登れません。(右)三つ目のカーブに落葉松と山桜の倒木。人力では動かせません。その向こうには立ち枯れの山桜に倒木が掛り木になっていて非常に危険です。

(左)四つ目のカーブに落葉松の倒木。(右)その上には二本の落葉松の倒木。奥の落葉松は直径が50センチはあります。グラップルがないと危険で処理できません。他にも処理が必要な木が複数ありました。倒木の伐倒、特に掛り木や蔓が絡んだ木の伐倒は危険です。杉や檜の様な円錐形の樹木は重心が分かりやすいのですが、ヒノキやブナ科の広葉樹や複雑にねじれた赤松などは重心が分かりにくいので危険です。私達も何度か予測と違う倒れ方で危険な目に会ったことがあります。熟知しているはずの経験豊富なプロでも事故に巻き込まれることもあるのです。そういう訳で現在は、ハーベスターとか近代的な伐倒製材の機械が活躍しているのです。YouTubeでそんな動画がたくさんあがっているので興味のある方は観てください。凄いです。
 確かに他の人名が奪われた大災害に比べれば微々たるものでニュースでも取り上げられませんが、逆にこれを復旧するのは非常に大変なのです。重機がないと無理ですし、かといって行政も簡単には動いてくれません。他にも災害地がありますし。しかし、復旧させないと陣場平の保全活動や山仕事もできません。大変な問題です。

(左)長坂峠と陣場平の間の樹液バー。何もいません。普通ならばカブトムシ、オオムラサキ、オオスズメバチやアオカナブンなど多彩な昆虫が吸汁する姿が見られるのですが。(右)陣場平入り口のオニグルミが暴風雨でたくさん落ちていました。

 妻女山里山デザイン・プロジェクトで保護活動をしている貝母(編笠百合)の群生地がある陣場平。幸い被害は見られません。ここの標高は530mぐらいですが、被害が大きかったのは麓に近い370mぐらいから450mぐらいまでに集中していました。林道の状況は全体に渡って酷いものでした。長坂峠までカーブが六つありますが、その上部にカーブに雨水が流れ込まないようにゴム板を埋め込む必要があると思います。

(左)陣場平の中央にあるクマノミズキの実も大きくなってきました。(右)誰も行かない森の奥へ。幻のハナビラニカワタケを探しに。まだ発生していませんでした。梅雨明けを待ちましょう。

(左)陣場平の貝母。ほとんど枯れて倒れましたが、まだ種を飛ばしていないものも。(右)こんな風に六枚の羽がある実の中に三列に縦に種が並んでいます。乾燥するとこれが弾けて散らばるのです。多くは真下に落ちますが、強い東風(こち)が吹いているとかなり西まで飛んでいきます。山中でこれだけの貝母の群生地が観られるのは日本でここだけです。見事な満開の景色は、当ブログの毎年の4月の記事をアーカイブで観てください。毎年地元はもとより全国各地から大勢の方が訪れます。

 木漏れ日の当たるヒヨドリバナで吸蜜するスジグロシロチョウ(筋黒白蝶)アゲハチョウ上科シロチョウ科。畑や庭ではモンシロチョウがよく見られますが、山間部ではスジグロシロチョウがよく見られます。幼虫の食草はタネツケバナやハタザオなどアブラナ科の植物。

 雨が多いので色々なキノコが出ています。傘の裏が網の目状なのでイグチ科のキノコだとは思うのですが同定できません。

 小さなキノコ。キシメジ科だろうとは思うのですが、発生の時期と形態でヌナワタケが一番近い感じですね。

 妻女山展望台の階段の踊り場で見つけたキノコ。傘の独特な模様からモエギタケ科のキノコかなと思ったのですが、これも同定できていません。

(左)ヤマハギ(山萩)マメ科ハギ属。花柄が長いので。妻女山にはマルバハギもあります。シジミチョウが好きな花です。(右)ヤマホタルブクロ(山蛍袋)キキョウ科ホタルブクロ属。亡き父が子供の頃、これに蛍を入れて遊んだと話していました。で蛍袋という名がついたのでしょうか。

 妻女山展望台から望む茶臼山。右奥に神話の山、虫倉山。両山とも拙書に載せていますが、歴史ある自然豊かな里山です。梅雨が開けるまで北アルプスは望めそうにありません。

 北側には長野市民の山、飯縄山。都民が高尾山に登る様に、長野市民はたいてい登ったことがある山です。高尾山薬王院の祭神は飯縄権現。馴染みが深いのです。もちろん拙書でも詳しく紹介しています。手前の千曲川は大雨で茶色です。河川敷では台風19号で堆積した土砂を取り除いて川幅を広げる工事が行われています。
 今回の被害は、アマチュアでは危険すぎて手が出せないので市に相談してみようと思います。梅雨があけると全国からハイカーや歴史マニア、トレラン愛好家、サイクリスト、愛鳥家などが大勢訪れる人気の里山ですから。とりあえず14日(水)に林道入口に「倒木で通行止め 徒歩は可」の看板を下げました。間違って車で登ると、二曲がりバックで戻らないといけないので。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

粘菌(変形菌)図鑑。妖しく奇妙で美麗なマクロの世界。ツノホコリ、キフシススホコリ、マメホコリ、クダホコリetc(妻女山里山通信)

2021-07-10 | アウトドア・ネイチャーフォト
 粘菌は、アメーバのように動き回り微生物(バクテリア)を捕食する特性と、菌類のように静止して胞子を飛ばす特性の両方を備えた単細胞生物です。原生粘菌、真正粘菌(変形菌)、細胞性粘菌に分けられていますが、私が撮影するのは前の二つです。カビなどの真菌やキノコなどの菌類とはまったく異なる生き物です。粘菌の同定を外見だけでするのは非常に困難です。種名については参考程度と考えてください。英語で粘菌はSlime molds、変形菌はMyxomycetes、Myxomycota。変形菌の種類は、世界で800〜900種。日本で400〜500種ほど。解説は専門的になりますが、なるべく分かりやすくを心がけました。怪しくも美しい粘菌の世界を楽しんでください。

 写真は節を形成し成長途中のキフシススホコリ。体内には秒速1mmを越える原形質流動が起きており、肉眼では確認できないほどゆっくりと移動することができます。
 驚くべきことに変形菌には迷路を抜けられる能力があるという。
「粘菌に「知性」はあるか――。単細胞生物に「人間らしさ」の起源を探る、孤高の研究」北海道大学 中垣 俊之 教授:2008年にイグノーベル認知科学賞を受賞「物理エソロジー」とは。「単細胞だから単純などというのは、とんでもない誤解です。粘菌が持っている脳も神経も使わない情報処理システムは、原理的にすべての生物が持っている基本的な土台です。その意味で、あらゆる生物は知的である。これが単細胞生物の物理エソロジーに挑戦する、私の基本的な理解です」
「脳を持たない粘菌が集団行動する秘密」生物物理学者 澤井 哲氏 「種の存続のために自己犠牲を払う利他的行動」:粘菌のことを非常に分かりやすく解説されています。


 ツノホコリ(角埃)。原生粘菌類に属するツノホコリ科ツノホコリ属の粘菌。世界に三種、日本にあるのは一種。変種にはほかに、枝分かれしないエダナシツノホコリ、丸いタマツノホコリ、縮れたカンボクツノホコリとナミウチツノホコリがあります。高さは2ミリ前後。ごく普通に見られる粘菌です。他とは違い、透明な棍棒状の子実体の周りに柄のついた白い胞子嚢をつけます。周りに白く粉状に見えるものがそうです。胞子嚢がまだ未完成のものは透明に見えます(左の写真の下部。黄色と黒の虫は粘菌を食べるテントウムシの幼虫)。

 エダナシツノホコリ(枝無角埃)ツノホコリ科ツノホコリ属。高さは2ミリ前後。半透明で、触るとゼリー状につぶれました。普通に見られる原生粘菌です。

 タマツノホコリ(玉角埃)ツノホコリ科ツノホコリ属。ツノホコリの変種。別名は、タマサンゴホコリ。ツノホコリに似ていますが、子実体は蜂の巣状。小さな甲虫が写っています。粘菌は小さな虫の餌になることもあるらしく、ベニホタルの仲間も粘菌ではよく見かけます。右の写真は外生胞子を飛ばし始めている状態のようです。

 ススホコリ(煤埃)モジホコリ科ススホコリ属。子実体は黄色い色素を含んだ石灰質で覆われています。 石灰質顆粒からなる外皮はもろく剥がれやすい。朽木に発生するわりとよく見られる粘菌です。左の写真の白い部分は、変形体が動いてきた痕です。

 キフシススホコリ(黃節煤埃)モジホコリ科ススホコリ属。原形質流動は、一進一退を繰り返し、波打つように成長します。三歩進んで二歩下がるような感じです。それが迷路を抜けられる秘密なのでしょう。所々に株のように盛り上がった節がありますが、子実体になったとき、なるべく高い位置にあるとそれだけ胞子を遠くへ飛ばせるからといわれています。右は前夜に霧雨が降り水分が多すぎるためか溶けかかっているものもあり、節の形成があまり盛んではないようです。

 マメホコリ(豆埃)ドロホコリ科 マメホコリ属。最も普通に見られる変形菌。未熟は美しいピンク色で、やがて黄褐色から灰茶褐色に変化。直径は約15ミリまで。表面 に黄色~暗褐色のうろこ状の突起があります。左の未熟は美しいピンク色で、小さな虫のエサにもなります。右は子実体で、まもなく割れて胞子を飛ばし始めるでしょう。近縁種に、高さ2~4ミリで円錐形のイクビマメホコリと高さ5ミリまでのコマメホコリがあります。

 クダホコリ(管埃)ドロホコリ科 クダホコリ属 。左は子実体の未熟。最初は淡いピンクで濃くなり、だんだん黄土色に変わっていきます。希に紫になるものもあります。右が子実体。子実体形成まで時間がかかるため、ピンクまたは紅色の未熟体がよく観られます。子実体の高さは約5ミリ。他にコモチクダホコリ、エツキクダホコリ、オオクダホコリが知られています。倒木にたくさん発生するとまるで誰かがタラコをばら撒いたように見えます。

 シロジクモジホコリ(白軸綟埃)モジホコリ科モジホコリ属。キノコはウラベニガサ。先端の青い丸い部分が胞子嚢(ほうしのう)です。希にキノコを食べる変形菌というのがあり、ナメコを食べるブドウフウセンホコリや、それ以外にもイタモジホコリもキノコを食べるということですが、このシロジクモジホコリについては、この写真だけではなんとも判定できません。ところで、モジホコリのモジですが、文字ではなく綟ではないかと思うのです。麻糸のことですがどうでしょう。モジホコリが広がっていく様が目の荒い麻布の様に見えます。モジホコリの写真は、下の『粘菌ペット「もじ太郎」』の記事でご覧いただけます。

