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超犀門的日常身辺雑事控

from Musashino
since December 8, 2009

3億キロの彼方に

2012-05-09 | 独り言
【2003年の今日、一機の宇宙機を載せたロケットが轟音一閃鹿児島を飛び立ちました。『工学実験探査機MUSES-C』と呼ばれたその宇宙機は、地球重力を振り切って惑星間軌道に飛び出して行きました。これが『はやぶさ』の旅立ちです。】

これは@Hayabusa_JAXAの今日のtweet。

…感無量。

あれから9年なんだ。

『はやぶさ』は、あの燃え尽きながらオーストラリアの砂漠に帰還し、無事に小惑星『イトカワ』の地表の土(正確には微粒子)の採取に成功した事ばかりが話題になったけれど…

もう一つ、とても地味だけど素晴らしいミッションにも成功している事は余り知られていない。

それは、日本惑星協会が企画した『星の王子様に会いに行きませんかキャンペーン』と言う、何とも気恥ずかしいネーミングの元に、「貴方の名前を宇宙に置いて来ませんか?」って話だ。

つまりは『はやぶさ』が『イトカワ』に接近する際に『ミネルバ』と命名されたソフトボール大の大きさの球体を投下して来るのだが、その『ミネルバ』を包むアルミ箔の内側に特殊な技術で貴方の名前を刻みますから一口如何かな?って事だった。

何とも壮大でロマンティックな話じゃないか。

3億余キロも離れた宇宙空間に自分の名前が漂う事になるのだもの。

これは迷う事なく速攻で応募した。

後の発表によると、世界149ヵ国から約88万人が参加したらしい。

日本人は13455人。

この中に主と息子の名前が含まれているのだ。





『はやぶさ』は数々のトラブルを乗り越えて2005年9月12日に『イトカワ』に着陸し、メインのミッションをクリアー。

どうやら『ミネルバ』も無事に投下されたようだ。

勿論、地球外の天体に人の名前が届けられたのは世界初の出来事。

『イトカワ』が消滅?爆発?でもしない限り、自分の名前が永遠に遥か彼方の宇宙空間にある。

いっその事、これが墓標でも良いと真剣に考えたりもする。

帰還後のイベントにも行ってないし、ましてや映画も観てないけど…

ありがとう『はやぶさ』。




【memo】
写真はJAXA HPから借用しました。

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