久しぶりに武田邦彦さんのブログの記事を紹介します。
今回の記事は「本当に電気は足りないのか、節電は必要なのか」という内容です。
たまたま仕事先で電気は本当に足りないのかという話が出て、丁度良いタイミング
だったので取り上げました。
私の地域の電力会社は北陸電力なのですが、最近、日本原電の原発の点検によって、
電力が不足気味だと言い出し、節電に協力してくれと言い始めました。
火力発電の稼働率も分からないし、企業の自家発電能力を考慮したかどうかも
分かりませんから、こんなものは大ウソだろうと思っているのですが
日本中が節電ムードに覆われていることもあり、電力不足とは無縁の北陸でも
なんとなく「節電しなきゃ」という雰囲気が漂っているため、
武田さん以外にも「電気は足りている」という方の意見を集めてみました。
『原発』ー 小出裕章 / 広瀬隆 (電力不足はウソ!)まとめ
〔電力は本当に足りないのか〕
小出 「発電量が足りないということは全くありません。
多くの人が足りないと思い込んでいるのはマスコミが悪い。
火力発電所の稼働率は5割に過ぎません。
政府の統計によると、火力と水力の発電能力だけで必要な電力はまかなえます。
国民は政府と電力会社とマスコミにだまされてきただけです」
広瀬 「電力使用量が火力と電力の発電量を上回ったことは過去に一度も無い」
〔火力のデメリット〕
小出 「火力をやるとCO2が増えると言うが、冗談言うな。死の灰よりはまし。
二酸化炭素は生命が生きるために絶対に必要なもの。全ての命の源。
比べるまでも無いだろう」
広瀬 「直ぐにガスタービン発電をはじめれば良い」
下の本にも次のようなことが書いてありました。
「原子力発電所によって電力の3割がまかなわれていると言うが、設備の発電能力から
考えると原子力発電所は全体の18%の発電能力しかない。
わざと火力の稼働率を落として原子力がないとやっていけないように見せているだけ」
今回紹介した記事の中で、武田さんは東電の供給能力が6300万キロワットだと
書いています。
おそらく政府の統計資料ではそうなっているのでしょう。
下の記事から計算すると、4570×100/93だから
4913万キロワットしか使っていないらしい。稼働率は78%ですね。
もっと発電できるんじゃないでしょうか?
とはいえ、電気をジャンジャン使い続けるというのは見直した方が良いとは思います。
やっぱり午後のテレビを全停止するのがいいんじゃないでしょうか。
【東電、電力需要が震災後最大 使用率93%超、猛暑で冷房増】
東京電力管内の電力需要は29日、気温の上昇とともに増加し、午後2時台に4570万キロワット(速報)に達し、東日本大震災後で最大となった。最大供給力に占める割合(使用率)は93%となり、需給の厳しさを示す目安となる90%を大きく上回った。
気象庁によると、東京都心で今年初の「猛暑日」となるなど、東電管内の各地で気温が上昇。このため、冷房需要が増加したことが要因。
2011/06/29 16:44 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062901000673.html
しかし、東電の大株主さんたちは原発を手放さないことを決めたようですから、
電気はやっぱり足りないことにされるのでしょうね。
最後に、2003年に東電の原発が全て停止した時の新聞記事を貼っておきます。
火力を再稼動することはしないのかな?熱中症よりも原発継続か?
クリックで拡大
当時停電無かったわけだが。
http://tonchamon.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/2003-2fcb.html
__________________(引用開始)____________________
「節電」は本当に必要なのか?(1) 電気代はなぜ高い?
この夏は電気が足りないと言う。
でも、どうもうさんくさい.一説では
「原発を再開したいから、電気が足りないと脅しているだけだ。寝苦しい夜を過ごさせて原発賛成にするためのあくどい宣伝だ」
とも言われる.
東京電力は日本の代表的な企業だから、本当はこんなことを言われるようなダメ企業では困るのだが、なにしろ
「東電はウソを言う企業だ」
というのは、原発事故以来、常識になっているので仕方が無い。
そして、福島原発事故の直後、東京電力が「計画停電」というのをやり、大きな影響がでた。
電気機器をつかって患者さんの命を守っている病院や、1度とめたら製品がダメになってしまう工場などはビリビリしていたものだ。
・・・・・・
明らかにおかしい.
東京電力がもっている発電の能力は、6300万キロワット。
これに対して計画停電が実施された3月14日の電力消費量は、たった2800万キロワットだった???
それで「足りない」??? ???
・・・・・・
何かを製造する「製造業」では、設備をどのぐらい使うかという「稼働率」は、収益の死命を制するほど大切なもので、多くの会社は設備稼働率が80%にでもなると、経営はピンチになる.
ところが、
「原発事故で電気が足りなくなるので、計画停電をする。国民は協力しろ」
と東電が言った日の設備稼働率は、実に44%!!
