井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

遙かなる山、ペテガリ岳 その1 10年9月

2010-11-27 21:19:25 | 日高山系の山
9月22日から2泊3日でペテガリ岳へ行って来ました。
ペテガリ岳は憧れの山です。
日高山脈でも奥深い位置にあるため山を始めた頃(40年ほど前)には私などが登れる山ではなく、本当に1部の人達が登れる山だったのです。
そのペテガリ岳には十勝側から東尾根コース、日高側から西尾根コースの2コースの夏道があります。
しかし、東尾根コースはコースの長さから入る人が少なくなりハイ松や灌木に登山道が塞がれた荒れた道となっているようです。

一般的には西尾根を登ります。
その西尾根も登山口となるペテガリ山荘へ車で入ることができないために、神威岳の登山口となる神威山荘から一山越えてペテガリ山荘へ来ることになります。


 9月22日(水)

 札幌を朝5時半に発ち、途中で静内町(現新日高町静内)にある森林管理署に立ち寄り元浦林道の鍵を借ります。
林道の鍵は森林管理署へFAXで申し込みをして事務所が始まる前の時間に受け取りたいのでその旨書いておくと事務所前に設置されている入林ポスト鍵を用意してくれています。
その鍵を受け取り神威山荘目指して走ります。

9時40分、やっと神威山荘に到着です。
ペテガリ岳には、神威山荘の手前2キロほどのところからニシュオマナイ沢へ向かって200mほど走ります。
ここには、駐車場があります。

ここへ車を止めて、9時丁度、いよいよペテガリ山荘へ向かっての山越えです。
まずはニシュオマナイ川を渡ります。
     
    沢水は足首を少し越えるくらいの水量です。
川にある飛び石を越えて渡りますので、夏靴のまま沢を越えます。
ここから15分くらい廃道となった林道を川上に向かって歩きます。
     
     
     小さな沢を渡り廃道となった林道跡を登り、コースを間違っていることに気が付きました。
ここはこの沢に沿って登らなければいけないところです。
左にある木の根本に標識があったのですが気が付かず、氏バラ帰庫の林道を登ってしまいました。

 この沢は踏み分け道がしっかりと付いています。
小さな沢を右に左に渡りながら登っていきます。
     
   この沢は日当たりも良くこの季節になると虫もいないので気持ち良く歩けます。

 しばらく歩くと前方に滝が見えてきます。
    
     落差7m~8mのすっきりとした滝です。
右岸にしっかりとした巻き道がありますので簡単に乗越せます。

 沢がだんだん狭きなってきますが、踏み分けもしっかりしており、さらに、枝沢に間違って踏み込まないようにピンクテープが張られるなど道に迷う心配はありません。

前方に笹藪が見えてくるともうすぐ乗越点です。
狭い掘り割り状の道を笹に掴まりながら登ると乗越点です。
ここまで、登山口から1時間15分ほどでした。

ここから笹藪を右手に少し進み、小さく急な沢を下ります。
この沢は急ですので足元に注意して下ります。
20分ほど下ると斜面一面に植林された明るい場所に出ます。
これで乗り越しは終わりました。

ここから右手に向かって草原を歩きます。

  
  林道が大きく削られています。
ここに、ペテガリ山荘と神威山荘の標識がありました。
川原から林道にあがりペッピリガイ川に沿って下ります。

しばらく下ると前方に見える林道が綺麗に新設されています。
路面は砂利が綺麗に転圧され、路肩も綺麗に造成られています。
今歩いてきた道との違いにビックリです。

20分ほど歩くと建設作業用のK形ハウスがあり、どうやら工事関係者の事務所のようです。
この事務所を横目で見ながら、ここまで車や重機が入ってこれるなら静内ダムからの林道を使わせてくれても良いと思いました。

こんな事を考えながら歩いているとペテガリ川に掛かるペテガリ橋が見えてきました。
この端が見えてくればペテガリ山荘はもう少しです。

林道の右手に三角屋根が見えてきました。
ペテガリ山荘です。
その手前の林道に鹿がいます。
   
   近づいていっても逃げようとしません。
よほど人慣れしているのでしょうか。
     

 12時55分、神威山荘近くの登山口から約3時間の道のりでした。
今日はこの山荘に泊まってペテガリ岳には明日登ります。


 ペテガリ山荘は、なかなか立派な小屋でした。
窓はしっかりとしたサッシがはめこまれており、入口も一般住宅用のサッシです。
小屋の左側にはトイレ、右側には台所があります。
どちらも、夜には自動で電気が点灯します。

