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『この子は邪悪』

2022年09月09日 | 映画(か行)
『この子は邪悪』
監督:片岡翔
出演:南沙良,大西流星,桜井ユキ,渡辺さくら,桜木梨奈,稲川実代子,二ノ宮隆太郎,玉木宏他
 
109シネマズ大阪エキスポシティにて、前述の『DC がんばれ!スーパーペット』の次に。
 
片岡翔監督は『町田くんの世界』(2018)や『ノイズ』(2022)の脚本家でもあります。
幸せ溢れる話をお書きになることもあれば、途轍もなく嫌な話もお書きになる。
これは後者でした(笑)。ホラーじゃないのにすべてがホラー。
“TSUTAYA CREATORS' PROGRAM FILM 2017”の準グランプリ受賞作品なのだそうです。
 
窪家は両親と娘ふたりの4人家族。
5年前、一家で遊園地に行った帰りに交通事故に遭い、母親は昏睡状態に陥って入院中。
退行催眠による心理療法の診療所を開く父親の司朗(玉木宏)は脚に障害が残り、
次女の月(るな)(渡辺さくら)は顔に火傷を負って仮面を被ったまま生活している。
長女の花(南沙良)のみ無傷であったことを花自身は申し訳なく思い、
学校にも行かずに家事を一手に引き受け、家族の面倒を見ている。
 
ある日、司朗が「奇跡的に目を覚ました」と言って母親の繭子(桜井ユキ)を連れ帰る。
月は大喜びで繭子に駆け寄るが、花はどこか違和感をおぼえ、素直に喜ぶことができない。
事故に遭う前同様に繭子はピアノが上手く、料理も花が知っている母親の味。
しかし母親と別人のような気がして仕方がない。
 
そんなとき、花に近づいてきたのは四井純(大西流星)。
純はかねてから抜け殻になったかのような大人を近所で見つけてはフィルムに収めていた。
いずれもかつて司朗の患者だったことがわかり、
花と純は司朗が連れ帰った「繭子」の正体を調べはじめるのだが……。
 
ネタバレしちゃってもいいですか。
 
行動不審な大人はみんな自分の子どもを虐待していた人。
司朗はそんな非道な親を見つけては、治療という名のもとに抜け殻状態にしていたんですね。
もっとしっかりネタバレすると、そういう大人とウサギの魂を入れ替えていたという。
ポカーン、でしょ。
 
ウソかホントか、ウサギって無垢だから、魂を入れ替えやすいんですって。
司朗の診療所にはウサギがいっぱいいて、実はウサギたちの中身は人間たち。
逆に見た目は人間だけど中身はウサちゃんになってしまった人たちは、
ウサギみたいなポーズでちんまり座り、時にはベランダの柵をカリカリかじり、目は真っ赤。
もう怖いのなんのって。
 
虐待をする大人は許せません。こんな目に遭っても気の毒だとも思わない。
ただ、司朗の場合は、自分の家族を取り戻すべく、妻も次女も別人をさらってきて催眠術をかけている。
死んだ人は還って来ないし、誰もその代わりなんてできないのに。
 
さて、タイトルの「この子は邪悪」の「この子」は誰を指しているでしょう。
これもネタバレしますと、司朗と繭子の身代わりとの間に生まれた赤ちゃん!
司朗を思い起こさせる赤ちゃんの笑顔としぐさにゾワーッ。(^^;

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