もく窓

~良い映画と究極の手抜き料理を探して~  

笑の大学 (舞台版)

2007年07月22日 | 映画 TV・DVD
 お気に入り度:銅 出演:西村雅彦、近藤芳正 1998年パルコ劇場にて収録
面白すぎる!舞台版のほうがさらに可笑しいじゃないか。私は何回笑ったことか。
舞台版と映画版、軍配をどちらに上げるか私も一晩ゆっくり考えました。
で、先に、これを読んでるあなたの予想は、予想を聞かせてください!
(笑)西村雅彦さん風に読んで頂けたでしょうか。

面白かったですネ~。上手い役者さんの熱演を堪能しました。
西村雅彦さんが持つ独特の雰囲気と近藤さんの汗を流しながらの掛け合いは漫才のようであり映画版よりも笑わせてもらいました。机と椅子二つ、二人の役者さんだけでこんなに面白い舞台が出来るんですネ。
舞台版と映画版、セリフは全部同じです。それなのに味わいが違うんですね~。驚きです。

最後の召集令状の下りは舞台版でも映画版でも泣かされましたが、近藤芳正よりも映画版の稲垣吾郎のほうがよけい可哀そうだったのは何故でしょう。もちろん演出の違いがあるのですが稲垣君が近藤芳正よりも若かったからでしょうか。
向坂「生きて、帰って来い。お国のために死ぬなんて口にするんじゃない。君は自分で書いてるじゃないか。死んでいいのはお肉のためだけだ。」
椿「気に入ってくれたんですね。」
向坂「大好きなんだ。」
この会話は文字にすると一字一句違いがないですが、映画版では泣かされ、舞台版ではドッと笑いが起きています。この後、映画版はお辞儀をして帰ってゆく椿と見送る向坂で終わります。が、舞台版は向坂がまた脚本の手直し案を出します。

舞台版には映画版でカットされていたネタが三つありました。
一つめはは武蔵とオツウのカラスの夫婦ネタですが、西村雅彦演じる向坂の奇人ぶりがよく出ていました。シジュウカラの雛に目を細めてピィーちゃんと声を掛ける向坂からは、また別の一面が見られ面白かったです。
二つめは大黒屋光太夫ネタ。長い過酷な漂流の後に流れ着いたのは異国の地。茫然としていた時のバカバカしい大笑い。笑うことで気持ちをリセットし生きる勇気を取り戻す。このネタは、こういう時代だからこそ笑いをという椿の信念と笑いの効用をとてもよく表現していたので映画にも入れておいてほしかったな。
そして三つめは最後の最後の手直し案。座薬のシモネタ~。これは映画ではカットされてて、ヨカッタ、ヨカッタ。

笑ったのは舞台版、泣いたのは映画版。どちらも素晴しかったので迷いますが、なんとなく温かみのある映画版に、サルマタシッケイを映像で見せてくれた映画版に、軍配を上げたいです♪。


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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
もくさん、遂に舞台版を見られたのですね。 (アスカパパ)
2007-07-23 18:04:21
映画版でカットが3ヶ所ありましたか。詳しく鑑賞されているのに感服します。
なるほど一口で表せば、映画版は"泣"、舞台版は"笑"ですか。いえそうですね。

もくさんのご感想を拝読していて感じたことがあります。
舞台版、映画版、それぞれにその良さがあり、特徴がある。でもどちらを先に観るかによって、左右させられる何ものかがある。
そして先に観るものの方の影響を強く受け易いのではないだろうか?。
映画でも、オリジナル版を超えるリメイク版には先ずお目にかかれないように。
といったことですが、果たしてそれが正しいかどうかの自信はありません。