 ムラサキホコリ(紫埃)ムラサキホコリ科ムラサキホコリ属。長さは6~20mm。子実体の軸(基部)が比較的長く、接地面と胞子が離れています。すでに胞子をとばせる状態。触れたらたくさんの胞子が舞いました。ひとつの束は、およそ10から20の子嚢でできています。変種のサビムラサキホコリは軸が長く、高さの二分の一ほど。

 トビゲウツボホコリ(鳶毛靫埃)ケホコリ科。赤松の樹皮が剥げた倒木上に発生していました。子実体ひとつの大きさは1ミリぐらい。右のカットは二日後。雨が降ったため胞子を飛ばす前に壊れてしまったものもありました。鮮やかな朱色は、森の中で異彩を放ちます。

 ハシラホコリ(柱埃)ハシラホコリ科 ハシラホコリ属 。直径10センチぐらいで、高さは10ミリちょっと。既に乾いて倒木にははりついているというより置いてある状態でした。割ると太さ0.5ミリほどの円柱形の胞子嚢がびっしり。なかなかお目にかかれないちょっと珍しい粘菌です。

 マツノスミホコリ(松墨埃)ムラサキホコリ科 ススホコリ属。赤松の切り株に雨後発生。山桜の花びらで、だいたいの大きさが分かります。触るとすぐに破れて真っ黒な粉状の胞子が舞い上がります。手や服に付くと大変。

 ホネホコリ(骨埃)カタホコリ科ホネホコリ属。外壁は密集した石灰質の粒からなり、内壁は膜状です。軸はなくスライスした骨が朽木に張り付いているように見えます。

 マンジュウドロホコリ(饅頭泥埃)ドロホコリ科 ドロホコリ属。発生初期は白色で中はクリーム色。やがて写真のように銀色になりシワが出来ます。内部はコーヒー色のゲル状ですが、皮を破って一日置くとチョコレート色になり固くなりました。直径1~5センチですが、写真のものは約3センチ。右の写真は新しいスウィーツに見えます。

 コウツボホコリ(小靫埃)ウツボホコリ科ウツボホコリ属。ウツボホコリより小さく高さ3ミリぐらいまで。乾くと弾性のある網目状になり、胞子をはじき飛ばします。まるでどこかの惑星に下り立ったような異次元の風景のように見えます。

粘菌ペット「もじ太郎」』:国立科学博物館でいただいた変形菌(粘菌)のモジホコリの飼育の記事
 では、粘菌は食べられるかというと、有名な話ではメキシコである種の粘菌が、フライの衣として利用されたとか、中国では「太歳」と呼ばれる地中にできる大きな粘菌が、バラの香りがし肉のような歯触りといわれていますが、どうなんでしょう。私はクダホコリやツノホコリを舐めたことがありますが、いわゆる樹液臭く美味しいというものではありませんでした。思わぬ毒性がないともいえないので真似しない方がいいと思います。

 また、カビやキノコを食べる粘菌もいますし、粘菌の食べ物であるバクテリアを育成するというある粘菌の実験結果がNatureに発表されたこともあります。食物連鎖というのは、必ずしも大が小を食べるというような一方的なものではなく、実はかなり複雑だということが分かります。進化(evolution)という和訳から、なにか進化は進歩のように誤解しがちですが、進化は単に、生物の形質が世代を経る中で変化していく現象のことであって、進化には進歩の意味はありません。進化の結果、絶滅することもあり得るわけです。また、進化に目的はなく、突然変異に自然選択がはたらいた結果にすぎません。ですから、粘菌がこれからどう進化していくかというのは全くの未知なのです。ただ、愚かな人類の営みによって増えた放射性物質を生き延びる粘菌が出て来る可能性はあるといえます。放射性物質を食べる菌類はチェルノブイリで発見されています。粘菌の研究はまだまだこれからの様です。

 拙書『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林では、『怪しくも美しい「粘菌」も宇宙船地球号の乗組員』というエッセイを載せています。写真とともに粘菌についてや、真正粘菌研究の先駆者、南方熊楠(みなかたくまぐす)について記しています。

■粘菌の妖しく奇妙で美麗なマクロの世界にあなたを誘います。決して特別なものではなく、梅雨の雨上がりの庭や公園の倒木や切り株でも見られます。虫眼鏡を持って探してください。きっと虜になります。BGMは、私が大好きなエリック・サティです。タイトルをクリックするとYouTubeのページが開きます。ぜひハイビジョンでご覧ください。

【信州の里山】妻女山の変形菌(粘菌)その1 Japanese Myxomycetes vol.1


【信州の里山】妻女山の変形菌(粘菌)その2 Japanese Myxomycetes vol.2


【日本の里山】森の変形菌(粘菌)Japanese Myxomycetes


 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

オオムラサキのオスと邂逅。美しい合歓木の花。ルリシジミ、ホソヒラタアブ、ミナミヒメヒラタアブ、メジロ(妻女山里山通信)

2021-07-07 | アウトドア・ネイチャーフォト
 七夕の朝、天気予報は曇りでしたがみるみるうちに晴れてきました。慌ててパッキングして妻女山へ撮影に。最初は湿気もあって静かでしたが、太陽がギラギラと照り始め気温が上昇。29度に。昆虫たちの活性も一気に高まりました。

 妻女山松代招魂社の板壁に止まるオオムラサキのオス。非常に綺麗です。まだ羽化して間もないのでしょう。
 オオムラサキ(大紫)チョウ目タテハチョウ科タテハチョウ亜科。幼虫の食草は、エノキ。 オスは、美しい青紫の翅をもちます。成虫は樹液に集まり、カブトムシやスズメバチにもひるむことがありません。結構気は荒く、オス同士の縄張り争いは相当激しいものです。小鳥を追いかけることも。以前ツバメを追いかけているのを見たことがあります。羽音は大きく、バッサバッサという音を立てて飛び回ります。こんな全く傷ついていない綺麗なオスに出会ったのは本当に久しぶりです。今朝早く羽化して翅が乾いたばかりなのでしょうか。いや美しい!

 オスの翅の表には、構造色と呼ばれる光沢を持つ青紫色の鱗粉があります。構造色は、色素色と違い、そのものが色素を持っているわけではなく、鱗粉の物理的な構造により発色しているものです。CDやDVDの表面が光の角度で虹色に見えるのと似ています。従ってオオムラサキの翅の色も、光の角度によって色は微妙に変化して見えます。構造色はその構造がくずれない限り色は変わりませんが、鱗粉がはがれたり、並びが乱れると、翅の色はあせてきます。

 板に染みた雨の水分を吸っています。口吻はストローのように見えますが、実際は顎が変化したものなので、横に二つに割れていて雨樋が二本合わさったようなものです。羽化した直後はまだ割れていて、すぐにファスナーが閉じる様に合わさって管になるのです。また、タテハチョウ科のチョウはみな4本脚に見えますが、ほとんど使われない前脚が胸に小さく折り畳まれています。

 大きな複眼にある黒い点は偽瞳孔です。名前の通り偽もので、いつもこちらを向いているので見つめられているような気がしますが、光の入射角がこちらに向かっていると、光を全て吸収するため黒く見えるそうです。
 複眼といっても実際は、ひとつに統合された画像を見ているようで、画素数はそんなに高くないようですが、紫外線が見えたり、動体視力はいいようです。なので蝶に近づくには、なるべくゆっくりと動くことが逃げられないコツです。
 複眼の前の二本の角は、下唇鬚(かしんしゅ)といって、匂いを感じたり、複眼や口吻を掃除するものといわれています。

 オス同士の激しい縄張り争いを物語る一頭のオス。メスもそろそろ出現するでしょう。ぐずついた天気で発生が遅れている感じがします。

 ネムノキ(合歓木)の花。樹高10〜15mぐらいになり、花は樹冠で咲くのでなかなかこんな風に近接撮影はできません。長く伸びた線香花火のような紅色の雄しべが美しい花です。花弁は5つで真ん中に雌しべがあります。この葉は合歓皮(ごうかんひ)といって漢方薬です。利尿、強壮、鎮痛、腰痛、打ち身、腫れ物、水虫、手荒れ、精神安定などに効くそうです。貝原益軒は「この木を植えると人の怒りを除き、若葉を食べると五臓を安じ、気をやわらげる」と記しています。
「わぎも子が 形身の合歓木(ねぶ)は 花のみに 咲きてけだしく 実にならじかも」大伴家持(巻八-1463)
 (あなたからもらった形身の合歓木は、花が咲くばかりで実にはならないかもしれません・・)


(左)ネムノキの名前は、夜になると葉が閉じてしまうことからです。葉全体が茎に付着する部分と小さな葉がそれぞれ付着する部分(葉柄)の基部がふくれていて(葉枕)その細胞内圧力(膨圧)が昼夜で変化するので葉が閉じたり開いたりするのだそうですが、何かの防御機能なのでしょうか。(右)ヨウシュヤマゴボウ(洋種山牛蒡)。北アメリカ原産の帰化植物で毒草です。

 そのヨウシュヤマゴボウで吸蜜するルリシジミ(瑠璃小灰蝶)。翅の表面は水色から明るい青紫色。ヤマトシジミと似ていますがかんたんな見分け方は、ルリシジミは目が黒、ヤマトシジミはねずみ色。

 ホソヒラタアブ(細平田虻)。体長は10〜12ミリぐらい。複眼の間が空いているのでメス。幼虫はアブラムシの天敵です。左下に伸びているのは蜘蛛の糸。

 ミナミヒメヒラタアブ(南姫平田虻)。体長は約8~9mm。小さいです。細くて見ようとしないと見えません。複眼がつながっていて胴がスリムなのでオスです。玉虫色の翅が美しい。コントラストが強すぎてなかなか難しい撮影でした。

(左)ホソヒラタアブの飛翔。シャッター速度優先にする時間がありませんでした。(右)タケニグサ(竹似草)の花にぶら下がりました。

 タケニグサにシロテンハナムグリ(白点花潜)。​コガネムシ科の甲虫で、体長は6〜25mm。幼虫は、朽木や腐植土を食べます。周囲のタケニグサにたくさんいました。タケニグサは毒草で、茎を折ると中空の中から黄色い液体が出てきます。殺虫成分があり、江戸時代はこれを便槽に入れていたそうです。

 望遠レンズの時に偶然近づいてきたのはメジロ(目白)。目白押しの元となったピッタリとおしくらまんじゅうのように枝に並ぶ習性があります。満開の桜でよく見られます。雀より小さく可愛らしい。

