お目当ての貝を探そうと
砂浜をブラブラ歩いていたら
おじさんに声をかけられました。
「おねえさん、どこからの来たの?」
「すぐそこです」
そこでおじさんが
丸くて白いものを取り出し
私に見せてくれました。
「これ、知ってる?」
「なんですか?」
「これね、旅する石。
大島のそのもっと先に新島とか
三宅島とか御蔵島とかあるんだけどね
そっから旅して流れてきたの
ぷかぷか浮かんで長い間旅してここにきたの
『軽石』なんだよ」
そう言ってジャンパーのポケットをゴソゴソやって
小さな白い石を「これあげる」と私にくれました。
本当に軽石なのか
本当に三宅島の方から来たのか
本当におじさんの言う通りなのか
そんな事あまり考えなくて
ただただ単純に私は
「これは三宅島の方から来た石なんだ~!」と信じ
小躍りしたいくらいに嬉しくなってしまいました。
偶然出会った見知らぬおじさんを経て
遠い所から旅してきた石が
巡り巡って私のところに来て
こうして手の上にのっているなんて。
海っておもしろいですね。
出会いっておもしろいですね。