何れにしても、もくさんが公明正大にどちらも鑑賞されて居られる姿勢に、私はただ平服するのみです。
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>アスカパパさんへ (もく)
2007-07-23 19:52:15
遂に観ました~♪
映画版を観てから一ヶ月以上経ちましたので、かなりカスミが掛かってきて(笑)、先入観無く楽しめました。
と言っても、話の筋を知っていて観るのは緊張感が全然違うと思います。まだ、そこまで忘れきっていませんからネ(笑)。先に舞台版を観ていたら、西村さんと近藤さんの強烈な印象が焼きついて、映画版は弱く感じたと思います。映画版を先に観たので両方楽しめてラッキーだったかも♪
私は映画版の小松政夫さんのサルマタ失敬がとても気に入って、思い出す度に噴き出しているくらいです。あんなに楽しい映像にした星監督はスゴイなぁと感心しています。
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こんばんわ (tomo)
2007-07-24 00:48:38
こんばんわ!コメントありがとうございました。

もくさんの感想を読んで、「スゴイ!」と思いました。実際に映画を作った森監督、原作者である三谷氏のコメントで、まさにその点に触れられていましたから!

ここで私が色々説明しちゃうのは反則だと思うのですが、一点だけ言っちゃってもいいですか?「なぜ、映画と舞台とでラストシーンが違うのか」…その点は、星監督と、三谷氏のそれぞれのコダワリが表れているのだそうです。三谷氏は、涙で終わらせてしまうのは恥ずかしいからあえてラストを下ネタで締めくくったそうなんです。

同じ脚本を使っても、創る人の個性が異なるから作品の持つ雰囲気まで大きく変わる。面白いですよね。

長く書いちゃってすみません。これからもよろしくおねがいします。

映画は泣かせる、舞台は笑わせる。そこが大きな違いですよね。

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>tomoさんへ (もく)
2007-07-24 05:52:41
ご訪問、嬉しいです♪
『涙で終わらせてしまうのは恥ずかしいからあえてラストを下ネタで・・』
お~、三谷氏にそんなシャイな一面があったとは~。
「有頂天ホテル」にランク石をつけてしまった私ですが、観なおさないといけないですネ。(笑)

この作品は舞台版も映画版もそれぞれ惹かれるところがあって大好きです。
英国版のThe Last Laughもぜひ観てみたいです~。
DVD化されることを信じて、楽しみに待ちましょう。

こちらこそ、これからもよろしくお願いします。
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そういえば・・・・ (tomo)
2007-07-28 02:06:56
そういえば。軍配を上げるのを忘れていました。サルマタ失敬。私は、やはり舞台版です。はじめてみた時の衝撃と感動が忘れられません。その入れ込みが強すぎたために、映画版になかなか手をだせなかった位です。

でも、実際に映画を観てみたら、まったく違う雰囲気の作品になっていたので、実のところは甲乙つけがたい。正直言うと、観てよかったなと素直に思いました。心に沁みるというか、戦地に向かう椿を思いやる向坂の大きさに感動しましたし。やはりラストの「綺麗さ」でいうと、映画の方が素敵ですものね。

舞台版は、ねえ…。ちなみに舞台版のラストの「座薬」ネタは、英国版でもチラリと使われていました。まったくもー(笑)。オトコってこれだから(偏見?)困っちゃう。

では再コメントになってしまい、すみませんでした。
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>tomoさんへ (もく)
2007-07-28 10:42:27
ウッハハ、、 tomoさんのサルマタシッケイ、朝からシッカリ噴き出してしまいました~♪

tomoさんは軍配は舞台版へ。お~、そうですか~。
ブログ友達のアスカパパさんも舞台版を先に観て舞台版に軍配を挙げてらっしゃいます。お二人が舞台版に挙げたとなると、なんだかとても気になりますね~。
記憶喪失になって、舞台版から先に観たら自分がどちらを取るのか知りたいなぁ。
と、ボヤいていたら「それなら、君の場合、半年後でオーケーじゃないの?」と曰く。
ウ~~ン、日頃の行動の数々から反論できない自分が悔しいですが、半年後に試してみましょう。果たして半年後にこのことを覚えていられるのかが問題ですが、、
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