かつて大船の深沢地区に大船工場(後に鎌倉総合車両所、鎌倉総合車両センター(深沢)に改称)という工場があり、国鉄時代から鉄道車両の検査、修繕、分割民営後は一部車両(209系等)の製造も担当した工場がありました。
その施設は、旧軍需工場跡地を活用したなどの背景から、本線から離れた場所に存在したため、横須賀線の大船~北鎌倉間の側線から枝分かれし、途中何箇所か公道等と交差しながら工場に至る引き込み線が引かれていました。
引き込み線は、廃止後しばらくはそのまま残されていましたが、踏切一時停止による渋滞の原因ともなることから、道路との交差部分から設備の撤去が始まり、現在は、敷地内への立ち入りを防ぐ柵等が設置され、一部架線関係も撤去されています。
Webをググると当該専用線のレポートをするページが複数見受けられますが、草蒸した現状とは雲泥の感があります。
2016年7月現在の状況をアップしますので、順を追ってご覧ください。なお、踏切番号については現地の標識をベースに記載しております。一部、区分地図等と相違がありますが、あらかじめご了解ください。
なお、説明中の【】内表記は、撮影地の住所地番です。

横須賀線から分岐し深沢へ向かう線路、【台2-4】

0号踏切にて、県道 小袋谷藤沢線を越え深沢方面へ向かう線路、左手の白い建物は大船体育館 【台2-4】

1号踏切から0号踏切方向を見る 【台2-18】

市道と交差する1号踏切、頭上は湘南モノレール、先に富士見町駅が見える。
ケーブル類が残っているためか、赤錆びた「高さ制限」の標識もそのまま。【台2-18】

市道と交差する1号踏切、ここの渋滞は日常茶飯事。【台2-18】

1号踏切から深沢方向を見る。【台2-18】

2号踏切から1号踏切方向を見る、1号踏切の上を湘南モノレールが交差する。【台2-19】

1号踏切の上を、富士見町を出た湘南モノレール(大船行き)が通過する。【台2-19】

元来、渡り板も無かった2号踏切だが、近隣住民の方がおいたのか、最近矩形の板がきれいにひかれた。【台2-19】

県道等の大きな踏切は、軌道が1本丸ごと外されて場合によっては再舗装されているが「、2号踏切は踏切部分のみカッターで撤去されている。写真はすの切断部分。【台2-19】

2号踏切近くには、引き込み線が現役当初から存在したとみられる、所轄の「大船警察署」名義の表示が残されている。読みづらいが、「
危険につき、鉄道用地内
立入厳禁大船警察署長」とある。【台2-19】

今だ残る、国鉄時代の「工マークの境界標」【台2-19】

3号踏切手前には、小河川を跨ぐ小さな上路ガーター僑が残っている。【台2-19】
3号踏切付近。【台2-19】

3号踏切付近。【台2-19】

3号踏切付近。【台2-19】

4号踏切から3号踏切方向を見る。 【山崎586付近】

4号踏切はバイクや歩行者のみ通行可能な警報機のない踏切だった。 山崎586付近】

4号踏切から5号踏切方向を見る。 【山崎586付近】

5号踏切から4号踏切方向を見る。 【山崎665付近】

6号踏切(手前)と5号踏切(奥)、近接している。【山崎665付近】

6号踏切から深沢方向、引き込み線はこの先、大手電機メーカーの構内を横切っていく。【山崎665付近】

7号踏切から、大手電機メーカーの方向を見る。 【上町屋550付近】

アスファルトで再舗装することなく、レール部分のみセメントで埋められた7号踏切。【上町屋550付近】

7号踏切が再舗装されていないため、凸凹が解消されておらず、「踏切注意」の標識が、「凸凹あり」にかえられたという例。【上町屋550付近】

7号踏切から8号踏切方向を見る。【上町屋550付近】

8号踏切から7号踏切方向を見る。【上町屋622付近】

8号踏切から工場跡地方向を見る。【上町屋622付近】

この先工場内部まで整地済みで更地化されている。手前部分は更地化の際、駐車場として使われていた。
【上町屋622付近】

探索した中でJRという文字はあまり見受けられなかったように思う。ここには、「横浜支社」の注意書きがあった。

「会社敷地内につき
空缶や
ゴミを捨てないでください」という看板。読みづらいが、「大船工場長」と書かれており、後日名前を改めたためか、何かはがした跡が見受けられる。

確か、以前は工場名が明示されていた門柱も、今は無印。

元は大船工場の他、家族寮などもあった広大な敷地。村岡新駅(仮称)とあわせ、再開発が予定されているが具体的な工事はまだこれから。