NPO法人美濃の森造隊だより

人と森林との最適な関係を探るため、岐阜県恵那市を中心に人工林の間伐をしながら森造りを行なうグループの活動報告です。

阿部家訪問 (3月21日)

2011年03月23日 | 学習
昨夜からの雨がしっかりと降り続いています。
町は軒並み灰色で物憂げです。
明知線飯沼駅の踏切を渡り急な上りに差し掛かると、霧が出てきて、知らない所に迷い込んだようです。
こんな時には小さな暖かな炎が欲しくなります。

今日は井口さん、天野さんと阿木の阿部家を訪問します。
阿部家は夫婦と小学生の子供の4人家族。
お父さんは主夫兼木工家具職人、植木職人、として家を守り、お母さんは看護婦さんとして外で働いています。
5年ほど前に阿木に越して来て、小さな住居小屋ひとつから作業小屋兼ゲストハウス、車庫兼家具展示室、氷室と次々に自力で建物を拡張し、まだまだ開拓は続いています。
阿部家を簡単には紹介し切れませんが、大草原の小さな家のインガルス家を髣髴させる魅力的な家族です。
安部家に着いた頃には雨は小降りになり、空も幾分明るくなりました。

阿部家の建物建具は解体された民家からの廃品を多く利用していますが、それが新しさと古さの融合でいい味を出しています。
特に古いガラス類は今のガラスより不均質で厚みがあり、透過する明かりがやわらかくなります。
屋根に載せている温水器も、原子力発電の余剰電力を使ったエコキュートを導入する家庭が増えたことによる廃品で、ここではしっかり役立っています。
福島第一原発の惨状を思うと、便利さと快適さの名の元に墓穴を掘りつつあるような我々の生活の脆さと馬鹿馬鹿しさがこんな所から見えてきます。

ひょっとするとこれから社会の仕組みが大きく変わるかもしれません。
その時目指す社会とは、いったいどんな姿をしているのでしょうか。
社会主義の理想が現実では実現せず、今度は資本主義の夢が危うくなった今、皆で話すうちにおぼろげながら姿を現した仕組みとは、今まで金でしか買えなかった或いは買おうとしなかったサービスや物を皆で融通し合う、GNPでは計れない経済活動を主とした緩やかな共同体のイメージでした。
それが具体的にはどのような形のものか、これから考え続けて行きたいと思います。

私を除いて今回訪問した井口さん、天野さんと、安部夫婦は30代後半から40代のほぼ同年代で、話は弾み尽きることがありませんでした。
おいしい昼食まで頂いて長居をしてしまいました。
さて、4月から井口さんは高山へ、天野さんは新しい職場へと新たな道にまた一歩を踏み出すそうです。
そこにはきっとまた新しい出会いと出来事が待っているでしょう。
今度会った時にはどんな人と出来事に出会ったのか、楽しい話を聞かせて下さい。
コメント
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