 妻女山の四阿の展望台から見る茶臼山。先日撮影に行った茶臼山自然植物園が見えます。午後になって雲が覆いオオムラサキも昼寝に入ったので山を下りて温泉へ向かいました。この先はぐずついた日が続く予報。大水害が起きないといいのですが。信州にも麓からは見えませんが、山の中のあちこちに廃棄物処理施設や残土捨て場、ソーラーパネルがあります。グーグルアースで見ると分かります。ソーラーパネルは、製造や廃棄の過程で、カドミウム、カドミウムテルル、セレン、鉛などの猛毒物質が出ます。その安全な処理方法やシステムは確立されていません。原発と同じです。決してクリーンエネルギーではありません。今週は撮影に行けないので、週末に粘菌図鑑をアップする予定です。

 国蝶オオムラサキの美しさや儚さや、その生態が分かるスライドショーです。BGMは、ガレージバンドで作ったオリジナル曲です。タイトルをクリックするとYouTubeのページが開きます。ぜひハイビジョンでご覧ください。

Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 1of3【オオムラサキ】


Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 2of3【オオムラサキ】


Omurasaki butterflies in Japan 2011 Part 3of3【オオムラサキ】


Omurasaki butterflies in Japan 2012【オオムラサキ】


その他の愛すべき蝶たちです。
Butterflies in Saijo Mountains 2012【妻女山山系の蝶】


『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

茶臼山自然植物園へ。ナミハンミョウ、ベニシジミ、モンキチョウ、ジャノメチョウ、ツバメシジミ(妻女山里山通信)

2021-07-04 | アウトドア・ネイチャーフォト
 土曜日の午前中は晴れの予報。明け方近くまでかなりの雨が降ったので妻女山は諦めて茶臼山へ。途中で鹿に遭遇。逃げてピーッと威嚇音。近くに群れがいたのかも知れません。気温は22度でしたが湿度は100%。やはり、何もいません。諦めて下の茶臼山自然植物園へ行くことにしました。困った時の植物園です。
茶臼山自然植物園・恐竜園 | 茶臼山動物園

 帰り道に明るい林道で見つけたナミハンミョウ(並斑猫)。コウチュウ目オサムシ科のハンミョウ亜科。タマムシと並んで日本では最も美しい甲虫の一種です。警戒心が強く近づくとすぐ逃げるので、なかなかマクロ撮影が困難です。すぐ先で止まるのを繰り返すので、道教えとか道標とも呼ばれます。息を止めて気配を殺してゆっくりと近づき撮影しました。アリやミミズなどを大顎で捕らえて食べます。斑猫という名は、獲物に襲い掛かり鋭い大アゴで捕獲する姿がまるで猫のように見えることに由来しており、英名ではタイガービートルといいます。

 茶臼山のアルプス展望台からの眺め。拙書でも紹介していますが、晴れていればここからの北アルプスは絶景です。左に仁科三山、右に白馬三山が見られます。見えている集落は山布施。日本の里山の原風景。右の谷は犀川で国道19号に出られます。信州新町道の駅のおしぼり蕎麦、手前のムサシヤのジンギスカンは大人気。サンコウチョウの月日星ホイホイホイという鳴き声が。帰りに樹間を飛ぶのを目撃しました。コバルトブルーの羽が美しい。

 植物園で最初に出会ったのはベニシジミ(紅小灰蝶)でした。わりと地面スレスレをせわしなく飛ぶ蝶です。幼虫の食草は、スイバ、ギシギシなど。あちこちで舞っていました。

 モンキチョウ(紋黄蝶)。里山、公園、畑、庭などで普通に春から秋まで見られるチョウですが、人の気配に敏感でなかなか撮影が難しい。後翅の両側が同じ形で欠損していますが、吸蜜中にニホンカナヘビとかに襲われた可能性があります。菅平の峰の原高原では県の天然記念物のミヤマモンキチョウが見られます。たった3分の邂逅の記事は、ブログ内検索でご覧いただけます。

(左)シモツケ(下野)。バラ科シモツケ属の落葉低木。シモツケソウという草本もあります。葉が紅葉みたいで花もとっちらかっています。(右)ハクサンフウロに似ていますが、園芸種でしょうね。ゲラニウムでしょうか。

(左)ジャノメチョウ(蛇目蝶)。シモツケの周りにたくさんいました。人の気配に敏感なので近づくと一斉に飛び去ってしまいます。葉の上に止まっている個体を後ろからそっと忍び寄って撮影しました。幼虫の食草は、ススキ、コメススキ、ショウジョウスゲなど。(右)マメコガネ(豆黄金)。マメ科植物やクヌギに群れて葉を食べますが、畑に出ると害虫ですね。この二匹は番(つがい)でしょう。

 ターシャ・テューダーの庭園みたいですね。色々なチョウや甲虫がいます。セイヨウミツバチやシオカラトンボもやってきました。

 ツバメシジミ(燕小灰蝶)。オスは翅の表が青紫ですが、これはメスです。幼虫の食草はシロツメクサやコマツナギなどマメ科植物。

 レッサーパンダで有名な茶臼山動物園南口ゲートの左の道を抜けていくと植物園の駐車場なのですが、知っている人が少なくいつ来ても閑散としています。展望台からの眺め。

(左)展望台。この右の森の向こうはアスレチックで子供達に大人気ですが、この日は誰も来ませんでした。(右)シロバナキキョウ(白花桔梗)。秋の七草。韓国では根を食用にするそうです。
「秋の野に 咲きたる花を 指折りて かき数ふれば 七種(七草)の花」「萩が花、尾花、葛花、撫子の花、女郎花、藤袴(またあさごほの花」山上憶良 万葉集:あさごほ(朝貌)の花が桔梗。

(左)クマバチ。吸蜜するのは園芸種のクガイソウの仲間か。(右)吸蜜するセイヨウミツバチ。

(左)アザミに集まったアブラムシを食べに来たナナホシテントウムシ。人間からすると益虫です。てんとう虫のサンバ。(右)疲れて木陰のベンチで休んでいたら小さなクモが。お尻に顔があるぞ。カニグモ科のハナグモの仲間ですね。胴は3ミリぐらい。可愛いやつです。

(左)ニッコウキスゲに似たユリ科の植物に大量のアブラムシ。調べると、キスゲフクレアブラムシ。別名はゴンズイフクレアブラムシ。橙黄色でロウ質の白い粉で覆われています。やはりユリ科のノカンゾウやヤブカンゾウなどにつく様です。(右)ガクアジサイで吸蜜するクマバチ。脚には大量の花粉が。クマバチは体の大きさに比して翅が小さいので、昔は航空力学的に飛べるはずがないといわれましたが、「レイノルズ数」(流体力学において慣性力と粘性力との比で定義される無次元量)で、飛べる原理が証明されました。

 ガクアジサイ。アジサイ(紫陽花、八仙花)の原種。有毒植物です。遠くに松代東条の奇妙山。

 切り株の脇にベニシジミ。羽化して間もないのでしょうか。やっと翅が広がって乾いたところか。動きがヨロヨロとぎこちない。

 やっとシロツメクサの花に飛び乗れました。吸蜜しているのかな。午後になると雲が覆いました。気温は30度。木陰にいても汗だくです。蝶の活性も落ちてきたので撮影を終えて戸倉上山田温泉へ向かいました。

『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

梅雨の森の宝石オオミドリシジミを探して妻女山山系へ。雨上がりの粘菌二種を発見。虫こぶも(妻女山里山通信)

2021-06-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年の梅雨は信州には珍しくじとじとジメジメした陰性ですね。カラッとした梅雨晴れが少ないのでゼフィルス(シジミチョウ)の発生も少なめです。オオムラサキは24日に初見しましたが、その後見ていません。樹液バーにも昆虫は来ていません。
 僅かな晴れ間を狙って妻女山山系のある場所へ。三箇所ほど出現する場所を知っているので向かいました。もちろん他にもあるはずですが、あまり離れていると撮影が間に合いません。それは出現する時間が午前中の9時から10時ぐらいと限られているからです。

 ここにはオスが一頭しかいませんでした。僅かな日当たりの良い葉の上で翅を開いています。ターコイズブルーの翅がキラキラと輝いて美しい。構造色なので見る角度によって微妙に色が変化します。

 幼虫の食樹は、コナラ、クヌギ、ミズナラ、カシワなど。翅を広げているのは、テリトリーを主張する占有行動です。

 別の場所で。オス同士で占有行動するため、この後すぐに飛び立って三頭のオスでクルクルと回っていました。撮影はひたすらシャッターチャンスを待つが鉄則です。いつ来るか分からない彼女を待つ。そんな気分です。撮影するのはオスですけれどね(笑)。

 そして日当たりの良い葉の上で開翅し占有行動をとります。今回は昨年と違って雨後で湿度が高く、地上付近まで下りてきませんでした。そのため撮影はマクロレンズでなく望遠マクロのみです。残念でした。
森の宝石オオミドリシジミの復活。あんずの収穫の季節。オオムラサキ初見(妻女山里山通信):マクロレンズで最接近で撮影した2018年の少し腹の立つ、そして感動的な再会の記事です。

 下山します。歩き疲れました。待ち疲れました。樹間から千曲川と上信越自動車道。右手前に松代PA。とろろご飯と蕎麦が名物。地元野菜も買えます。堤防の上はサイクルツーリングに最適。一部車道と併用なので要注意。

 私が主宰する妻女山里山デザイン・プロジェクトが保護活動をしている貝母群生地のある陣場平へ。シオヤアブのオスが獲物をゲット。犠牲になったのはセイヨウミツバチの様ですね。シオヤアブは自分より大きな昆虫を捕獲することもあります。体液を吸ってる先でハエの仲間でしょうか、おこぼれをちょうだいしています(笑)。

(左)ナラハウラマルタマバチ(コナラフシバチ)が寄生して出来た虫こぶ(虫えい・ゴール)です。中に一匹の幼虫が入っていて内部を摂食し成長。2〜3週間で落下しその中で成長。10〜11月に羽化して成虫に。(右)ハラタケ科のカラカサタケ。食べられますが特別美味しくないし似ている猛毒のキノコがあるので私は一度食べましたが、それ以降食べません。キノコの判別は絶対に図鑑とかでしてはいけません。迷ったら保健所へ。どんな猛毒のキノコでも一度は食べられますが二度目はありません。
コナラの木にリンゴをならすハチ!(妻女山里山通信):これも虫こぶです。

