私達が取り組んでいる日高主稜線縦走もいよいよ佳境に入ってきました。
3月には十勝岳から楽古岳を歩きました。
この時点で残された部分が今回歩こうとしている神威岳からペテガリ岳、エサオマントツタベツ岳の山頂を挟んで1kmほどなのです。
今回は、この残されている部分の神威岳からペテガリ岳を歩いてきました。
この区間は南日高でも最奥部に位置しているためアプローチが長いのです。
ベースとなる神威山荘まで林道歩きが13Kmほどあり、歩いて4時間はかかります。
そのためこの林道歩きを入れるとどうしても1泊~2泊余分に考えなければいけないのです。
さらに、神威岳からペテガリ岳東尾根までは登山道がありません。
そんな理由から、このルートを縦走するには5月の残雪期が適期といわれています。
私達はメンバーの都合からこの適期であるGWに歩くことが出来ません。
そんなことから昨年と同じこの時期にこのルートに挑戦することになりました。
根拠のない自信ですが、昨年はこの時期に神威岳からソエマツ岳を歩いた実績があります。
まあ、何とかなるでしょう!?ということで計画しました。
幸いなことにこの時期に天気はとても安定しています。
今回も約1週間ほど雨マークの見あたらない週間天気予報に勇気付けられています。
5月23日(土曜日)
朝8時に集合して浦河町にある登山口を目指します。
登山口に突いたのは12時頃です。
さっそく登山準備をして林道を歩きます。
林道歩きをしていて気の付いたのが何と倒木が多いのです。
15センチほどの木の幹が途中で折れて道路を塞いでいるのです。
こんな場所が所々に現れます。
昨年はこんな倒木はなかったのです。
倒木だけでなく道路にも沢水が流れて作られた深い溝があるのです。
昨年秋に南日高を襲った豪雨の影響だと思われます。
3時間ほど歩くとやっと神威山荘が見えてきました。
今日はこの小屋で1泊します。
それにしてもニシュオマナイ山は格好いい山です。
5月24日(日曜日)
昨夜は暖かい夜だったのでゆっくり寝ることが出来ました。
4時起床、5時には登山準備が出来たので出発です。
今日の目標はニシュオマナイ山まで行くことです。
ここかあ神威岳までは昨年も歩いた路ですのでドンドン歩きます。
15分ほどで渡渉点に来ましたが、飛び石で渡れた沢の様子が昨年とは違っています。
沢の中央部にあった大きな石が下流に動いています。
そのため飛び石伝いで沢を渡ることが出来なくなっています。
今回は沢を歩くことも想定して沢靴を用意してきました。
ですから私は沢をザブザブ渡りました。
渡り終えて廃道となった林道を進みます。
熊の足跡がありますので時々笛を吹きながら進みます。
5:35分、下二股に到着です。
沢の様子を見ましたが、特に変わった感じはしません。
直ぐに笹原へ進みますが、この笹原に付けられた踏分路が途中で消えています。
右手の沢へ向かえばいいだけなので強引に進みます。
初めての方には十分注意のいる場所だと思います。
さて、左股の沢は昨年と比較しても変わったようすが感じられません。
淡々と沢を登ります。
6:30分、大塚さんのレリーフに到着です。
今回の登山の無事をお願いして手を合わせます。
この辺りから少し登ると日陰の斜面に雪が残っているのです。
その雪の量がドンドン多くなってきます。
上二股の辺りでは沢が完全に雪で埋まっています。
この状態では沢水を汲むことが出来ません。
どこかいい場所がないか探していると山の斜面から水が流れ込んでいるではありませんか。
細い流れですが、十分な量の流れでした。
ここで今夜の飲料水として3リットルの水を担ぎあげます。
残雪があればそれを融かして飲料水を作る予定ですが、稜線の様子が分からないのでとりあえず担ぎ上げることにしました。
これでザックの重さが一気に増したような気がします。
さて、上二股から直ぐ上に尾根取付点があり、沢の中央部にある大きな岩に矢印が書かれています。
しかし、残雪のためその岩は雪の下です。
右岸の斜面を注意深く見るのですが探せません。
やむなく、ザックを置いて懸命に探しました。
すると、やっと登山路を発見することが出来ました。
登山路の手前に倒木があり、そのため路が隠されていたのです。
7:15分、これで先へ進むことが出来ます。
安心したのも束の間、ここからは急坂が延々と続きます。
ザックの重さはそれぞれ20kを超えています。
肩に食い込むザックの重さに耐えて急坂を一歩一歩登ります。
今日一番の苦しい登りです。
ニシュオマナイ山が見えてきました。
