すべては愛する宗像のため

福岡県宗像市在住、井上正文のブログです。

出光佐三氏の想い

2006年03月07日 | 九州・福岡発!日本の偉人
出光佐三氏が亡くなられて、今日で25年になります。
出光興産株式会社を一代で築き上げた出光佐三氏が、宗像の輩出した不世出の偉人であるのは万人が認めるところでありますが、我々宗像青年会議所にとっても非常に縁のある方です。

「出光佐三翁生誕百周年記念誌」に宗像青年会議所・歴代理事長の堤先輩が寄せられた祝辞を、以下引用させていただきます。
今から40数年前、
当時の宗像は教育闘争の拠点として高名を馳せ、
教育現場は大混乱しておりました。
昔から神郡宗像、教育郡宗像と言われ、
著名な教育者を多数輩出した教育界の雄郡でありましたが、
当時はその面影もない惨憺(さんたん)たる状況でした。
このように憂慮すべき状況を耳にされた出光店主は、
地元青年を東京に招かれ、宗像の現状を憂い

「宗像の若者よ立て、この混迷する宗像に何の生きがいを感じるか。
すばらしい環境に恵まれ、良き先輩をもつ幸せな若者よ、
醇風美俗(じゅんぷうびぞく)宗像の若者よ、勇気をもって奮起せよ。
先輩に負けない人になれ、郷土を愛する人になれ。
何事にも感謝し、互譲互助の精神をもって真の日本人のチャンピオンになれ」

その言葉に目覚めた当時の青年有志が集い

「我々は将来の宗像の礎(いしずえ)になろう」

こうして結成されたのが宗像青年会議所の前身であります。

出光店主は、宗像青年会議所に大きな期待を抱かれ、
機会あるごとにご支援と激励の言葉を送っていただきました。

宗像青年会議所創立10周年の御祝辞です。

宗像大社の御神徳を頂いている宗像人(むなかたびと)は特別に使命がある、
それは真の日本人のあり方を身をもって示して世界の平和、福祉に貢献しなければならぬ使命である。そういう高い目標に向かって進みなさい」

また、出光佐三翁生誕百周年の記念講演では、
前宗像市長の滝口凡夫氏(当時西日本新聞社編集局長)は次のようにお話しされました。
佐三さん(原文まま)は宗像、宗像と言われますが、
私(滝口氏)は佐三さんの故郷は宗像だけじゃないと思います。
逆説的な言い方になりますが、
つまり日本人としての本当の在り方、
人間としての本当の在り方を求めていくのが佐三さんのねらいであって、
それがたまたま純粋な形で宗像にあった。
そして宗像に佐三さんが生まれた。
何も宗像だけに日本人が住んでいるわけではありません。
昔から日本の農村、山村など、私は土に近いほど、自然に近い純粋な人間が育つと思いますが、その宗像という所は純粋な日本人の在り方を示す一つの地方である、ということです。
宗像人だけが日本人じゃありません。
宗像人だけが日本の原住民族なら、それが日本人の典型とするならば、
よその人はまね出来ません。
日本人というのは一緒になれません。
宗像だけが、そんなことで自慢してはいけません。
「日本人の世界的使命感」というのが晩年の佐三さんの講演の題目でした。
いずれにしましても、今宗像がこんなに大きく変わっている。
そして佐三さんが自慢されたほどの宗像の醇風美俗、
人間の良さというのもだんだん変わってきている。
昔からの宗像人に加え、新しい住民の方々が入って来られたのですから、
一緒になって新しい宗像、新しい宗像人を作っていかねばならないと思います。

以上、お二方のお言葉を引用させていただきました。

昨晩、「出光佐三翁生誕百周年記念誌」を読みながら、
理事長として宗像青年会議所メンバーはもとより、
宗像にお住まいの方々、特に若い世代の方々にも、
出光店主の生き方から多くのことを学んでいただきたいと思い、
紹介させていただきました。

今日、出光佐三氏のお墓参りをしました。
出光店主のお墓は、店主が生まれ育った赤間の小高い丘の上にあり、
蘿ヶ嶽(城山)と福岡教育大学のキャンパスが一望できます。

出光店主は教育大学の宗像への誘致にも積極的にご尽力され、
当時のお金で3億という巨額の寄付をされましたが、
「ならば、出光会館を建設しましょう」という周囲の勧めは断り、
御自身を表面に出すことはなさりませんでした。

学生への奨学金は「国家の役に立つ教師になってほしい」という念願をこめて、
今も継続されているそうです。

出光店主は「人間尊重」を社是に、
会社を「人間尊重の道場」として大家族主義の事業経営を貫きました。

青年会議所も修練ための「道場」です。
青年会議所の目的は「地域と国の繁栄」であり、
最終的な目標は「世界の平和」であります。

青年会議所運動にせよ、政治・経済・外交・教育の様々な課題を切り拓く鍵は
「人間尊重」「互譲互助」の精神ではないだろうか・・・。

そんなことを一介の私が思うのも、
きっと天国から出光佐三翁が見守ってくれているからなのでしょう。

※上の写真は出光店主のお墓から見える風景です。

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