とんぼ玉

2008-04-02 09:00:38 | アート・文化

「興味はあるけどまだ手を出していないモノ(事)」。
たくさんあるんですが、先日、その一つに触れてきました。

とんぼ玉。仙台市内の工房を探しつつも保留にし続けてきてたんですが、先日、ham宅に世話になってた時に、都内にある彼女のお気に入りのショップに連れて行ってもらい、そこで製作体験もさせてもらえるということで…よりによって仙台に帰る日、帰る直前に飛び入りしてしまったのでした。

…計画の立てられない(笑)二人がお世話になったのは、高円寺にある「ばぶるす」というお店。

店内にあふれる魅惑的かつ奥の深いとんぼ玉に囲まれ、アーとかウーとか言いながら2匹は、さまざまな色のガラス棒の中から思い思いの色を選び(選ぶのも一苦労;)、お店の方に教わりつつ作成を開始。

したのですが。

むむむむむ難しい!
以下、hamの手元の一部始終をレポート。

まずは右手で持ったガラス棒をバーナーの火であぶって、ゆっくりと加熱する事しばし。
さらにガラスを巻き取る棒を左手に持ち、こちらも加熱。
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少しずつ溶け始めるガラス棒。落ちそうで落ちない飴のようなガラスを、任意の量棒に巻き取って、その後は左手でくるくると回転させ…

って、完全右利きの牛にこの作業は既に辛かったw(ここからか…;)
棒は常に水平に保ったまま回転させるんだけど、その動きがぎこちなさすぎて自分でも笑っちゃう程。

がんばってくるくるし続けてると、次第に球状になってきます。
そこへ、あらかじめ用意しておいた細いガラス棒をつかって、模様をつけていきます。

今回、牛とhamがやったのは、「線流し」という技法。
白くて細いガラス棒を右手で持って、溶かしつつ、バーナーの炎の程よい位置で、ガラスの塊に押し付けていきます。
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ただでさえぎこちない左手に加え、右手の細いガラス棒はぷるぷると震え、押し付ける位置に気をとられていると炎のベストポジションから外れてしまう。
押し付けたガラスの線は炎の中で切り、かつその後は左手をくるくる。

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…って、牛、いっぺんにそんなに沢山の事に注意できません(笑)
でも気をつけないと、ガラスの塊がいびつになったり、せっかくつけた白い線が割れてとれてしまったり。
まさに手に汗握り、必死。

全体に線をつけおわったら、さらにくるくるしつつ加熱。
そうすると、ゆっくりと、ゆっくりとガラスの玉本体と白い線が融合し始め、じき、玉の表面に線が流れ始めます。

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おおぉぉおぉ!
うわぁぁ、へぇぇぇ、すごーい、すごーーい!
思わず感嘆の声を上げるhamと牛。
これはモウ、シンプルに感動するのみであります。

程よくゆるりと線が流れたら、ちょっとずつ炎から出して冷却。
ここでも、赤黒く加熱されてたガラスの塊が、冷えてその色を表す瞬間に感動。
ひゃぁぁ。

その後は、砂の中に埋めてゆっくりと冷却します。

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ほっと一息。

とんぼ玉が冷えるまでの間、お店の中で紐やパーツを選び、作ったとんぼ玉をどんな風に使うか考えるんですが、ここでも2匹は、アーとかウーとか呻く事にw
前日の夜から考えてたというわりにやっぱり迷ってるhamと、シンプルに行こうと決めたわりにはただで済まそうとしない牛。
迷って悩んで選んで決められなくて、ああでもない、こうでもないと言いつつ、アドバイスしてくれるお店の方に「このパーツを使ってこの部分を…何とかしたいんですよぉ!」と訴える始末。
牛、何とかって何だよ何とかって;

ヘタに考えようとするから良くないのだ。
こういう時、こういうモノは、自分の直感と感性に任せるべきなのだ。
そう思った瞬間、それまで迷ってたパーツをすべて元に戻し(爆)、気合を入れて一つのパーツをつかんだ結果。

初めて作った、牛のかわいいかわいいとんぼ玉。
砂から出され、棒からはずしてもらって、紐を通して編んでもらって、ようやく。

All

で、できたぁぁ!
また地味な…といわれそうだけど、これでいいんです。
想像から創造される現実のものはシンプルであるほど作り手の本質と直結した起点となるものだと思うので。

Pin2

地の色は、真っ黒に見えるけど良く見るとわずかに透けてる。
イメージしてたものに結構近い出来。
紐の長さは調節できるようになっていて素敵。
わーいわーい♪

改めて見ると、「線をつける位置がこうだとこうなるのかぁ」とか反省点はイロイロあるものの、初めてだもんねぇ、と自分を納得させ…てたら牛、帰る時間じゃん!
時間無いくせに悩んでたもんだから、終いにはお店のかたのほうが時間に気を使ってくれて、hamの作品の仕上げを託したままお見送りしてもらったのでした。
どんだけギリまで粘るんだよw

とにかく。

Pin3

こういうモノ作りって、本当に楽しい。
初めてであればなおさら、純粋に感動して楽しめる。
「次はこんなふうに…」と考えている自分に気づいて、やっぱり1回じゃ済まさないのだなと苦笑しつつ。

ご指導いただいたお店のかた、ありがとうございました。
(っていうか、最初から最後まで切羽詰っててゴメンナサイ;)
そして、怒涛のように巻き込んで、数々の戦闘を共にくぐり抜けてくれるhamにも改めて…次は何しようねぇ?(笑)