この様子では残雪で水を作れそうです。
それが分かれば担ぎ上げた水を少し捨てても良いようです。
飲めるだけ飲んで、行動用の水以外に1リットルだけ残して捨てました。
捨てた水は1.5リットルほどですが、これだけでザックが少し軽く感じます。
9:50分、やっと、稜線への分岐点まで登ってきました。
細くなった稜線に強い風が吹き付けてきます。
ここからニシュオマナイ山へ向かいます。
ニシュオマナイ山までの稜線が一望できます。
しかし、この景色を見ると何と遠いことか、気が滅入ってしまいます。
風陰で休憩しましたが、強い風が吹いているため直ぐに身体が冷えてしまいます。
風に追われるように稜線を降ります。
しかし、この稜線は急なのです。
足下が見えない位急な斜面でしかも、細いのです。
おまけに谷から吹き上がってくる風が身体を揺らします。
ハイ松の枝を必死に掴んでバランスを取りながら降ります。
アドレナリンが農を駆け巡ります。
左側はスパッと切れ落ちています。
こちらに落ちると命を落としそうな感じがします。
真剣にならざるを得ません。
それでも風にバランスを崩されあわててハイ松に覆い被さり耐風姿勢を取ることが数回ありました。
ハイ松の深いところもありますが、この方が安心して歩けます。
真剣に歩いているといつの間にか神威岳の姿が遠くなっています。
十勝側に残雪があるのが分かっていました。
距離にして300mはありそうでした。
その残雪に辿りついてホッと一息つけました。
この残雪は本当に助かりました。
雪の上を歩くのは照り返しで暑いのですが、それよりもさくさく進むのが気持ちいいものです。
ニシュオマナイ山も大分近くなってきました。
この残雪を歩きながらニシュオマナイ山攻略のルートを話し合います。
残雪を繋ぎながら登りますが、数カ所ハイ松を越えなければなりません。
最後は笹原に残っている鹿道を使いながらニシュオマナイ山に到着です。
13:40分、山頂の東側にあるテントサイトに着きました。
このテントサイトは最高です。
草原を少し均してテントを張ります。
後は、今日歩いてきた稜線を見ながらゆっくりお酒を楽しみます。
昨年歩いた神威岳からソエマツ岳、一番奥にはピリカヌプリが見えています。
至福の時間を楽しみます!!
3月には十勝岳から楽古岳を歩きました。
この時点で残された部分が今回歩こうとしている神威岳からペテガリ岳、エサオマントツタベツ岳の山頂を挟んで1kmほどなのです。
今回は、この残されている部分の神威岳からペテガリ岳を歩いてきました。
この区間は南日高でも最奥部に位置しているためアプローチが長いのです。
ベースとなる神威山荘まで林道歩きが13Kmほどあり、歩いて4時間はかかります。
そのためこの林道歩きを入れるとどうしても1泊~2泊余分に考えなければいけないのです。
さらに、神威岳からペテガリ岳東尾根までは登山道がありません。
そんな理由から、このルートを縦走するには5月の残雪期が適期といわれています。
私達はメンバーの都合からこの適期であるGWに歩くことが出来ません。
そんなことから昨年と同じこの時期にこのルートに挑戦することになりました。
根拠のない自信ですが、昨年はこの時期に神威岳からソエマツ岳を歩いた実績があります。
まあ、何とかなるでしょう!?ということで計画しました。
幸いなことにこの時期に天気はとても安定しています。
今回も約1週間ほど雨マークの見あたらない週間天気予報に勇気付けられています。
5月23日(土曜日)
朝8時に集合して浦河町にある登山口を目指します。
登山口に突いたのは12時頃です。
さっそく登山準備をして林道を歩きます。
林道歩きをしていて気の付いたのが何と倒木が多いのです。
15センチほどの木の幹が途中で折れて道路を塞いでいるのです。
こんな場所が所々に現れます。
昨年はこんな倒木はなかったのです。
倒木だけでなく道路にも沢水が流れて作られた深い溝があるのです。
昨年秋に南日高を襲った豪雨の影響だと思われます。
3時間ほど歩くとやっと神威山荘が見えてきました。
今日はこの小屋で1泊します。
それにしてもニシュオマナイ山は格好いい山です。
5月24日(日曜日)
昨夜は暖かい夜だったのでゆっくり寝ることが出来ました。
4時起床、5時には登山準備が出来たので出発です。
今日の目標はニシュオマナイ山まで行くことです。
ここかあ神威岳までは昨年も歩いた路ですのでドンドン歩きます。
15分ほどで渡渉点に来ましたが、飛び石で渡れた沢の様子が昨年とは違っています。
沢の中央部にあった大きな石が下流に動いています。
