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『マイ・サンシャイン』

2019年02月07日 | 映画(ま行)
『マイ・サンシャイン』(原題:Kings)
監督:デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
出演:ハル・ベリー,ダニエル・クレイグ,ラマー・ジョンソン,
   カーラン・KR・ウォーカー,レイチェル・ヒルソン他

『銃』を観た翌日も塚口サンサン劇場へ。
サンサン劇場での過去2度の鑑賞は、いずれもシアター1でした。
ここが席数50に満たない小さなシアターだったから、
あと3つあるシアターもそのぐらいの広さというのか狭さだと思い込んでいました。
そうしたらそうじゃなかった。シアター3は席数165。広っ!

ハル・ベリーダニエル・クレイグが出ているから観たかったのに、
12月の公開時にシネ・リーブル梅田で観そびれたやつ。
こうして書こうとしてビックリ、アメリカ作品じゃないのですね。
フランス/ベルギー作品とは、へ~っ。
しかも監督はトルコ出身、デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン。40歳の女性です。
ロサンゼルス暴動について調べるために、何度も現地へかよったとか。

1990年代初めのロサンゼルス、決して裕福とはいえない層が暮らす地域。
ミリーはケーキを焼いて日々の生活費を稼いでいる。
なんらかの事情で両親と暮らせない子どもを見ると放っておけず、
次から次へと自宅へ引き取ってきて世話をするホストマザー。

隣人の男性オビーは荒々しい気性の持ち主。
なにかと騒がしいミリーの子どもたちも怒鳴りつけられることしょっちゅう。
しかしそんなオビーが実は優しいことを知っているのか、
子どもたちは怖がるどころかむしろ面白がったりもしている。

巷ではロドニー・キングが白人警官に殴打される事件が起こり、
また、ラターシャ・ハーリンズが万引きを疑われて
韓国系アメリカ人の店主によって射殺される事件も起きたばかり。
人種間の対立が深まり、大規模な暴動が巻き起こるなか、
家を飛び出した子どもたちを探そうと駆けずり回るミリーにオビーは協力するのだが……。

原題の“Kings”はロドニー・キングとキング牧師を示すのでしょう。

10年以上前に本作を企画して取材を始めたという監督。
本作を観れば、ロサンゼルス暴動がいかにして起こったのかは知り得ます。
しかし、全体としてはなんだか散漫なイメージ。
オビーの人となりもよくわからないので、いきなりいい人になるところは目が点に。
ダニエル・クレイグだから許せるものの、
名も知らない俳優が同じ役を演じていたら、「はぁ?」と言いたくなったでしょう。

シリアスな状況のなかでのミリーとオビーの会話も、
笑わそうとしているのかどうなのかわかりません。
結局私は笑ってしまったけれど、笑うところじゃなかったのかも。

実際の主役は、ミリーと暮らす子どものうち最年長者のジェシーなのに、
ミリーとオビーに焦点を合わせたいふうにも感じられてどっちつかず。
バランスの悪い作品だと感じました。ちょっと残念。

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