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建築を旅する

インテリアデザイン

2005-04-13 15:47:36 | Weblog
仕事でインテリアデザインをやり始めて、今年で8年。
すっかりベテランの仲間入りである。
アパレルから始まり、駅ビル、百貨店、レストラン、漢方薬局、インテリアショップ、デリ、フードストアーなどなど。
やったなあ。
建築と違って、そのスパンが短いので、とにかく現場が沢山あるのがいい経験になる。
建築だと、規模にもよるけれど、住宅でも年間平行して2~3つがいいところじゃないかな。
もしくは、2~3年同じ現場ってことも多いと思う。
しかし、インテリアは違う。

日本で言うところのインテリアデザインとは、ほとんどが商業空間のデザインだと思う。
以前は、百貨店がその中心で、その中に入る様々なショップのデザインがその中に含まれる。
近頃は、ホテルや住宅も十分デザインがされており、仕事の領域は広がっているが。

因に、インテリアだと、年間一人で全部違う業態でも、6店舗とか出来る。
多い人だと、10~20店舗はこなすだろう。
その場合は、さすがにそのうちの半分以上は多分展開物件と呼ばれる、チェーン展開のお店(例えば、スープストックみたいなショップ)。
デザインの立ち上げに力を入れて、業態開発がなされれば、その後は敷地と条件に合わせ調整業務になる。

デザイナー的には、出来れば展開物件というのは、最小限にとどめて、なるべく新規業態のデザインを開発したい。
しかし、事務所的には、運営上展開物件というのは非常にありがたい収入源となる。

インテリアデザインを志す人たちは、まず展開物件で現場を知って、そこから自分のデザインが起こせる新規物件をやるのがいいんではないかと思う。自分は行きがかり上、いきなりデザインだったから、誰か他のデザイナーのプレゼを見ずにやったので苦労した。忙しい事務所だったから、あまり面倒みてもらえない感じだったなあ。

建築を大学で学び、インテリアから建築に入って行こうと思ったけれど、実際には建築とインテリアはかなり分野が違う。
特に商業は経営が主なテーマだから、コストや仕上げなども制限が大きいし。
なにより、MD(マーチャンダイジング)の方向性でデザインのテイストも決まって来るし。
しかし、インテリアを経験することにより、商品知識も、売り方見せ方もわかってくるのは建築をやるにしても、イニシアチブになると思う。
人が何を感じ、何を求めるのかを知る事がマーケティングだし、それはこれからの公共性の高い建築や、個人住宅にとっても、顧客満足度という観点は重要なテーマだとおもう。
建築家の為の建築ではなく、顧客、すなわち一般の人々が中心となる建築でありながらも、クオリティーの高いもの。
ヤコブセンなどがその良い例であると思う。
そこを訪れる人のスタイルが空間をつくってしまう面白さがインテリアデザインにはある。

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