《ら》
『ラブ&ジェラート』(原題:Love & Gelato)
2022年のイタリア作品。Netflixにて配信。
リーナは
MITに進学が決まっているアメリカ在住の優秀な女子高生。
大好きだった母親ハドレーが病死し、その生前遺言に従って、
若かりし頃の母親が過ごしたイタリア・
ローマへひとりで卒業旅行に。
かつてハドレーが
ホームステイしていた家にリーナも世話になることに。
ガリ勉で男にまったく免疫のないリーナが知り合ったのは、
大企業の御曹司で
ハーバードへ進学するうえに美形のアレッサンドロ。
同時に、アレッサンドロの同級生で
料理人を目指すロレンツォとも知り合い……。
自分の父親が誰かを知らなかったリーナが、
ローマでハドレーの親友だったフランチェスカから母親の
日記を受け取ります。
日記を読み進めることで母親の恋を知る。ハッピーエンドはいいですねぇ。
《り》
『リング・ワンダリング』
2020年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
ニホンオオカミと最強の
猟師が対決する物語を執筆中だが、
絶滅したニホンオオカミの資料が少なすぎて困っている。
ある日、仕事中に動物の頭蓋骨らしきものを発掘してこっそり持ち帰ると、
これがニホンオオカミの骨かもしれないと思えてどんどんアイデアが湧く。
ほかにも骨が眠っているのではと夜中に現場に忍び込んだところ、
いなくなった飼い犬“シロ”を探しているという女性・ミドリ(
阿部純子)と遭遇。
草介が驚かせてしまったせいで足を挫いたミドリを負ぶって家まで送ることに。
どうも一家と草介の話が噛み合わない。
会話の糸口も見つけられず、草介はシロの絵を描き始めるのだが……。
草介の漫画の中の世界も映像化されていて楽しめるけど、
結局何が主題だったのかと考えるとよくわかりません。
ニホンオオカミかと思った骨はシロのものでしたというところは○。
《る》
『ル・パシヤント ある患者の記憶』(原題:Le Patient)
2022年のフランス作品。Netflixにて配信。
16歳のときに何者かに刺され、3年間
昏睡状態にあったトマが目覚める。
事件現場は自宅で、両親と従兄は銃殺されていたらしい。
断片的な記憶しかないトマと対話する精神科医アナは、
事件後に行方不明になっているトマの妹ローラについて尋ねるのだが……。
実は両親と従兄を殺した犯人はトマで、
ローラに至ってはとっくの昔に亡くなっていて、その存在すらトマの幻想。
愛されずに育ったトマは暴力的になりましたという驚きのオチ。
悪夢に登場するモンスターが自分自身だったなんてねぇ。
アナはすべてを知っていてトマに思い出させようとしていたのでした。
驚きのオチの割にはなんとなく予想できてインパクトは弱い。
この暗さは結構私の好みですが、万人にはオススメしません。
《れ》
『れいこいるか』
2019年の日本作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
伊智子(武田暁)と太助(河屋秀俊)と幼い一人娘のれいこが家族で
須磨海岸へ出かけた日、
伊智子は愛人から呼び出されてその場を離れ、
ラブホで浮気。
それをきっかけに離婚した伊智子と太助だったが、何年か毎にばったり会って……。
娘が亡くなった事実をことさら強調するわけではないから、余計に辛く感じます。
再婚を繰り返す伊智子、DVに遭っている他人の母子を見て、男を殺してしまう太助。
伊智子の浮気相手が数年後には
性転換してスナックのママになっていたり、
そのスナックで伊智子が働いているかと思えば、
太助の父親が伊智子の実家の酒店にタダ酒を飲ませてもらおうとやってきたり。
何とはなしに昔のピンク映画のような人情味も感じられます。
2021年の
『映画芸術』ではベスト1とワースト10の両方にランクインしたことに納得。
《ろ》
『ローラとふたりの兄』(原題:Lola et Ses Freres)
2018年のフランス作品。TSUTAYA DISCASにてDVDレンタル。
フランス・アングレームに暮らす
離婚弁護士のローラには
眼鏡士の長男ブノワと、年子で
解体業者の次男ピエールという2人の兄がいる。
3人は毎週木曜日に両親の墓前に集まる約束をしているが、
3度目の結婚をしたばかりのブノワは、ピエールが式に遅れてきたうえに、
スピーチで花嫁の名前を間違えたことに怒り、口をきこうとしない。
妻と別れて大学生の息子をひとりで育てているピエールは、
解体作業中の事故の責任を取らされて失職したことを息子にも兄妹にも言えない。
ローラは離婚調停の依頼人だったゾエールと恋仲になり、
兄たちに喜んでもらえるだろうと報告したのに、ブノワもピエールも素っ気ない。
やがてローラはまだ35歳にもかかわらず閉経前期の身体であると診断されて……。
劇場で観たかったのに観逃した作品です。
とても優しくて、ところどころ笑えて、泣けて、凄くよかった。
人間っていいなぁと思えます。今年DVDで観たなかでいちばんよかった作品かも。