夜な夜なシネマ

映画と本と音楽と、猫が好き。駄作にも愛を。

『3つの鍵』

2022年10月09日 | 映画(ま行)
『3つの鍵』(原題:Tre Piani)
監督:ナンニ・モレッティ
出演:マルゲリータ・ブイ,リッカルド・スカマルチョ,アルバ・ロルヴァケル,
   エレナ・リエッティ,アレッサンドロ・スペルドゥーティ,デニーズ・タントゥッチ他
 
シネ・リーブル梅田にて、2本ハシゴの2本目。
ナンニ・モレッティ監督によるイタリア/フランス作品です。
 
ある夜、1階の部屋に車が突っ込み、途中の路上にいた女性が亡くなる。
 
運転していたのは3階に住む裁判官夫婦のヴィットリオとドーラの息子アンドレア。
アンドレアは飲酒運転のうえ、人を轢き殺したというのに反省の色まるでなし。
道楽息子に手を焼くヴィットリオはもう御免だと思っているが、
ドーラはなんとか息子の罪を軽くできないものかと考えている。
 
暴走する車を目撃したのは2階に住む妊婦モニカ。夫は出張で留守にしがち。
この夜、産気づいたためにタクシーを拾いに表に出たときに事故を見る。
自分のことで手一杯だから、現場をあとにして病院へと向かい、無事出産。
 
車が突っ込んだ1階に住んでいるのはルーチョとサラ、その娘フランチェスカ。
共働きの夫婦は、出かける間、フランチェスカを見てもらおうと、
向かいの老人夫婦レナートとジョアンナに娘を預けるのだが……。
 
イライラします。誰も好きになれません(笑)。
アンドレアは言うまでもなく、ろくでなし。
厳格な父親のもと、鬱屈した少年時代を送ってきたのでしょうが、
そんな父親に自分の罪を消してもらおうとする浅はかさ。
それが無理だとわかると父親に暴力を働きます。
息子を溺愛するのは致し方ないとして、ドーラの言動も道徳観に欠けている。
 
モニカには強迫観念症の母親がいて、自分にもその遺伝子があるのではと心配しています。
妙なもの、たとえば部屋の中にカラスが見えたりして落ち着かない。
夫と犬猿の仲の義兄が悪事を働き、夫の留守中に訪ねてきた義兄を拒絶できない。
 
ルーチョはレナートがフランチェスカに性的ないたずらをしたと疑っていて、
検査で何もなかったことが知らされても信じようとしません。
どうしても何かあったことにしたいように思われて腹立たしい。
 
さらにイラつくのがレナートの孫娘シャルロット。
ルーチョの疑念を知らずに、彼に色仕掛け。
思いっきり誘っておいて、ルーチョが自分に気がないのを知ると、レイプされたと警察に訴えます。
 
希望を残す最後だという見方もあるのでしょうが、私には甘く見えて仕方がない。
睡魔には襲われなかったから面白かったということになるけれど、いい気分ではありません。
 
原作はイスラエルの作家エシュコル・ネヴォによるもので、
モレッティ監督は冒頭からしてずいぶんアレンジしているそうです。
読んでみたい。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『秘密の森の、その向こう』 | トップ | 『マイ・ブロークン・マリコ』 »

映画(ま行)」カテゴリの最新記事