 粘菌のツノホコリ(角埃)。正しくは原生粘菌類に属するツノホコリ科ツノホコリ属の粘菌。世界に三種、日本にあるのは一種。変種にはほかに、枝分かれしないエダナシツノホコリ、丸いタマツノホコリ、カンボクツノホコリ、ナミウチツノホコリなどがあります。高さは2ミリ前後。半透明で、触るとゼリー状につぶれます。ごく普通に見られる粘菌です。他とは違い、透明な棍棒状の子実体の周りに柄のついた白い胞子嚢をつけます。周りに白く粉状に見えるものがそうです。胞子嚢がまだ未完成のものは透明に見えます。

 赤松の伐採木に粘菌。遠目で見るとまったく何か分かりません。ハイカーも気にもとめないでしょう。でも真っ赤な粘菌や黄色のアメーバー状の粘菌もあって、そういうのは何これ!って思うでしょうね。

 タマツノホコリ(玉角埃)ツノホコリ科ツノホコリ属。ツノホコリの変種。別名はタマサンゴホコリ。担子体は群生し、外生胞子を作る変形菌はツノホコリ属のみです。おそらく午後には外生胞子を飛ばし始めるでしょう。変種の見分けは結構微妙で難しい。

 下山中に見つけた蛾。ドアを開けると逃げられそうなので窓を開けて腕を一杯に伸ばして撮影。エダシャクの仲間でしょう。種名は不明ですがヒョウモンエダシャクかな。梅雨の里山なんて蒸し暑いしクロメマトイにまつわりつかれるしでほとんど人が来ませんが、実は生物が生き生きと活動する魅力的な季節なんです。雨中登山では、ブナの大木を流れ下る小さな川筋も見られます。

 昔イノシシが泥をこすりつけて樹皮が剥けた落葉松から滲み出る樹液(ヤニ)。出たばかりは赤茶色なんですが、時間が立つとプルシャンブルーに変色し固まり樹脂になります。精油分(テレビン油)で工業用に古くから使われてきました。高校の美術班で油絵を描く時にも溶剤として使いました。家具や建築材に使う時は脱脂をします。春の芽吹き時にはヤニの細かな雨が降るので、落葉松林の近くには駐車しない方が賢明です。疲れたので温泉へ。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ミドリヒョウモン、シオヤアブ、ムラサキシキブ、ヒヨドリバナ、イシクラゲ、クダホコリ(粘菌)、ニホンカモシカ。梅雨に生き生きの生物達(妻女山里山通信)

2021-06-25 | アウトドア・ネイチャーフォト
 寒気が入っているため連日天気が非常に不安定で、長野市もあちこちで集中豪雨が起きています。晴れ間が出るのは午前中の2,3時間だけ。昼頃には雲行きが怪しくなって雨も落ちてきます。そんな中での撮影でした。毎日、雨雲レーダーを見ながら動いています。

 ミドリヒョウモン(緑豹紋)タテハチョウ科ヒョウモンチョウ属。前夜にもの凄い豪雨があったので、地中にしみ込んだ水を吸っていました。

 人の気配に敏感で近づくとすぐに逃げてしまうので、非常にゆっくりと動いて撮影します。望遠マクロではなくマクロレンズなのでかなり接近しないと撮影できません。視界に入りにくい斜め後方から近づきます。後翅の両側が同じ形で欠損しているのは、何かにかじられた痕でしょうか。

 妻女山のあちこちでムラサキシキブ(紫式部)とコムラサキ(小紫)が咲き始めました。クマツヅラ科ムラサキシキブ属の落葉低木。写真はムラサキシキブで葉が大きく広い。コムラサキは葉が細く花の数が多い。紫色の実もたくさん成るので見栄えがいい。実は食べられますが美味しいものではありません。

 シオヤアブ(塩屋虻)ハエ目短角亜目ムシヒキアブ科シオヤアブ亜科。腹端(=交尾器)が黒く、腹部は黄褐色と黒のしま模様。オスの腹端には白い毛の束があるので、これはメス。葉や小枝の上でハエやアブ、チョウなどを待ちかまえ、襲って体液を吸い取るアブ。時には自分より大きな昆虫も襲います。ゼフィルスの天敵のひとつ。

(左)オカトラノオ(丘虎の尾)。群生地は青海波の様に綺麗です。(右)イチヤクソウ(一薬草)。前はイチヤクソウ科でしたが、新しいAPG植物分類体系では全てツツジ科。
APG植物分類体系とは:旧い分類法の新エングラー体系やクロンキスト体系がマクロ形態的な仮説を根拠に演繹的に分類体系を作り上げたのに対して、ミクロなゲノム解析から実証的に分類体系を構築するものであり、根本的に異なる分類手法である。(wiki)

 ヒヨドリバナ(鵯花)。はキク科の多年草。。アサギマダラが吸蜜するのが見られます。環境省の特定外来生物および要注意外来生物には指定あるいは選定されていません。右下に極小の昆虫がいますね。

(左)陣場平の貝母。枯れて弾けたものや、まだ実が青いものもあります。(右)ハハコグサ(母子草)キク科ハハコグサ属の越年草。別名はゴギョウ(御形)、ホオコグサ(這子草)、ブツジグサ(仏耳草)、ソジ(鼠耳)、モチバナ(餅花)など。春の七草の一つ。止まっている昆虫の右胸にアカケダニが付いています。

(左)ネンジュモ属に属する陸棲藍藻の一種、藍藻類のイシクラゲが大発生していました。これは炊き込みご飯や味噌汁、卵炒めなどにして食用になります。(右)ドクベニタケ(毒紅茸)ベニタケ科ベニタケ属。近縁種が多く肉眼での同定が難しいキノコです。傘はやや粘性があり、薄くはがれます。食べたことはないのですが、強烈な苦味辛味があるとか。

(左)イオウイロハシリグモ(硫黄色走蜘蛛)。模様や色の個体変異が激しい。網を張らないくもですが、雌は卵嚢を口にくわえて運び、孵化が近づくと草間に籠上に張った網のようなものを作ります。写真左上の葉裏のものが卵嚢でしょうか。(右)ヒラタシデムシ。鞘翅目シデムシ科 。体が平べったいシデムシで、センチコガネなどと同様、昆虫の死骸を食べる森の掃除屋さん。

 クダホコリ(管埃)ドロホコリ科 クダホコリ属 。粘菌(変形菌)です。最初は淡いピンクで濃くなり、だんだん黄土色に変わっていきます。希に紫になるものもあります。子実体形成まで時間がかかるため、ピンクまたは紅色の未熟体がよく観られます。子実体の高さは約5ミリ。粘菌は拙書でもエッセイで3ページの記事を載せています。南方熊楠に関する文章も。
私の粘菌(変形菌)図鑑。YouTubeの粘菌スライドショーのリンクもあります。粘菌好きは必見!

(左)クダホコリの中になにか昆虫がいます。ベニボタル科の虫やテントウムシの幼虫が、粘菌を食べに来ます。(右)フサヒメホウキタケ(房姫箒茸)フサヒメホウキタケ科フサヒメホウキタケ属。梅雨時から秋にかけて針葉樹の倒木上に発生。大きいものは高さ15センチぐらいになります。毒キノコではないようですが、辛味があるようで不食。

 翌日は曇り空。前夜にまた豪雨がありました。買い物の前に林道倉科坂線を歩いてみました。お!ニホンカモシカ。気付かれないように草に隠れて後をつけます。マクロレンズなのでなるべく近づきたい。15mぐらいで気配とわずかな足音で振り向きました。手を振り気を引きながら近づきます。角も体も小さいので、昨年夏に生まれた子供でしょう。この後動いたら左の急斜面に飛び降りました。帰郷して13年目。マダム、シロ、ブランカとメスは代々すべて双子を生んできました。この個体はブランカの仔かまたはその娘の仔なのか。

 千曲川対岸の東福寺の堤防上からの妻女山山系。川中島合戦に登場する山名が並びます。妻女山(旧赤坂山)、斎場山(旧妻女山:円墳)最初の謙信本陣。陣場平は謙信が七棟の陣城を築いたと伝わる台地。私が仲間と貝母を保護しているところです。妻女山山系は川中島合戦の舞台であり、古代科野国の聖地でした。ハイカーだけでなく歴史マニアもたくさん訪れます。来週は本格的な梅雨模様になりそうです。生物学や歴史や民俗学の研究をしようと思います。

 粘菌の怪しく美しいマクロの世界にあなたを誘います。決して特別なものではなく、梅雨の雨上がりの庭や公園の倒木や切り株でも見られます。探してください。きっと虜になります。
【信州の里山】妻女山の変形菌(粘菌)その1 Japanese Myxomycetes vol.1

【信州の里山】妻女山の変形菌(粘菌)その2 Japanese Myxomycetes vol.2

【日本の里山】森の変形菌(粘菌)Japanese Myxomycetes

BGMは、私が大好きなエリック・サティです。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ルリタテハ、コミスジ、ウラナミアカシジミ、ヒメウラナミジャノメ、ダイミョウセセリ。蝶の季節(妻女山里山通信)

2021-06-22 | アウトドア・ネイチャーフォト
 今年はゼフィルスの出現が遅く数も少なめ。セミの鳴き声も少ない。カッコウも例年の様に煩くない。サンコウチョウはよく聞きますが、ホトトギスの声が聞こえません。なにかおかしい。気になります。

 ルリタテハ(瑠璃立羽、学名 Kaniska canace)テハチョウ科。瑠璃色(ラピスラズリ)の翅が美しい蝶。成虫で越冬し、妻女山ではヒオドシチョウと共に春を告げる蝶です。幼虫の食草はサルトリイバラ、ヤマガシュウ、ウバユリなど。幼虫は黒にオレンジの模様で、白いトゲトゲが全身を覆う派手な出で立ちです。

 コミスジ(小三條、学名 Neptis sappho)タテハチョウ科。食草はクズ、ヤマフジ、ニセアカシアなどマメ科の植物。人の気配に敏感で今まで撮影できませんでした。激しい縄張り(テリトリー)争いで翅がボロボロです。オスでしょうね。右の翅の欠損は、ニホンカナヘビに襲われた痕かも知れません。

 ウラナミアカシジミ(裏波赤小灰蝶)。食草はコナラやクヌギ。幼木を好むのでそれを切られてしまうと減少します。伐採と萌芽更新によって維持されてきた薪炭林と深い関係にあります。里山が荒廃することで絶滅危惧種になっている地方もあります。アカシジミも一頭確認しましたが撮影できませんでした。

 体長6〜7ミリの小さな蜘蛛。思い出せなかったのですが、ハエトリグモの仲間だろうと検索したらすぐに分かりました。マミジロハエトリバエ(目見白蠅捕蜘蛛)のオス。日当たりの良い葉の上で小さな昆虫を狙います。この時は、ヒメギスの幼虫を捕食しようとしていました。捕獲用の網を張らず、歩き回りながら獲物を狩る徘徊性のクモです。

