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前福井県議会議員 さとう正雄 福井県政に喝!

前福井県議会議員・さとう正雄の活動日誌。ご意見・情報は smmasao.sato@gmail.com までお願いします。

もうひとつの8月9日・・・美浜原発事故から5年

2009年08月09日 | Weblog
今日8月9日は長崎原爆の日であるとともに、5年前、日本の原子力史上最悪の関西電力美浜原発事故がおこった日。わたしは、「もうひとつの8月9日」とよんでいる。
わたしも代表委員をつとめる原発問題住民運動福井県連絡会は声明を発表した。
あらためて、お亡くなりになられた方々のご冥福と、被災者の方々のご健康を祈りたい。
耐震安全性の問題などが未解決のまま、「もんじゅ」の運転再開や、世界最大級の敦賀原発増設は許されない、と思う。
このような事故を繰り返さない、これは政治の責任。
これまでの政府の原発偏重のエネルギー政策を転換させることが必要ではないか。

以下は、事故の翌月の9月福井県議会でわたしが質問した内容です。

        ★


日本原子力史上最悪の11人の死傷者を出した関西電力美浜原発事故についてお尋ねします。
  こういう事故が起こってみますと、日本の原発は安全だという国や電力会社のうたい文句がいかに絵そらごとだったか、国民すべてによくわかります。しかし、事故が起こらないと日本の原発も危ないんだということに気がつかないというのは実に情けない話ではないでしょうか。
  今回の事故にも幾つかの関門があり、そこできちんと対応していれば防げたわけです。

  第一に、1986年にアメリカの原発で今回と同じような事故が起こりました。しかし政府は、日本では起こり得ないとの報告書を出してしまったのです。

  第二に、当時の通産省が求めた定期安全レビューにおいて、関西電力が美浜3号機について、保守管理は適切に行われていると報告し、政府も計画的な修理や取りかえが行われているとして、2000年の5月に美浜3号機にお墨つきを与えました。運転以来、メーンの配管が一度も検査されていないことを関西電力も国も見逃したのです。つまり、関西電力や下請会社の安全点検の連携のお粗末さとともに、国のチェック能力の低さの問題です。まさに1999年に起こった茨城県のジェー・シー・オー臨界事故の教訓が生かされませんでした。

  第三に、2年余り前から原発の運転が、定格電気出力一定運転から定格熱出力一定運転に切りかえられました。これによって原発の設備利用率のアップが図られました。美浜3号の場合、82万6,000キロワットですが、海水の温度の低いときにはこの電気出力を超えて運転することがやられておりました。当然その分、発電設備の負担は重くなります。今回の事故は、定期点検数日前の事故だったわけですが、もし運転方式が変わっていなければ、破れた配管への負担も当然少なかったわけで、事故前に定期検査を迎えることができた可能性があります。

  第四に、定期検査短縮が利益優先の方針のもとに猛烈に進められている問題です。以前のように定期検査準備作業も原発の運転をとめてから行っていれば、配管の破れが起こっても11人もの死傷者は出ませんでした。安全よりももうけ優先の経営方針が今回の日本原子力史上最悪の惨事を生み出したことは、関係者は肝に銘じるべきです。