小屋の中にはいると40半ば位の男性が一人います。
話を聞くと1昨日ペテガリ沢に入り途中で1泊、昨夜はペテガリ山頂で1泊、今日下山してきたと話してくれます。

今夜はこの人と二人きりのようです。


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  この男性は、横浜から来ているようでした。
 長年ペテガリ岳に憧れを持っていたがペテガリ岳に登るためには1週間ほどの休暇が
 必要とのことです。
 何故か聞いていると、ペテガリ岳にはペテガリ沢から登りたっかったと話してくれます。 今回は、7~8年振りに仕事が少し暇な部署に異動になったのでやっと来ることができた ようです。

  普段も沢登りが主体のようで、すでに、百本は登ったと言います。

  この人がペテガリ沢を登っていると下降してくる人達に会ったといっています。
 自分が苦労して登っている沢を下降ルートに使っている人達がいる。
 上には上の人がいるのだと感心していました。

 (この時には気が付きませんでしたが、あとからこの下降してきた人達はネパールで
  一緒だったO君達だと分かりました。
  O君達もこの人の出で立ち(地下足袋にわらじ)を見てただ者ではないと
  話していたようです。)

  ペテガリ岳に登に来る人は二百名山巡りの人ばかりだとガッカリしています。
  私に「あなたも二百名山ですか?」と聞くので、私は「違います」と答えると、
  安心したような顔をしています。

  きっと、自分の憧れの山が単なるスタンプラリーのような山登りの対象として
  登られることにガッカリしているようです。
  この点については、私も同感です。

  ペテガリ岳でなくカムイエクエチカウシ山も二百名山にランクされている
  ことによって本州から多くの登山客が押し寄せています。
  カムエクはいい山であることは間違いがありません。

  しかしその山へツァーで入る登山客が起こしている事故が増えています。
  ペテガリ岳のように登山基点として立派な小屋があるところはオーバーユース
  の問題は軽減されます。

  しかし、カムエクは8の沢出合いなどはトイレの問題もあり環境が汚染される
  危険性があります。
  オーバーユースの問題だけでなく、沢登りに不慣れな登山客には危険なコースです。
  そのため事故も増えます。

  もう少し、自分の実力をわきまえた登山はできないものなのでしょうか?

  
  今夜は中秋の名月です。

  夜、外へ出ると煌々とした月の光が辺り一面を照らしています。
  その月の光の中を鹿が草を食べています。

  今夜はストーブの暖かさに包まれた小屋で熟睡です。
  

    
   

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
はるかなペテガリ (御池)
2010-12-13 10:26:37
お初です。
7月に日高に行っていました。
9日10山行きました。

カムイ、ペテガリ、と行ったからきついですね。
単独ではなく2人です。
その後足いためて、イドンナップは下で待っていました。二日後カムエクへは何とか行きましたが此処もきつい山ですね。
北海道百は遠方ゆえ行きません。
300は成るべき行きたいが、それだけが目的でもないから。今は岐阜百目指しています。未だ39残っていますから未だ2年は掛ります。
216登りました。
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修正 (御池池守)
2010-12-13 10:29:37
9日ではなく、19日間です。
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初めまして! (MIKO)
2010-12-15 19:09:42
私の拙いブログに訪問をいただきありがとうございます。

さて、どんなルートでこのブログの存在に気がつかれたのでしょうか?
自分のブログがどんな言葉で検索できるのかちょっと気になりますね。

御池さんは、岐阜県にお住まいなのですね。
岐阜と長野の県境は北アルプスですので、岐阜百名山には日本百名山もランクされているのでしょうか?

私は、本州の山には2度しか行ったことがありません。

ゆくゆくは足を伸ばしてみたいと思っています。

大したことが書かれているブログではありませんが、これからもよろしくお願いします。
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