 緑濃い長坂峠。鞍骨山から十日町市から来られた20人ほどのハイカーが下りてきました。象山から登ってきたというので、そんなマイナーなコースどこで知りましたと聞いたら本ですと。拙書を見せたらそれです!と。著者ですと言ったら凄く驚かれました。こういう出会は結構ありますが嬉しいですね。県外の読者も結構多いのです。信州の里山は人気ですね。

 翌日。日向ぼっこするダイミョウセセリ(大名挵、学名 Daimio tethys)セセリチョウ科 チャマダラセセリ亜科。幼虫の食草はヤマノイモ科のヤマノイモ、オニドコロなど。終齢幼虫は落ち葉の中で越冬し、春になるとそのまま蛹化・羽化します。

 ヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)。翅の裏の波型の模様がよく見えます。逆光に透けた翅がなんとも美しい。

 ヒメギス(姫螽蟖)のオス。虫や植物などを食べる雑食性。ずっと小さな幼虫が周りでたくさん見られました。

 甲虫を捕らえて体液を吸うオオイシアブ。毛むくじゃらの体が特徴で体長は20ミリほど。なんか昆虫界の仙人か野武士という風情。捕らえられたのはゴミムシの仲間。

 ハルジオンで吸蜜するのは、ホソヒラタアブのオス。別名はマーマレードハナアブ。幼虫はアブラムシを食べます。頻繁に吸蜜の花を替えるので、シャッターチャンスはたった一回でした。複眼が上部で接しているのでオスと分かります。

 イチヤクソウ(一薬草)。別名は 鹿蹄草(ろくていそう)といい生薬。 薬効は急性腎炎、膀胱炎、妊娠時のむくみなど。妻女山山系では貴重な花です。周りを見ても4株しかありませんでした。

(左)イオウイロハシリグモ(硫黄色走蜘蛛)キシダグモ科。チョウやアブを捕食します。網を張らないクモ。雄が捕らえた獲物を雌に贈る「求愛給餌」をすることでも知られています。雌は卵のうをくわえて歩き、子が生まれるようになると粘らない網を張って幼稚園ともいえる「まどい」を作ります。外敵の侵入があると蜘蛛の子は一斉に逃げます。いわゆる「蜘蛛の子を散らす」というあれです。(右)クマノミズキの花が咲き始めました。色々な種類の虫たちが吸蜜に訪れます。

 マダラアシナガバエ(斑脚長蠅)のオス。体長5〜6ミリ。見ようとしないと見えない昆虫です。自然界の中にはこういう極小の生き物や植物、菌類などがいますが、すべて大切な宇宙船地球号の乗員です。

 妻女山から松代方面の眺め。一番奥に拙書でも紹介の根子岳と四阿山。右手前に立石山。その手前は皆神山。その手前は象山。左端に江戸時代は城内が見えるため庶民は登れなかった離山。前日に息子が峰の原高原から根子岳に登りました。このコースは拙書では載せていませんが、ブログでは紹介しています。ミヤマモンキチョウでブログ内検索してください。ミヤマモンキチョウは県の天然記念物です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ヒメウラナミジャノメ、イチモンジチョウ、ウラゴマダラシジミ。蝶の季節(妻女山里山通信)

2021-06-19 | アウトドア・ネイチャーフォト
 梅雨の晴れ間に妻女山山系へ。ウスバシロチョウが姿を消してしばらく端境期でしたが、そろそろ新しい蝶の季節です。前夜に激しい雨が降った翌日の午前中は湿度が高いため、蝶は地上付近に下りてきません。二日目の晴れの午前中を狙います。

 まずヨモギで日向ぼっこするヒメウラナミジャノメ(姫裏波蛇目)と邂逅。少し日向ぼっこをしたらフワフワと舞い別の葉へ。タテハチョウ科ジャノメチョウ亜科。食草はイネ科のススキ、チヂミザサなど。

(左)砂利の上のヒメウラナミジャノメ。翅の裏が波模様です。(右)小さなハルジオンの花で吸蜜するのは、更に小さなアカガネコハナバチ。コハナバチ科のハチは、種類も多く同定が困難です。ややピン甘の横向きのカットからそう同定しました。全体が金属光沢。土の中に巣を作り、地中の花粉ダンゴで幼虫を育てます。

(左)林道入口の登山ノートの箱の下に、N氏が地図を付けてくれました。斎場山、陣馬平、天城山、鞍骨山への行き方が分かります。(右)宙吊りになっていたコナラを蔓を切って落としました。100キロ近くあるので大変危険でした。最後の蔓を切り落とすとドサッと落ちました。その後の蔓の処理のほうが手間がかかって大変でしたが、これで安心して通過できます。

(左)オカトラノオが咲き始めました。(右)そろそろオオムラサキも羽化するので、樹液が出るようにコナラの木に傷をつけました。昔のように薪を取るために枝を切ったりしないので、自然に出る樹液だけでは昆虫の餌が足りません。この傷をオオスズメバチやミヤマカミキリなどが更に深く穴を開けて樹液が出る様になります。

(左)セリバオウレンの葉も艶々しています。(右)ネムノキ(合歓木)も蕾が出ています。7月にはピンク色の美しい花が咲きます。

 イチモンジチョウ(一文字蝶)アゲハチョウ上科タテハチョウ科。幼虫の食草は、スイカズラ科のスイカズラやタニウツギ、ヤブウツギなど。妻女山山系のものは、オレンジ色の斑紋があるのが特徴です。

 4月は満開の貝母(編笠百合)で、大勢の人が訪れた陣場平。現在も蝶や鳥を撮影に来る人、歴史マニア。ハイカーが訪れます。サンコウチョウやシジュウカラなどのさえずりが聞こえます。クロメマトイが煩いのでタオルを振り回しながら。

 陣場平中央にある苔むした倒木。苔の胞子嚢が見えます。

(左)小枝の上で休むのは、コジャノメ(小蛇目)。ヒメジャノメと似ていますが、白色帯が大きな蛇の目のところで曲がっています。幼虫の食草は、アシボソ、チジミザサ、ススキなど。(右)ウラゴマダラシジミがあちこちで散見されます。幼虫の食樹はイボタノキ。林道整備の時に、こういう食樹や食草を切らないでください。コナラや山桜の幼木やクララなどです。

 ウラゴマダラシジミ(裏胡麻斑小灰蝶)シジミチョウ科ミドリシジミ亜科。かなり近づいても逃げないので、望遠マクロからマクロレンズに取り替えて最接近して撮影しました。美しい。

 やや大型のシジミチョウで、翅の裏の縁に沿って二列の黒胡麻状の紋があり、それが名前の由来です。

 昼は堂平大塚古墳のログハウスを借りました。左向こうに篠山が見えます。北アルプスは中腹だけ見えます。いろんな種類の小鳥のさえずりが聞こえます。

(左)ベニボタル科の一種。初めて見た種類です。生息地は分かったので、いいカットを撮影したいですね。(右)昼食は、フォッカッチャにとんかつソースとオリーブ油を塗り、メンチカツ、ポテトサラダ、トマトを。マヨネーズとマジックソルトで味付け。ルイボスティーを飲みながらいただきました。

 温泉に入って直売所で淡竹の筍を購入。親戚の山に行けばいくらでも採れるのですが、ずくがなくそんなに数もいらないので。サバの水煮缶詰と玉ねぎとで味噌汁を。上部にあるのは豆乳おからパウダー。右のご飯は、枝豆と塩昆布で和えて。味変にはねり梅を加えます。これはおにぎりにしても馬鹿旨です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サンコウチョウのさえずりの下で貝母の球根の移植作業・除草作業。登山ノートボックスの再設置(妻女山里山通信)

2021-06-14 | アウトドア・ネイチャーフォト
 梅雨に入りそうで入らない週末。妻女山の陣馬平で貝母の球根の移植作業を行いました。貝母は枯れて倒れ始めましたが、写真の様にまだ立っているものもあります。サンコウチョウが「月日星ホイホイホイ」と盛んに鳴いています。あと10日もすれば、オオムラサキも舞い始めるでしょう。

 オオブタクサやハルジオンは、かなり除去したので少ない。その代わり、在来植物のアカネ(茜)が増えました。根が赤色の染料になり古代から使われてきました。アカネの染め物は、4つ前の記事。国宝「火焔型土器」と超有名な重文「遮光器土偶」が国内初共演:十日町市博物館(妻女山里山通信)で、ご覧いただけます。
「あかねさす 日は照らせれど ぬばたまの 夜渡る月の 隠らく惜しも」柿本人麻呂
 天武天皇の有力な後継者と目されていた草壁皇子(母は鵜野皇女、のちの持統天皇)が早逝したのを 悼み詠んだ長歌の、反歌2首のうちの1首。
「あかねさす 昼は物思ひ ぬばたまの 夜はすがらに 音のみし泣かゆ」中臣家守
 勅命により、妻の蔵部女嬬狭野弟上娘子との仲を引き裂かれ、遠国に流された中臣家守の歌。

(左)周囲から球根を彫り出して、空いているところに植えていきます。球根は白く、下にひげ根がたくさんあります。(右)実も枯れてきました。割れてもう少しで弾けそうなものも。東風が吹くと西へ、無風だと真下に落ちて発芽します。

(左)月の輪熊の糞かと思ったのですが、ピンポン玉ぐらいの糞がつながっているので猪の糞ですね。種がたくさん見えるので、木苺か野イチゴを食べたのでしょう。(右)蕗の葉があちこちで葉脈だけになっています。よく見ると小さな幼虫が。ハバチの一種ですね。可愛い。息子達が小さい頃見ていた「ニャッキ」を思い出します。

 その後、陣馬平下のギャップの除草。ハルジオンなどはなかなか根絶できません。除草で、センニンソウなどが増えるといいのですが。

 妻女山の駐車場から陣馬平へ向かう途中の、蔓に絡まって宙吊りになったコナラの倒木。危険なので放置していましたが、誰かが切ってくれました。何人か思い浮かぶ人はいますが。よく切りましたね。右下は宙吊りの状態。一番低いところを、軽トラの荷台に乗って切ったのでしょう。チェーンソーだと速く切れすぎて危ないので、あえて手鋸で切ったのでしょうか。まだ、処理が必要なので、梅雨の晴れ間にやりましょう。

(左)移植作業や除草の前に、林道入口の根本が腐った登山ノートボックスを修理しました。N氏がアルミの支柱を付けてくれました。土中をコンクリートで固めたので、頑丈です。地図を貼るケースは、新しいものを制作中です。登山ノートは情報収集に役立つので、見たことや感想を書いてください。(右)石仏の覆屋が雨の跳ね返りで土だらけになってしまったので、掃除して、周囲にはね防止の砂利を敷きました。

