夜な夜なシネマ

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『アドミッション 親たちの入学試験』

2014年05月20日 | 映画(あ行)
『アドミッション 親たちの入学試験』(原題:Admission)
監督:ポール・ワイツ
出演:ティナ・フェイ,ポール・ラッド,マイケル・シーン,ウォーレス・ショーン,ナット・ウルフ,
   リリー・トムリン,グロリア・ルーベン,トラヴァリス・スピアーズ他

私はわりと好きなのに、出演作はDVDスルーの憂き目に遭いがちなポール・ラッド。
劇場未公開作品がDVD化されるたびにせっせと借りていますが、
『ぼくたちの奉仕活動』(2008)、『40男のバージンロード』(2009)、
『奇人たちの晩餐会 USA』(2010)などいずれも楽しく、
しかも観終わるとじんわりと幸せを感じられる作品ばかり。

だから劇場公開してくれたらいいのに~と思うのですけれども、
本作は主演のティナ・フェイも日本では知名度が低く、
『ベイビーママ』(2008)、『デート&ナイト』(2010)とやはり未公開。

おまけに監督といえば、『アバウト・ア・ボーイ』(2002)が公開された後は
ロバート・デ・ニーロベン・スティラーを起用しようとも
なぜか日本では公開してもらえないポール・ワイツで。

そんな未公開トリオによるやっぱり未公開の2013年のアメリカ作品です。
先月末よりTSUTAYA DISCASにてレンタル開始されました。

名門プリンストン大学の入学事務局に16年勤務している女性ポーシャ。
その仕事は、何万人という入学希望者の書類を徹底的にチェックして
大学の名に恥じぬ、そして将来大物になりそうな高校3年生を見極めること。
同僚のコリンと火花を散らしながら、優秀な若者を見つけるために必死。

そんなポーシャのもとへ、新設のクエスト校の教師ジョンから電話がかかる。
ジョンはポーシャとは面識がないが、大学の同期らしく、
そのよしみでプリンストン大の受験に関してクエスト校でも説明してほしいと言う。

忙しいときに面倒な話を持ってこられてもと最初は適当にあしらうが、
毎年受験者数1位を誇っていたプリンストン大が昨年度は2位に陥落。
何が何でも1位に返り咲きたい事務局長にいい顔をしたくて、ポーシャはクエスト校へ。

生徒たちはみんなプリンストン大に入りたいに決まっている。
そう決めつけていたポーシャだったが、クエスト校は口の立つ生徒たちばかり。
人種差別や性差別があからさまな大学へ行くよりいい道があるのではないかと
生徒たちから迫られて怯み、なんとか言い返して退散。

後を追いかけてきたジョンは、生徒の態度を詫びると、
クエスト校いちばんの秀才で、プリンストン大を受験したいという生徒ジェレマイアを紹介する。

クエスト校周辺の高校をまわる間、ポーシャは母親がひとりで暮らす実家に泊まることに。
ひさしぶりに娘に会っても喜びもしない母親に呆れ、
ちょうどジョンから食事の誘いがあったのをいいことにポーシャは出かける。
その帰り、ジョンが「ジェレマイアはポーシャの息子だ」と言い出し……。

若気の至りで妊娠、出産したあとすぐに養子に出した息子。
仕事に没頭し、パートナーも見つけて、結婚はせずとも幸せに暮らし、
息子がいることなど思い出さないように生きてきたはず。
それが、パートナーの浮気相手に子どもができたからと突然別れを言い渡され、
別れの傷も癒えぬ間に、今度は自分の息子とおぼしき人物が現れる。

常に冷静沈着だったポーシャが感情に振り回されてしまう様子をティナ・フェイが熱演。
また、『ウォールフラワー』(2012)でも理解ある教師役だったポール・ラッドが
本作でもやはり生徒を思いやる教師をさらりと好感度高く演じています。

劇場公開するには地味なんだろうなぁとは思いますが、
人生は悪いことばかりじゃないと思える後味に、
いつものポール・ラッドの出演作のさわやかな鑑賞感。この地味さが好き。

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