そのため飛び石伝いで沢を渡ることが出来なくなっています。
今回は沢を歩くことも想定して沢靴を用意してきました。
ですから私は沢をザブザブ渡りました。
渡り終えて廃道となった林道を進みます。
熊の足跡がありますので時々笛を吹きながら進みます。
5:35分、下二股に到着です。
沢の様子を見ましたが、特に変わった感じはしません。
直ぐに笹原へ進みますが、この笹原に付けられた踏分路が途中で消えています。
右手の沢へ向かえばいいだけなので強引に進みます。
初めての方には十分注意のいる場所だと思います。
さて、左股の沢は昨年と比較しても変わったようすが感じられません。
淡々と沢を登ります。
6:30分、大塚さんのレリーフに到着です。
今回の登山の無事をお願いして手を合わせます。
この辺りから少し登ると日陰の斜面に雪が残っているのです。
その雪の量がドンドン多くなってきます。
上二股の辺りでは沢が完全に雪で埋まっています。
この状態では沢水を汲むことが出来ません。
どこかいい場所がないか探していると山の斜面から水が流れ込んでいるではありませんか。
細い流れですが、十分な量の流れでした。
ここで今夜の飲料水として3リットルの水を担ぎあげます。
残雪があればそれを融かして飲料水を作る予定ですが、稜線の様子が分からないのでとりあえず担ぎ上げることにしました。
これでザックの重さが一気に増したような気がします。
さて、上二股から直ぐ上に尾根取付点があり、沢の中央部にある大きな岩に矢印が書かれています。
しかし、残雪のためその岩は雪の下です。
右岸の斜面を注意深く見るのですが探せません。
やむなく、ザックを置いて懸命に探しました。
すると、やっと登山路を発見することが出来ました。
登山路の手前に倒木があり、そのため路が隠されていたのです。
7:15分、これで先へ進むことが出来ます。
安心したのも束の間、ここからは急坂が延々と続きます。
ザックの重さはそれぞれ20kを超えています。
肩に食い込むザックの重さに耐えて急坂を一歩一歩登ります。
今日一番の苦しい登りです。
ニシュオマナイ山が見えてきました。
この様子では残雪で水を作れそうです。
それが分かれば担ぎ上げた水を少し捨てても良いようです。
飲めるだけ飲んで、行動用の水以外に1リットルだけ残して捨てました。
捨てた水は1.5リットルほどですが、これだけでザックが少し軽く感じます。
9:50分、やっと、稜線への分岐点まで登ってきました。
細くなった稜線に強い風が吹き付けてきます。
ここからニシュオマナイ山へ向かいます。
ニシュオマナイ山までの稜線が一望できます。
しかし、この景色を見ると何と遠いことか、気が滅入ってしまいます。
風陰で休憩しましたが、強い風が吹いているため直ぐに身体が冷えてしまいます。
風に追われるように稜線を降ります。
しかし、この稜線は急なのです。
足下が見えない位急な斜面でしかも、細いのです。
おまけに谷から吹き上がってくる風が身体を揺らします。
ハイ松の枝を必死に掴んでバランスを取りながら降ります。
アドレナリンが農を駆け巡ります。
左側はスパッと切れ落ちています。
こちらに落ちると命を落としそうな感じがします。
真剣にならざるを得ません。
それでも風にバランスを崩されあわててハイ松に覆い被さり耐風姿勢を取ることが数回ありました。
ハイ松の深いところもありますが、この方が安心して歩けます。
真剣に歩いているといつの間にか神威岳の姿が遠くなっています。
十勝側に残雪があるのが分かっていました。
距離にして300mはありそうでした。
その残雪に辿りついてホッと一息つけました。
この残雪は本当に助かりました。
雪の上を歩くのは照り返しで暑いのですが、それよりもさくさく進むのが気持ちいいものです。
ニシュオマナイ山も大分近くなってきました。
この残雪を歩きながらニシュオマナイ山攻略のルートを話し合います。
残雪を繋ぎながら登りますが、数カ所ハイ松を越えなければなりません。
最後は笹原に残っている鹿道を使いながらニシュオマナイ山に到着です。
13:40分、山頂の東側にあるテントサイトに着きました。
このテントサイトは最高です。
草原を少し均してテントを張ります。
後は、今日歩いてきた稜線を見ながらゆっくりお酒を楽しみます。
昨年歩いた神威岳からソエマツ岳、一番奥にはピリカヌプリが見えています。
至福の時間を楽しみます!!
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