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モバライダー mobarider

確認されれば小天体で2例目、小惑星“キロン”に環がある?

2015年04月14日 | 宇宙 space
恒星食の観測から、小惑星“キロン”の周囲に、
環あるいは対称ジェットのような物質の存在が明らかになりました。

もし環であることが確認されれば、
同じくケンタウロス族小天体である“カリクロ”に続いて2例目になるんですねー

“キロン”に環があるとすれば、小天体としては史上2例目になる。

太陽系には、環を持つ天体が5つ知られています。

土星、木星、天王星、海王星といった惑星に加えて、
2014年には、初めて小天体にも環が発見されています。

この小天体は“カリクロ”と言い、
ケンタウロス族と呼ばれる、彗星と小惑星の特徴を併せ持つ天体の1つでした。

そして、新たにもう1つのケンタウロス族天体“キロン”にも、
環のようなものが検出されることになります。

“キロン”は1977年に発見された初のケンタウロス族天体で、
小惑星(2060 Chiron)と彗星(95P/Chiron)の両方の符号を持つ天体でもあるんですねー
2014年11月撮影の“キロン”(中央の印)。

ハワイにあるNASAの赤外線望遠鏡設備“ITF”と、ラス・クンブレス天文台の“グローバル望遠鏡”により、“キロン”の恒星食(地球から見て天体が恒星の手前を通過する現象)を精密に観測。

そして、“キロン”によって隠される恒星の光の変化から、“キロン”の中心から約300キロ離れた両脇に、それぞれ幅が3キロと7キロの物質の存在を突きとめています。


1993年と1994年に観測された、
「水とチリが噴き出す対称ジェットのようなもの」と似ているのですが、
ガスとチリの環という可能性もあるそうです。

これが対称ジェットであるとすれば、
太陽系のはるか外側にあった“キロン”が、巨大惑星の重力作用で太陽に近づく方へ押しやられ、
凍っていた物質が、チリやジェットになって噴出しているのかもしれません。

また、対称ジェットでなく環であるとすると、
宇宙を漂う天体の破片が、“キロン”の重力にとらえられたものか、
“キロン”を形成した材料の残り物という可能性が考えられるそうです。

ただ、他の観測データを併せて分析してみると、
ほぼ環で間違いないという結果も…

でも、最終的な結論を出すには、
地上の複数地点からの恒星食観測を、今後行う必要があるんですねー

“カリクロ”の環が見つかるまでは、
小天体に環は存在しないものと考えられてきました。

もし、“キロン”にも環があるとなれば、
小天体の環は、意外に珍しくないということになるのかもしれませんね。
“キロン”の公転軌道。
巨大惑星に近づく不安定な軌道も、ケンタウロス族天体の特徴。



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