 妻女山展望台裏のヤマホタルブクロの花。すでに残花になったものも。ケサランパサランが見えます。

 妻女山展望台裏の四阿から見る北アルプスの白馬三山。里山の緑も濃くなりました。栂池高原では、ミズバショウが満開の様です。7月になると、水の濡れると透明になるサンカヨウが咲きます。当ブログでも記事にしています。
栂池自然園へ。濡れるとガラス細工の様に透明になるサンカヨウを求めて(妻女山里山通信)

 妻女山展望台(旧赤坂山)から北の眺め。千曲川の右岸では、台風19号で堆積した土砂の運び出しが行われています。展望台の周りのソメイヨシノの桜ん坊が真っ赤になっています。蒸し暑い中での作業で汗だらけになったので、温泉に向かいます。6月14日、気象庁から甲信越が梅雨に入ったようだと発表されました。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

サンコウチョウが鳴き、コジャノメやウスバシロチョウが舞う陣場平。山菜パスタ二種(妻女山里山通信)

2021-05-30 | アウトドア・ネイチャーフォト
 久しぶりに陣場平へ帰化植物の除去に登りました。林道入口で若いカップルに邂逅。陣場平のことを話すと行きたいですというので、乗ってもらって行きました。貝母や菱形基線測点の話や、植物や昆虫の話などもしました。ハルゼミとエゾハルゼミが鳴き、サンコウチョウの鳴き声も聞こえました。

 陣場平の貝母は枯れていますが、実はまだ緑です。実は枯れるとさく果といってホウセンカのように種を弾き飛ばします。その時にたいてい東風(こち)が吹くので、貝母は西へ増えていったのです。

(左)貝母の実に蜘蛛が巣を作っていました。右奥にいるのは餌ではなくて子供の蜘蛛でしょうか。(右)コジャノメ(小蛇目)。ヒメジャノメと似ていますが、よく見ると違います。妻女山山系には両方いるので、注意しないと間違えます。さらにヒメウラナミジャノメというのもいます。コミスジもいましたが、撮影させてくれませんでした。サナエトンボも飛び始めました。

 ハルジオンで吸蜜するウスバシロチョウ。ハルジオンは有害帰化植物なので除去したいのですが、今の時期はウスバシロチョウが吸蜜できる花はこれだけなので、最小限を残してあります。アザミ類が咲き始めたらすべて除去します。

 マドガ(窓蛾)。日本中で見られる小さな蛾です。ハルジオンのはなと比べてもこんなに小さい。でも大切な宇宙船地球号の乗組員です。自然に不要なものは、ありません。あるとしたらそれは人類が作り出した放射能や人工電磁波や環境ホルモン、ネオニコチノイド農薬、食品添加物などです。

 ミヤマウグイスカグラ(深山鶯神楽)の赤い実。甘くて美味しい山の恵です。

 妻女山松代招魂社。疫病退散の旗が。6月末には、オオムラサキが舞い始めます。この日は、若い狐に遭遇しました。

(左)ヒレアザミ(鰭薊)が咲き始めました。茎には幅の広いひれがつき,その縁にも刺が生えています。(右)ナワシロイチゴ(苗代苺)。田植えの頃に咲くのでこの名前があります。赤い実は食べられます。

(左)山菜のパスタ二種。まずはワラビとサーモントラウトの塩糀パスタ。味付けは、塩麹に和風出汁少しと本味醂。ワラビのぬめりがたまりません。今回は、ワラビのぬめりと相性が良さそうなフジッリを使いました。(右)ヤマウドとワラビのアンチョビーパスタ。アンチョビーの塩味で充分です。和風出汁少しとこれも本味醂少々。天然の山菜は、栽培野菜とは比べ物にならないくらい、成分も味も濃いので、食べすぎには注意を。今年も山菜三昧でした。山蕗、コゴミ、タラの芽、ハリギリ、コシアブラ、モミジガサ、アイコ、ノビル、ヨモギ、山椒(若芽と実)、ウド、ワラビ、根曲がり竹、淡竹をいただきました。

 山菜を使ったもう一品。豚バラ肉の塩麹蒸し。塩麹は手作りです。塩麹に紹興酒と牡蠣ソースを塗って5日ほどねかせて蒸しました。カブ、根曲がり竹、ヤマウドは、塩麹と和風出汁を少し。40分ほど蒸します。豚バラ肉は、脂が程よく落ちて旨みたっぷり。ご飯はもちろん、ピタパンや花巻に挟んでも美味です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

菅平高原へワラビとウドを採りに。カッコウ、ホトトギス、ウグイスがBGM(妻女山里山通信)

2021-05-27 | アウトドア・ネイチャーフォト
 午前10時前に到着。すでに両隣のゲレンデには、何人もの人がいました。翌日が雨なので、今日は人が多いだろうと予想しましたが、その通りでした。当日の菅平の最低気温は、なんと0.8度。用心して少し重ね着をしてきました。車はゲレンデ最下部の空き地に止めます。農道は作業車が通るので駐車不可です。

 正面に左に根子岳、右に四阿山。両山とも拙書で紹介しています。マツムシソウやマルバダケブキなど花の山。県の天然記念物、ミヤマモンキチョウも生息します。以前の記事で載せています。

(左)チャンピオンコースを登ります。誰もいません。そうなんです、このゲレンデはウドが少ないのです。皆それを知っていてここには来ないのです。ウドやワラビはどこにでもあるわけではなく、知らないとほとんど採れません。なのでリピーターがほとんどです。(右)上級者コースなので傾斜がきついです。昨年採った場所を思い出しながら、休み休みジグザグに登ります。

(左)こんな急傾斜です。森の中にもワラビが。実はコシアブラもありますが採る人はいません。(右)リフト降り場にやっと到着。小屋のあるところが山頂です。正面のゲレンデは、急過ぎていつも登りません。ここでニホンカモシカに遭遇したこともあります。

(左)回り道になりますが、林道を登ります。(右)三人の女性がもの凄い急斜面をウドを採りながら登ってきます。ここまで登ってくる人はほとんどいません。林道へ登る斜面は、四つん這いでないと登れないほど。

 山頂近くのリフト降り場からは、北アルプスと善光寺平が望めます。私が仲間と保護活動をしている貝母の群生地がある妻女山の陣場平も見えます。妻女山展望台からも、大松山の三角の山容が見えます。

(左)キジムシロ(雉蓆・雉筵)の花があちこちで見られます。(右)山頂の北側の縁にあった掌状複葉で赤い花の樹木。樹高は、5mぐらい。なんでしょう。調べたのですが不明です。

 山頂の小屋の前で手作りサンドイッチで昼食。眼下に高原野菜のマルチが光っています。カッコウ、ホトトギス、ウグイスがBGMです。例年なら、麓のグラウンドからサッカーやラグビーの練習の声が聞こえるのですが、皆無です。誰もいません。吹き上げてくる風は、少し肌寒いほど。

(左)望遠レンズで根子岳の山頂を撮影。人影が見えます。(右)四阿山の山頂。手前は、爆裂火口壁。

 山頂近くのウド。ここまで大きいと普通は食べません。山頂の方が成長が早いのです。富士山が見えたのですが、黄砂の影響でしょうか、霞んでいました。

(左)浅間山。噴煙は見えません。外輪山の黒斑山を拙書では載せています。(右)これも拙書で紹介の烏帽子岳。花の山です。

(左)有害帰化植物のハルザキヤマガラシ。あちこちの里山や堤防で見られる困った外来植物です。(右)イタドリ(虎杖)の群生地。タデ科ソバカズラ属の多年生草本。若芽は山菜です。2mぐらいになります。

 白樺の林。白樺ジュースは、土産物屋や道の駅で買えると思います。大松山も花が多く、拙書では、ズミ、ミヤマザクラ、レンゲツツジ、シシウド、ツマトリソウ、スズラン、アマドコロなどを載せています。久しぶりの急登ですが、実際は下りの方が問題です。膝に来ます。山頂まで登る人がいないのも頷けます。結局この日は、ほかの採集者とのニアミスはありませんでした。

(左)ヤグルマソウ(矢車草)の群生地があります。ユキノシタ科ヤグルマソウ属の多年草。(右)オオアマナの群生もありました。ハナアブの一種が吸蜜しています。

(左)帰りは上田方面へ。菅平ダム。前回ダムカードをいただきに来た時は、修理中でダム湖の水は抜かれていましたが、満水です。温泉で疲れを癒やして帰宅です。(右)今回の収穫。ウドはまず天ぷらで。残りはジップロックに入れて保存。ヌタやパスタでいただきます。ワラビは、熱湯に重曹とニガリを入れて、一晩置いてアク抜きをします。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

妻女山山系で乱舞する氷河期の生き残りウスバシロチョウ。貝母の実もすくすく。実山椒と山蕗の煮物(妻女山里山通信)

2021-05-23 | アウトドア・ネイチャーフォト
 久しぶりに晴れたので、妻女山の陣馬平へ登りました、結構雨が降ったので徒歩で。倒木や落枝もありました。ウスバシロチョウがあちこちで乱舞していました。山登りの人も何人か来ました。いい季節です。ウスバシロチョウは、ギフチョウやヒメギフチョウと共に、氷河期の生き残りといわれる蝶です。

 ハルジオンで吸蜜するウスバシロチョウ。ハルジオンは、環境庁の有害帰化植物100選ですが、この時期ウスバシロチョウが吸蜜できる花はこれぐらいなので、陣場平下のものはある程度残しています。ただ、貝母群生地のものはすべて抜きます。悩ましいところです。

 ハルジオンのどこの部分を吸うのか、このカットでよく分かります。6月になるとアザミが咲くので、仲間を集めてハルジオンは除草します。今日はブタクサも引き抜きました。里山で帰化植物の問題は、非常に重要なのです。松枯れ病の農薬空中散布は、生態系の破壊です。人的被害も出ています。絶対に許してはいけません。松枯れ病の真の原因は、排気ガスです。当ブログでも何度も記事にしています。

 陣場平の貝母(編笠百合)は枯れ始めていますが倒れてはいません。倒れているのは、私が周囲から移植した株です。サンコウチョウの鳴き声がします。まだ、月日星だけですね。最後のホイホイホイがありません。ハルゼミとエゾハルゼミが鳴いています。結構な雨が降った割には湿度が低くて快適です。今日は、カッコウの鳴き声はなかったですね。

