みゆみゆの徒然日記

日本の伝統芸能から映画や本などの感想、
心に留まった風景など
私の好きなことを綴っているブログです♪

三月大歌舞伎・十三世片岡仁左衛門追善

2006年03月25日 | 歌舞伎
 十三代目さんの十三回忌追善興行の歌舞伎座公演昼の部へ行ってきました。お目当ては当代仁左衛門さんの菅丞相の『道明寺』です。私は十三代目さんの存命中にお舞台を拝見したことはありません・・。ですが、とても素敵なお人柄に惹かれる一人です。松嶋屋揃い踏みの舞台なので楽しみにしていました。お席は一階の7列5番(花道のすぐ脇)という最高のポジション。私なんかのような者がこんなVIP席に等しいところの切符を頂いてよいのだろうか?と何度も思い、「それは間違えて手配したので返して下さい」なんて夢にまで見る始末。(正夢にはならなかったけど〜・笑)花道ブロックで観劇したことはあるけど、花道のすぐ脇は初めてだったので、本当にドキドキわくわくでした(笑)この日は友人(小学校&高校の後輩)と一緒に観劇しました。気合いを入れて着物で行きましたら、友達には「気合い入りすぎ!」と言われました(笑)

『吉例寿曽我』
 初めてみました。短いけど曽我物らしい一幕です。けど、曽我兄弟は印象薄(爆)やっぱり愛之助さんです♪花道からは進之助さん。横顔が十三代目さんに似ているかな?と思いましたが、正面から見るとやっぱり我當さんに超そっくりです。そして愛之助さんは白塗りすると仁左さまそっくりなのが不思議です。(誰かの血が混じってるんじゃ?と常に思う・・・)この二人の階段での立ち回りが面白かったです。がんどう返し・・すごいなぁ・・・と思いました。次の場面では、だんまりが豪華。友達は芝雀さんファンですが出番がほんの少し・・とも嘆いていました・・・。でも素敵でしたね。

『吉野山』
 福助さんの静と幸四郎さんの忠信です。私、歌舞伎を見始めた学生の時にこれを見て、「鼓って狐の皮でできているんだ」と思っていまして・・・、初めて鼓を触った時先生に「何の皮でできていると思う?」と聞かれ、思いっきり「狐ですか?」と答えました(爆)狐の皮のもあるのか知りませんが、一般的には「馬皮」です。そして鼓をお稽古している人間としては、「あんな風に鼓を転がしたら、滅茶苦茶怒られるだろうなぁ」と、だけどそんな風に思ったら芝居見られないわとも・・・(苦笑)、無駄話が多くなりましたね^^;。
 花道の福助さん、まじまじと観察。衣装とかも素敵!幸四郎さんの忠信は貫禄ありすぎて、あまり狐っぽくなかったかな?!藤太が出てきてからがパッと明るくなりました。荒川静香がイナバウアーってネタがありました。

『道明寺』
 前回見た時は4年前の菅原の通し。今回は『道明寺』のみの上演です。通しで・・というか筆法伝授がついていた方が分かりやすいとは思うのですが、これだけでもとても良かったです。4年前と苅屋姫、宿彌太郎以外はほぼ同じキャストでした。(ちなみに苅屋姫は玉三郎さん)
 仁左さまの菅丞相は、4年前よりも神々しさを感じました。4年前のは人間ぽさを感じたので・・。前見た時もそうですけど、木像の菅丞相が印象的です。やはり、これを演じるには精進潔斎をされて臨まれるんだな・・・と感じる場面です。苅屋姫との別れの場面では、もらい泣きしてしまいそうになる・・・。前回見た時は、同じ7列でも上手側だったので花道の涙は見えませんでした。ですが、今回はバッチリ拝見。仁左さま号泣でしたよ目の前であの涙を見たら、いろんな意味で心がきゅんとなりました・・・。前回は玉三郎さんの苅屋姫ももちろん素敵でしたが、あまり親子っぽくなく恋人っぽかったです。しかし、今回は孝太郎さんでしたので、玉三郎さんの時よりは親子感は強かった。(当たり前か・・・^^;)
 その他では芝翫さんの覚寿と秀太郎さんの立田、そして富十郎さんの判官代輝国が印象的でした。
 
 今回はとても良いお席で見ることが出来て良い思い出になりました。特に仁左衛門さんの菅丞相の涙。目の前での演技に大感動でした。また、仁左さまの菅丞相を何年後かに拝見したいです。(その時は渋いけど、菅原の通しで是非・・・)

  

 左は、歌舞伎座入り口すぐの所にあった十三代目さんのお写真。二階ロビーにもたくさんの写真が展示されていました。『荒川の佐吉』の親子共演見たかったなぁとかいろいろ思いました・・・・。これからも松嶋屋さんのお舞台を楽しみにしています!!