さすが東電だ。これまで、営業成績が悪くなると、電気料金を上げれば良いという気楽な商売をしてきた。事実、日本の電気料金はほぼ世界一、アメリカの3倍とされる.
それでもお客さんから文句は来ない。もし文句を言えば「じゃ、電気を売らない」と言えば、それで良い。「やらせ番組を放送しているから、受信料を払わない」と言う視聴者を不払いで裁判に訴えるというNHKと同じ体質だ。
・・・・・・
稼働率が低い理由は、真夏の昼間に多くの人が「エアコン」を使う.かつてはこれに「高校野球」が加わってテレビを見るので、さらに電気が必要になる.
だから、半分しか使わない春の稼働率が44%になるのは仕方が無いというのが「東電の言い分」である。
もちろん、東電の言い分がウソだ。ウソをつく人というのは、
「原子炉が壊れているか?」
ということだけウソをつくのではない.
「原発事故が起こったから、電気が足りない」
というのも、
「日本は質の良い電気を供給しているから、電気代が高くなる」
というのも、全部、ウソなのである。
電気の蓄積方式(集中蓄積、分散蓄積)、発電方式(設備費と燃料費の関係)、電気機器会社とタイアップした電気の平準化システムなど、設備の稼働率を上げるためには、やることは山ほどあるけれど、このような「面倒な事」より
「たっぷりと発電所を作って、時々、動かしたらよい」
という方が楽だ。
・・・・・・
稼働率が下がり、経費が嵩むようになれば、電気代を上げればよい。簡単で誰にも文句を言われない。
それに対して、電気が足りなくなると、文句を言われる.
だから、発電所をたっぷり作って悠々と生活した方が良いと思うのはお公家さんの東電の経営者としては当然だからである.
電気会社のシステムが悪い。個別に「これもすればよい、あれもすればよい」と言っても、巧みに言い訳されて終わりだ。
こんなことは個別にいくら言っても、ケンカになるだけで電気代が安くなることはない。
でも、もし東電に競争相手が居たら、設備の稼働率はたちまち80%になり、電気代は半分になるだろう。
その点では技術も大切だが、安全を守り、電気代を安くするには、「電気を供給する社会的なシステムに競争原理を入れる」ことも重要であることが判る。
(平成23年6月29日 午前10時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/06/post_7073.html
__________________(引用ここまで)____________________
当ブログの武田邦彦さん関連記事まとめ(リンク集)
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/6a193f9b1db6fea5c154ce23cc3bb9db
今回の記事は「本当に電気は足りないのか、節電は必要なのか」という内容です。
たまたま仕事先で電気は本当に足りないのかという話が出て、丁度良いタイミング
だったので取り上げました。
私の地域の電力会社は北陸電力なのですが、最近、日本原電の原発の点検によって、
電力が不足気味だと言い出し、節電に協力してくれと言い始めました。
火力発電の稼働率も分からないし、企業の自家発電能力を考慮したかどうかも
分かりませんから、こんなものは大ウソだろうと思っているのですが
日本中が節電ムードに覆われていることもあり、電力不足とは無縁の北陸でも
なんとなく「節電しなきゃ」という雰囲気が漂っているため、
武田さん以外にも「電気は足りている」という方の意見を集めてみました。
『原発』ー 小出裕章 / 広瀬隆 (電力不足はウソ!)まとめ
〔電力は本当に足りないのか〕
小出 「発電量が足りないということは全くありません。
多くの人が足りないと思い込んでいるのはマスコミが悪い。
火力発電所の稼働率は5割に過ぎません。
政府の統計によると、火力と水力の発電能力だけで必要な電力はまかなえます。
国民は政府と電力会社とマスコミにだまされてきただけです」
広瀬 「電力使用量が火力と電力の発電量を上回ったことは過去に一度も無い」
〔火力のデメリット〕
小出 「火力をやるとCO2が増えると言うが、冗談言うな。死の灰よりはまし。
二酸化炭素は生命が生きるために絶対に必要なもの。全ての命の源。
比べるまでも無いだろう」
広瀬 「直ぐにガスタービン発電をはじめれば良い」
下の本にも次のようなことが書いてありました。
「原子力発電所によって電力の3割がまかなわれていると言うが、設備の発電能力から
考えると原子力発電所は全体の18%の発電能力しかない。
わざと火力の稼働率を落として原子力がないとやっていけないように見せているだけ」
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今回紹介した記事の中で、武田さんは東電の供給能力が6300万キロワットだと
書いています。
おそらく政府の統計資料ではそうなっているのでしょう。
下の記事から計算すると、4570×100/93だから
4913万キロワットしか使っていないらしい。稼働率は78%ですね。
もっと発電できるんじゃないでしょうか?
とはいえ、電気をジャンジャン使い続けるというのは見直した方が良いとは思います。
やっぱり午後のテレビを全停止するのがいいんじゃないでしょうか。
【東電、電力需要が震災後最大 使用率93%超、猛暑で冷房増】
東京電力管内の電力需要は29日、気温の上昇とともに増加し、午後2時台に4570万キロワット(速報)に達し、東日本大震災後で最大となった。最大供給力に占める割合(使用率)は93%となり、需給の厳しさを示す目安となる90%を大きく上回った。
気象庁によると、東京都心で今年初の「猛暑日」となるなど、東電管内の各地で気温が上昇。このため、冷房需要が増加したことが要因。
2011/06/29 16:44 【共同通信】
http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062901000673.html
しかし、東電の大株主さんたちは原発を手放さないことを決めたようですから、
電気はやっぱり足りないことにされるのでしょうね。
最後に、2003年に東電の原発が全て停止した時の新聞記事を貼っておきます。
火力を再稼動することはしないのかな?熱中症よりも原発継続か?
クリックで拡大
当時停電無かったわけだが。
http://tonchamon.cocolog-nifty.com/blog/2011/03/2003-2fcb.html
__________________(引用開始)____________________
「節電」は本当に必要なのか?(1) 電気代はなぜ高い?
この夏は電気が足りないと言う。
でも、どうもうさんくさい.一説では
「原発を再開したいから、電気が足りないと脅しているだけだ。寝苦しい夜を過ごさせて原発賛成にするためのあくどい宣伝だ」
とも言われる.
東京電力は日本の代表的な企業だから、本当はこんなことを言われるようなダメ企業では困るのだが、なにしろ
「東電はウソを言う企業だ」
というのは、原発事故以来、常識になっているので仕方が無い。
そして、福島原発事故の直後、東京電力が「計画停電」というのをやり、大きな影響がでた。
電気機器をつかって患者さんの命を守っている病院や、1度とめたら製品がダメになってしまう工場などはビリビリしていたものだ。
・・・・・・
明らかにおかしい.
東京電力がもっている発電の能力は、6300万キロワット。
これに対して計画停電が実施された3月14日の電力消費量は、たった2800万キロワットだった???
それで「足りない」??? ???
・・・・・・
何かを製造する「製造業」では、設備をどのぐらい使うかという「稼働率」は、収益の死命を制するほど大切なもので、多くの会社は設備稼働率が80%にでもなると、経営はピンチになる.
ところが、
「原発事故で電気が足りなくなるので、計画停電をする。国民は協力しろ」
と東電が言った日の設備稼働率は、実に44%!!
さすが東電だ。これまで、営業成績が悪くなると、電気料金を上げれば良いという気楽な商売をしてきた。事実、日本の電気料金はほぼ世界一、アメリカの3倍とされる.
それでもお客さんから文句は来ない。もし文句を言えば「じゃ、電気を売らない」と言えば、それで良い。「やらせ番組を放送しているから、受信料を払わない」と言う視聴者を不払いで裁判に訴えるというNHKと同じ体質だ。
・・・・・・
稼働率が低い理由は、真夏の昼間に多くの人が「エアコン」を使う.かつてはこれに「高校野球」が加わってテレビを見るので、さらに電気が必要になる.
だから、半分しか使わない春の稼働率が44%になるのは仕方が無いというのが「東電の言い分」である。
もちろん、東電の言い分がウソだ。ウソをつく人というのは、
「原子炉が壊れているか?」
ということだけウソをつくのではない.
「原発事故が起こったから、電気が足りない」
というのも、
「日本は質の良い電気を供給しているから、電気代が高くなる」
というのも、全部、ウソなのである。
電気の蓄積方式(集中蓄積、分散蓄積)、発電方式(設備費と燃料費の関係)、電気機器会社とタイアップした電気の平準化システムなど、設備の稼働率を上げるためには、やることは山ほどあるけれど、このような「面倒な事」より
「たっぷりと発電所を作って、時々、動かしたらよい」
という方が楽だ。
・・・・・・
稼働率が下がり、経費が嵩むようになれば、電気代を上げればよい。簡単で誰にも文句を言われない。
それに対して、電気が足りなくなると、文句を言われる.
だから、発電所をたっぷり作って悠々と生活した方が良いと思うのはお公家さんの東電の経営者としては当然だからである.
電気会社のシステムが悪い。個別に「これもすればよい、あれもすればよい」と言っても、巧みに言い訳されて終わりだ。
こんなことは個別にいくら言っても、ケンカになるだけで電気代が安くなることはない。
でも、もし東電に競争相手が居たら、設備の稼働率はたちまち80%になり、電気代は半分になるだろう。
その点では技術も大切だが、安全を守り、電気代を安くするには、「電気を供給する社会的なシステムに競争原理を入れる」ことも重要であることが判る。
(平成23年6月29日 午前10時 執筆)武田邦彦
http://takedanet.com/2011/06/post_7073.html
__________________(引用ここまで)____________________
当ブログの武田邦彦さん関連記事まとめ(リンク集)
http://blog.goo.ne.jp/moja_gd/e/6a193f9b1db6fea5c154ce23cc3bb9db
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