(左)貝母の実はずいぶんと大きくなりました。(右)ハナヤスリの胞子嚢も随分と大きくなっています。

(左)貝母の群生地の中央にあるクマノミズキの蕾(つぼみ)。(右)ミヤマウグイスカグラの実。甘くて美味。子供の頃の山でのおやつでした。

(左)ギンラン(銀襴)の残花。ほとんどは既に散っています。(右)絶滅したと思っていたオオアマナ(大甘菜)の花が咲いていました。明治時代に入った帰化植物が野生化したものの様です。別名は、ベツレヘムの星。毒草です。

 休憩は堂平大塚古墳のログハウスで。篠山が見えます。ふと足元を見ると、羽蟻でしょうか、大量に羽化しています。渓流釣りをする方なら分かると思いますが、スーパーハッチです。物凄い数の羽虫が沸き立つように飛び去っていきます。

(左)長坂峠のエノキ(榎)。オオムラサキの幼虫の食草です。昨年は発生が極わずかでした。今年は大発生を期待します。(右)クサフジ(草藤)。田んぼの畦道や畑にあると雑草ですが、里山ではウスバシロチョウが吸蜜する野草です。

(左)山椒の実。まだ摘むには小さいですね。6月上旬になったら摘んで、縮緬山椒を作ります。私はコウナゴ(小女子)と薄味で煮物にします。馬鹿旨です。(右)ガマズミも実が成り始め。今年こそ秋にルビー色のガマズミ酒を作ろうと思います。抗酸化作用が強く、老化防止になります。ザラメや氷砂糖は体に悪いので使わず、飲む時に蜂蜜を加えます。料理にも砂糖や三温糖は使いません。サトウキビ100%のきび砂糖を使います。

 長坂峠から下る途中にコナラの倒木。ミツバアケビ(三葉木通)のつるで、かろうじて落下していません。これの処理は非常に困難です。林業関係のプロの息子に相談してみようと思います。

(左)落葉松の松ぼっくり。緑の松ぼっくりは見ることは稀ですね。豪雨と風で落枝したのでしょう。(右)リョウメンシダに桐の花が。自然が作ったフラワー・アレンジメント。

(左)林道のあちこちで散見されるナルコユリ(鳴子百合)。根を乾燥させたものを黄精(おうせい)といい、滋養強壮としての生薬です。小林一茶がこの酒を愛飲していたことでも有名です。(右)え! これウスバサイシンですか!? 妻女山にはないと思っていたのですが。ならヒメギフチョウも? でも違う気がします。よく見るとつる植物でした。違いますね。

(左)タケニグサ(竹似草)。毒草です。黄色い液に触れるとかぶれます。江戸時代は、これを便所の除虫に使ったとか。(右)クサノオウ(瘡の王)。これも毒草です。妻女山には、近隣の小学生が遠足に来るのですが、道すがらこれに触っている児童を見たので、先生に助言したことがあります。その時に拙書を見せたら子供達にお話をと言われて拙書の写真を見せながらお話したことがあります。

 妻女山松代招魂社の境内には、ニガナ(苦菜)の群生地があります。その名の通り苦い植物です。薬草ですが毒草です。

 松代方面の眺め。左に拙書でも紹介の奇妙山。右奥に、左に根子岳、右に四阿山。両山とも拙書で紹介しています。里山ではなく亜高山ですが、真田とも深い関係にある山です。

 西に茶臼山。中腹に茶臼山自然植物園とレッサーパンダで有名になった茶臼山動物園が。右奥には、これも拙書で紹介の神話の山、虫倉山。神城断層地震で山頂が4割ほど崩壊してしまいました。北アルプスは雲の中でした。最高気温は23度ですが、思いの外湿度が高くなかったので快適な山歩きでした。出会った人達には、淡竹の筍を食べに親子連れの熊が鏡台山から来ているのを目撃されているので、手を叩いたり大声を出してくださいと知らせました。基本的に熊は臆病で警戒心が強いので、遠くからこれからそっちへ行くよと知らせてあげることが大事なのです。

 妻女山里山デザイン・プロジェクトのメンバーのN氏が作ってくれた登山ノートのボックスの根本が腐って倒れてしまいました。もちろん防腐剤を塗ってあるのですが、沢筋なので駄目だったみたいです。早急に対応策を練らないといけませんね。

 二日後、ウスバシロチョウは更に増えました。妻女山山系のあちこちで舞っています。交尾をせがむオスの姿も見られました。交尾をするとオスはメスの腹部にフクラギスというラベンダー色の貞操帯を付けます。

(左)例年より早く実山椒が成りました。実山椒は一度だけ茹でこぼし、水、酒、本味醂、醤油で、苦味のある小女子と煮物にします。ビリビリとする痺れ感がたまりません。アツアツご飯に乗せると馬鹿旨です。(右)山蕗は、身欠き鰊と煮物に。これも一度だけ茹でこぼします。やや固くなってきましたが、毎日煮込むと柔らかくなります。両方とも山と海の恵み。市販品のように食品添加物は一切使わず、自然の滋味を堪能します。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

花の聖山へ。北アルプス含め360度の大展望が魅力。ヒメギフチョウとの邂逅(妻女山里山通信)

2021-05-16 | アウトドア・ネイチャーフォト
 麻績村と長野市大岡(旧大岡村)に跨る聖山(1447.2m)へ。聖湖畔のレストランの西側の道を10分ほど登ると三和峠の登山口です。すでに三台駐車していました。県外ナンバーも。

(左)三和峠からは急登が二つ続きます。(右)20分ほどで風越山(1308m)。ここからは、あまり高低差のない快適な尾根道が聖峠まで約20分続きます。

(左)タチツボスミレ(立坪菫)の群生地があちこちで見られます。(右)ヒゲネワチガイソウ(髭根輪違草)ナデシコ科ワチガイソウ属の多年草。センボンヤリやセンブリと間違えそう。

 白樺も散見される気持ちのいい尾根道。まるで公園の散歩道の様。左(南側)は、麻績村へ下る急斜面。右(北側)は、なだらかな落葉松林と別荘地。北側と南側で植生が異なるのも面白い。里は、最高気温が26度の夏日ですが、ここは20度ぐらい。通り抜ける爽風が心地よい。

 ムラサキケマン(紫華鬘)の群生地もあちこちに見られます。毒草ですが、ウスバシロチョウの食草です。

 タネツケバナで吸蜜するツマキチョウ(褄黄蝶)のメス。モンシロチョウより一回り小型で、せわしなく飛び回っていました。

 ツボスミレ(坪菫)。スミレ科スミレ属の多年草。別名は、ニョイスミレ(如意菫)。花が1センチぐらいしかなく小さいので気が付かれないかも。アリが種を運んで増えるアリ散布植物です。種に付くエライオソームを餌とするために巣に運び、種を巣の外に捨てることが種蒔きになるのです。アリ散布植物は日本でもケマン属、スミレ属、オドリコソウ属、カタクリ属など広い分類群に渡ってみられ、約200種が分布しています。

(左)ウバユリ(姥百合)の若葉。ユリ科ウバユリ属の多年草。高さ1mぐらい。虫倉山や鏡台山で見られるオオウバユリは、たかさ2mぐらいになり、それは見事です。(右)5ミリもない小さな花。花びらが4枚でアブラナ科であることは分かりますが。種名が分かりません。コンロンソウでもないし、タネツケバナでもないし。

(左)聖峠。左は坊平コース。かつての「塩の道」で、松本街道が越えていました。右は聖山遊歩道で、こちら側にも登山口があります。ここからひと登りで山頂です。約20〜30分。(右)左(南側)に麻績村の集落が見えます。ウグイスの鳴き声。

(左)山頂へは、ジグザクに登ります。ニリンソウ(二輪草)の群生地。若葉は山菜ですが、猛毒のヤマトリカブトとそっくりで、隣り合わせに群生地があったりするので要注意です。(右)可憐なニリンソウの花。

(左)エンレイソウ(延齢草)。シュロソウ科エンレイソウ属の多年草。別名は、タチアオイ。 (右)エンレイソウの花。ミヤマエンレイソウ(シロバナエンレイソウ)も見られました。

(左)なんでしょう。見覚えがあるのですが思い出せません。なんとなくタデ科っぽいと思い調べると、クリンユキフデ (九輪雪筆)がヒット。タデ科イブキトラノオ属の多年草。(右)ウスバサイシン(薄葉細辛)。ウマノスズクサ科カンアオイ属に分類される多年草。ヒメギフチョウの食草です。生薬名は細辛で、めまい、冷え性、便秘などに。

 で、もしやと思っていたら目の前に春の妖精ヒメギフチョウ(姫岐阜蝶)が。準絶滅危惧種。6月〜7月頃蛹になりそのまま越冬します。春を告げる貴重な蝶。ウスバシロチョウと共に、氷河期の生き残りといわれます。捕獲は厳禁。

 タチツボスミレで吸蜜するヒメギフチョウ。結局5頭に邂逅。ただ吸蜜時間が短く、すぐに飛び去ってしまうので撮影は困難を極めました。

(左)ニリンソウではなく、猛毒のヤマトリカブト(山鳥兜)です。(右)フデリンドウ(筆竜胆)。リンドウ科リンドウ属に分類される越年草。ハルリンドウより更に小さいので、これも見落としがちな可憐な花です。

(左)撮影していたので1時間半もかかりました。山頂にはご夫婦が。妻女山の貝母も観に来たことがあるそうです。有り難いです。(右)昼は、ハムカツ、アボガド、目玉焼きのホットサンドを作ってきました。味付けはウースターソースとマヨネーズと岩塩。馬鹿旨です。

 聖山の最高なところは、360度の大展望。善光寺平と安曇野が見えます。北アルプスの絶景と蓼科山と八ヶ岳連峰、四阿山と根子岳。志賀高原の山々。このカットは、私がホームフィールドとしている妻女山山系。私が主宰する妻女山里山デザイン・プロジェクトが保護活動をしている貝母(編笠百合)の群生地がある陣場平も眼下に見えます。

 南を見ると、拙書の表紙に使っている子檀嶺岳。独鈷山も掲載しています。その間は、信州の鎌倉といわれる塩田平。右奥には清少納言が七栗の湯といったという別所温泉。修那羅峠には石仏群があります。

 右へ目をやると筑北村。水田が見えます。蛇行して松本へ続く長野自動車道。中央には古い善光寺街道が越えていた立峠があります。善光寺街道(北国西街道)が通り、江戸時代には、立峠の石畳を通って多くの信者たちが善光寺へ参詣に行きました。右奥には安曇野が霞んで見えます。

