テレビがやらないニュース(旧エコドライブ日記)

テレビがスルーするネットのニュースを集めて紹介しています。

コメントする方は名前を書いて下さい。

〔今度は足柄茶〕お茶の出荷停止は続く〔規制値と測定方法〕

2011-06-22 16:20:14 | ニュース
神奈川の「荒茶」から規制値超すセシウム


【足柄茶の荒茶から基準超えるセシウム 神奈川県発表】2011年6月22日1時9分

 神奈川県は21日、「足柄茶」の最大産地の山北町など3市町の一番茶の乾燥茶葉(荒茶)から、国の基準値(1キロ当たり500ベクレル)を超える放射性セシウムを検出したと発表した。県は農協などに3市町の茶葉の出荷自粛を要請した。

 山北町産が1250ベクレル、相模原市産が1290ベクレル、松田町産1140ベクレル。同時に検査した秦野市産は420ベクレルと基準を下回った。4市町とも、生茶の検査では基準値を下回っていた。

 県は、生茶と乾燥して重量が減る荒茶を同じ基準で規制する政府の方針に「科学的根拠がない」と反発。荒茶の検査を拒否していたが、風評被害を懸念する生産者からの要望を受けて方針を変え、初めて荒茶を検査した。

http://www.asahi.com/food/news/TKY201106210713.html

静岡茶に続いて神奈川の足柄茶も出荷停止となったようです。
当たり前といえば当たり前。福島原発に近い方が余計に飛んでいはずですから。

ニュースでは静岡の生産者の方が「いつ飛んできたのか分からない」と話して
おられましたが、目に見えないのだから、知らせてもらわないと分かりませんよね。

3月13日ごろ、フランスは次のような予報を出してくれていましたが、
日本では未だにわかりやすい飛散予報は出してくれていませんから、
知らないのも当然かもしれません。

Japon : le "panache" radioactif en images


政府は「ホームページを見ろ」という姿勢ですし、予報する側も嫌がっている
という報道もありました。
飛散予測の公開が進まない様子はこちらの記事でまとめています

当然、政府は分かっていながらわざと予報を出さないようにしているのです。

だから菅を辞めさせないといけないのですが、テレビに誘導されて
「菅が変わったら前に進むのか」とか、「野党は協力しろ」なんて思っている人も
多いんでしょうね。

今日(3月22日)の「ひるおび」でも司会の恵はそう言っていました。
このような原発対応をしている政府をそのままにして何で協力しなきゃいけないんだ?

前回、静岡のお茶について記事を書いたら、色々とコメントをいただきました。

洗って検査しているなんて言いがかりだ。洗って基準をクリアしていれば
いいんじゃないのか。というものです。

この点を一度整理しておかないといけないようです。

〔日本の場合は洗って測定している〕

ほうれん草が出荷停止になったころ、テレビは「洗えば大丈夫」という説を繰り返し
放送しました。下の動画のように。

関西番組  福島原発事故について 2/2


1分40秒~洗えば落ちる

しかし、その頃(3月18日)、厚労省は次のような通達を出していました。

 クリックで拡大

要するに「検体は流水で洗ってから測定すること」という通達です。

この通達がネットで広まってから、テレビは「洗えば落ちる」とは言わなくなりました。

「洗えば大丈夫」とさんざん言いふらしたのに、「実は洗っていました」という
訂正はほとんど放送されていません(私が確認した限り、フジテレビでは
「Mr.サンデー」だけ)。

「とくダネ!」などは"効果的な洗い方"も紹介していたはずです。

そのせいで、今でも「洗えば大丈夫」と思っている方は多いのかも知れません。

(当ブログの当時の記事はこちら。武田邦彦さんもブログでこの件に触れています

〔洗って暫定基準値をクリアしたらそれでいいのか〕

これは二つに分けて書きます。

〔暫定基準値〕

暫定基準値について、これまで政府は「他国の基準に比べて厳しく定めた」と
話しています。

〔品目別規制値は次の通り〕

     飲料水  牛乳・乳製品  野菜類  穀類   肉・卵・魚その他

規制値  200  200        500  500  500 ベクレル/kg


食品安全委員会の「放射性物質に関する緊急とりまとめ」
http://www.fsc.go.jp/fsciis/attachedFile/download?retrievalId=kai20110329sfc&fileId=115

このP15〔暫定規制値の背景〕には次のように書かれています。

「IAEA では、(略)食品の国際間取引において放射線事故が発生した時の
食品基準について、放射性セシウム(セシウム134、137)は1,000 Bq/kg、
放射性ヨウ素(ヨウ素131)は一般食品で1,000 Bq/kg、牛乳、乳児用食品
及び飲料水で100Bq/kgとしている。


食品の数字だけ見れば日本の方が厳しく見えます。しかしこれはゴマカシ。
日本は洗ってから測りますから数字を比べても意味がありません。

ですから、暫定基準値の根拠を考える必要があります。

フジテレビの解説を引用しますと、「水、食品から被曝する線量が5ミリシーベルト/年
超えないように考えられたものだ。」

この時点ですでにおかしい。下の文科省の資料にあるように、本来の基準は
1ミリシーベルト/年。既に5倍もゆるい。

 クリックで拡大

〔図の右側 一般公衆の線量限度1000マイクロシーベルト(1ミリ)〕

もちろん、人は食品だけから被曝するわけではなく、空間からの放射線、呼吸時に
吸い込む大気中の放射線物質の影響なども考慮しなくてはいけないので、
水、食品から受ける放射線の量は本来の基準「1ミリ」の3~4分の1ぐらいにして
おかなくてはいけません。

※ちなみに福島の学校の基準「20ミリ」は外部被曝だけで計算されています。
 縦割り行政の中では文科省にとって内部被曝は"厚生省の管轄"らしい。

単純に考えて(数値が5倍ゆるい)×(外の影響も考えると実は3~4倍の影響)
ですから15~20倍位ゆるく作られた基準だと思ったほうがいいでしょう。

それは震災前の水の基準を見れば分かります。

「WHO飲料水水質ガイドライン」
http://whqlibdoc.who.int/publications/2004/9241546387_jpn.pdf

P203「表 9-3 飲料水中の放射性核種のガイダンスレベル」によると、
セシウム(134Cs、137Cs)の(原発事故前の)ガイドラインは10Bq/Lです。

暫定基準値の飲料水の基準は200Bq/Lですからやはり20倍ゆるいということです。

※ちなみに武田邦彦さんは日本のガイドラインは(震災前から)10ベクレルだが、
国際基準は1ベクレルだと言っておられます。

ということで、「暫定基準値を下回ったぐらいでは全く安心できない」というのが
私の結論です。

武田邦彦さんは水・食品は10ベクレルを目安に判断して下さいと言っているようです。

ただ、安心かどうかについてはそれぞれにお考え頂くしかないでしょうね。

私は武田邦彦さんの説をベースに書いていますが、さらに内部被曝を重要視する
先生はもっと危険だと言いますし、「よく分かりませんが、規制値以下なら大丈夫」
という専門家もいます。

また、その一方で最新の学説に基づいて「基準が高すぎる」と言う先生もいるようです。

武田邦彦さんは放射線医学の専門家ではありませんので、「信用するな」
という意見も何度も頂きました。

誰の意見を信じるかによって、問題の捉え方はずいぶん変わってくると思いますが、
国際的な基準を無視していたのでは日本はいつまでも「汚染国」となってしまうので、
健康への影響は意外と小さいものだとしても、やはり1ミリ/年を基準に考える
しかなさそうです。

〔洗って落ちればそれで良いか?〕

「洗って落ちればそれでいい」とは言えないでしょう。

食品は洗わずに流通したり、輸出したりするわけですから、放射性物質も
くっついたまま運ばれます。当然、汚染は全国に広がることになります。

飲む、食べる時の影響だけでなく、食品に付着して移動することも考慮すべきでしょう。

このあたりのことは武田さんもブログでふれています

現に最近は博多や富山でも放射性物質が観測され始めたといいます。

お茶の場合、「基準がおかしい」という意見があり、基準見直しの検討も
行なわれるようですが、とても賛成できません。
見直すなら、輸出しても引っかからない基準に合わせるべきでしょう。

____________________________________

以上が測定方法と暫定基準値についてのまとめです。

生産者の方には厳しい状態ですが、規制値がおかしいと思っている消費者は、
産地で判断するしかありません。

これまでの菅政権の異常な対応を知って頂いて東電、国に買い取りを求めて
もらうしかないでしょう。

「風評被害の影響じゃしょうがない」と考えて2番茶の収穫をやめたりすると
生産者を犠牲にしても東電の賠償額を抑えたいと考えている政府の思う壺の
ような気もします。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする