中島哲也監督 2010年 お気に入り度 : 鉄
途中で観るのを止めたくなりましたが、
「パコと魔法の絵本」の監督作品なのでラストに希望を託して最後まで観ました。
2時間足らずの作品ですがとても長く感じました。
最後まで酷い話でしたが、最後の最後のセリフ『な~んてネ』で気持が救われました。
『な~んてネ』が、どこまで掛かるのか分からないようにしたのは凄いですわ~。
この言葉を、直前の『これがあなたの更生の第一歩です』だけに掛けているのか、
映画の初めの松たか子の告白の後の全てに掛けているのか、いかようにも受け取れます。
告白という題名自体に掛けているようにも思えます。
告白なのに、心の中をありのままに明かしている人は誰も居なくて
嘘と思い込みと妄想が交じっていて、観ていると次々と新たな告白に驚く仕掛けになっています。
命に係わる重いテーマを、人の気を引くような仕掛けや美しすぎる映像で見せることに対して
不快な気持ちで観ていたのですが、最後の「な~んてネ」で全てがはじけて消えちゃいました。
中島監督スゴイなぁ。この内容の映画にダンスシーンも入れてありましたョ。
とても優れた作品と思いますが、お気に入り度は鉄ですし、人にはお薦めしません。
『な~んてネ』
って、この言葉、ウ~ン、恐るべし。
古いですが、映画「アマデウス」のラストでサリエリに『な~んてネ』って呟いて欲しかったですヮ。