 西には北アルプスの仁科三山。五竜岳に見られる武田菱も、今年はGW前に消えてしまいました。手前の里山と向こうの山の間の谷には、犀川が流れ、長野と松本を結ぶ国道19号があります。信州新町の通行止め区間も、片側交互通行となって通れる様になりました。

(左)帰路でコハウチワカエデの花を撮影。(右)オオカメノキ(ムシカリ)の花も、あちこちで見られました。

 途中から望む聖湖と拙書でも紹介の三峯山。息子達が小さい頃に滑ったスライダーが見えます。右奥には、これも拙書で紹介の冠着山(姨捨山)が見えます。

 姨捨の棚田。向こうには千曲川と茶臼山、飯縄山が見えます。棚田としては全国で初めて国の名勝に指定され 日本の棚田100選にも選ばれています。浮世絵師の歌川広重の「信州更科田毎の月」は超有名ですね。姨捨駅のスイッチバックと、そこからの夜景は必見です。

(左)今回初めて使った「おにやんま君」。これを付けているとアブやハエ、ヤブ蚊が来ません。確かに効きますね。ただクロメマトイには効かない様です。(右)聖山は山菜の採取は禁止です。これは帰りの某里山で採取したヤマウド、モミジガサ(シドケ)、コシアブラ、ハリギリとホタルイカの野趣豊かなパスタ。絶品でした。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

アカネ、ギンラン、ホタルカズラ、シナノタンポポ、ツクバネウツギ、ラショウモンカズラ、シロバナオドリコソウ(妻女山里山通信)

2021-05-11 | アウトドア・ネイチャーフォト
 五月晴れといいますが、今年は一日中晴天という日がほとんどありません。そんなわけで、晴れが非常に貴重です。午前中だけ晴れということで妻女山の陣場平へ。日に日に貝母は黄色く枯れていきます。

 前日、親子連れの月の輪熊が目撃されたので、山鍬(ヤマクワ)の柄で木を叩いて大きな音を出しながら陣場平へ。出始めた淡竹の筍を食べに8キロ先の鏡台山から来るのです。ウスバシロチョウが随分と増えました。出始めたハルジオンとブタクサを除去していきます。里山保全は大変です。

 今までにないほどに実がたくさん付いています。来年以降が楽しみです。6月には、球根の移植作業もします。

(左)貝母の間に咲くミツバツチグリ。(右)中央にある大きなクマノミズキも蕾が出てきました。

 アカネ(茜)。アカネ科アカネ属のつる性多年生植物。根が茜色をしていて、草木染めの原料として有名です。生薬名を茜草(せんそう)といい、利尿、止血、通経薬として用いられます。
「あかねさす 紫野行き 標野(しめの)行き 野守は見ずや 君が袖振る」額田王(ぬかたのおほきみ):万葉集
天智天皇の妻である額田王に、かつての夫である弟の大海人皇子(おほあまのみこ)が隠れて求愛しているという意味深な歌。
「紫草(むらさき)の にほへる妹(いも)を 憎くあらば 人妻ゆゑに われ恋ひめやも」大海人皇子の返歌

 妻女山山系のあちこちでギンラン(銀襴)が咲き始めました。群生地というほどのものはなく、あちこちで散見される程度。極小さな花なので、注意して探さないと見つからないかも。

 ギンランは、ラン科キンラン属の地生の多年草。環境省の絶滅危惧II類。長野県の準絶滅危惧(NT)です。ある種の菌根菌や樹木と共生関係にあるため、移植や栽培は不可能です(菌従属栄養植物)。採取は厳禁。

 ホタルカズラ(蛍葛)。ムラサキ科ムラサキ属の多年草。ウスバシロチョウが吸蜜に訪れます。

 草丈が40センチぐらいあるシナノタンポポ。最高では、80センチのものも撮影したことがあります。花の下の総苞が反り返っていないのが特徴です。厳密には、DNAまで調べないと分かりませんが。

 ツクバネウツギ(衝羽根空木)。スイカズラ科ツクバネウツギ属の落葉低木。山蕗を採りに来たグループになんていう花か聞かれたので、教えてあげました。それ以外の花の名前も。これからアザミやイボタノキ、ハリエンジュなどが咲き、ゼフィルスやコミスジ、イチモンジチョウやセセリチョウなどが舞い始め、里山は賑やかになります。

 翌日は、陣場平で除草とヨモギの収穫。天日干ししてヨモギ茶にします。ヨモギは、制癌作用があることが認められています。昼に風が強くなったので温泉へ。その前に、拙書の扉にも使っている倉科の三滝へ。ここでレンズは持ってきましたが、一眼レフのボディを忘れたことに気づきました。オーマイガー! しかたなくiPhoneで撮影。右は山菜のアイコ(ミヤマイラクサ)。東北では人気の山菜ですが、信州人は食べないですね。癖がなく美味です。棘があるので採取にはゴム手袋が必須。

(左)三滝への入り口に、シロバナオドリコソウ(白花踊子草)の群生地があります。シソ科オドリコソウ属。ヒメオドリコソウの変種といわれますが、花は1センチぐらいあります。シロバナヒメオドリコソウとは別種でしょう。(右)ラショウモンカズラ(羅生門葛)。シソ科ラショウモンカズラ属の多年草。花冠の形を京都の羅生門で渡辺綱が切り落とした鬼女の腕にたとえたものといわれますが、京都の唐橋羅城門町に多く咲いていたからついたという説もあるそうです。

 倉科の最奥部から望む林檎畑の向こうに鞍骨城跡のある鞍骨山。いつもは北側から見ているので、南側からの眺めは新鮮です。左の高圧線鉄塔のところに二条の空堀があり、その右からが城内です。もちろん拙書でも載せていますが、ハイカーだけでなく、全国から山城マニアや歴女が訪れます。土豪清野氏の山城ですが、上杉景勝が布陣したと伝わる山城です。郭や石垣が残っています。妻女山駐車場から約90分。オススメの山城です。
 更に翌日は、試験的に貝母の球根の移植作業をしました。昨年は枯れてから移植したのですが、貝母の生命力の強さも分かって来たので、試験的に8株を周囲から中央に移植してみました。おそらく問題ないと思います。帰化植物のハルジオンやブタクサが出てきました。除去します。群生地のノイバラや山藤の幼木も除去します。カラコギカエデやクサギも群生地内のものは除去します。月末にメンバーを集めて移植作業をする予定です。里山は、何百年も人が手を入れて保全されてきたのです。放置しておいたら酷い藪になり真っ暗な鳥も昆虫もいない森になってしまいます。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

妻女山陣場平の貝母は結実。山蕗と山椒の若葉は採り時。ツツジが満開(妻女山里山通信)

2021-05-08 | アウトドア・ネイチャーフォト
 貝母(編笠百合)の群生地がある陣場平へ。太陽の光が強くなりコントラストが強くなりました。緑も随分と濃くなりました。ウスバシロチョウが何頭も舞っています。まだカッコウやホトトギスの鳴き声は聞こえませんが、下手くそなウグイスの鳴き声が聞こえます。

 花を観に来た人や、天城山(てしろやま)や鞍骨山へ登る人が訪れました。手前の丸太のベンチでボーッとするのもオススメです。三密とは無縁の快適な空間。

(左)貝母は、草丈に関係なく結実していないものから枯れていきます。(右)実の成長は早く、6月上旬には2センチ以上になります。葉先が枯れても茎と実は緑です。成長しきると枯れていきます。

(左)山蕗は成長して採り時になりました。(右)山蕗と山椒の若葉。仲間と栽培している原木椎茸。畑で栽培しているウド。長坂峠のヨモギ。右下に山蕗と煮物にする干しホタルイカ。山蕗をメインに、山椒の若葉と干し椎茸、昆布、酒と味醂と醤油、和風出汁で薄味の煮物にします。ヨモギの大きくなったものは、乾燥させてヨモギ茶にします。制癌作用があるといわれています。

 昼は、今は亡き山仲間のKさんのログハウスで。山藤と躑躅が満開です。最高気温は24度ですが、湿度が低く快適。緩やかな時間が流れていきます。

 上の四阿の先から望む仁科三山の鹿島槍ヶ岳。

 Kさんがどこかからもらってきた神社の参道に咲く躑躅(ツツジ)と八重桜。

 ログハウス後背の斜面に咲くヤマツツジ。

 陣場平の周辺や妻女山山系のあちこちで咲いています。この花の蜜は吸えます。

(左)絶対に吸ってはいけないレンゲツツジ。高原を彩る美しいツツジですが、猛毒です。庭木としては絶対に植えてはいけません。(右)シロバナが清楚で美しいリュウキュウツツジ。

 あちこちで山藤が満開です。和を代表する美しい花ですが、陣場平では樹木や貝母を守るために幼木の時に伐採しています。大木にも絡みつき、光合成を阻害し立ち枯れさせてしまうからです。一日で8センチも成長し、幹の直径が50センチにもなります。

 山を下りて温泉に向かう途中、千曲川越しに見る仁科三山。里山の緑も濃くなりました。中洲でカワウ(河鵜)が一羽佇んでいました。堤防には黄色い花が咲き乱れていますが、よく見ると菜の花ではなく、有害外来植物のハルザキヤマガラシでした。千曲川は水量が少なく、手前のさざなみが立っているところは、歩いて渡れると思います。犬ガ瀬と呼ばれた浅瀬はおそらくこの辺りかもしれません。バスフィッシングの人がいましたが、絶対にキャッチ・アンド・リリースをしないでください。在来種の魚が絶滅してしまいます。ブラックバスは、フライなどにすると美味しい魚です。

 『信州の里山トレッキング 東北信編』川辺書林(税込1728円)が好評発売中です。郷土史研究家でもあるので、その山の歴史も記しています。地形図掲載は本書だけ。立ち寄り温泉も。詳細は、『信州の里山トレッキング 東北信編』は、こんな楽しい本です(妻女山里山通信)をご覧ください。Amazonでも買えます。でも、できれば地元の書店さんを元気にして欲しいです。パノラマ写真、マクロ写真など668点の豊富な写真と自然、歴史、雑学がテンコ盛り。分かりやすいと評判のガイドマップも自作です。『真田丸』関連の山もたくさん収録。

本の概要は、こちらの記事を御覧ください

お問い合せや、仕事やインタビューなどのご依頼は、コメント欄ではなく、左のブックマークのお問い合わせか、メッセージからメールでお願い致します。コメント欄は頻繁にチェックしていないため、迅速な対応ができかねます。
 インタープリターやインストラクターのお申込みもお待ちしています。シニア大学や自治体などで好評だったスライドを使用した自然と歴史を語る里山講座や講演も承ります。大学や市民大学などのフィールドワークを含んだ複数回の講座も可能です。左上のメッセージを送るからお問い合わせください。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする