井の中の蛙、カイラス山巡礼に挑む!

夢のカイラス巡礼を終え、登山を再開しました。山岳信仰の延長上に四国遍路、カイラス山巡礼があり、原点の登山に戻ります。

芦別岳・本谷へ!

2015-06-03 20:27:43 | 芦別・夕張山系の山
 日高へ一緒に登っていたKm氏の息子さんと飲む機会がありました。
その時に一緒に飲んだ彼の上司が大学時代山岳部に入っていた方でした。
飲み会の席でも山話が弾み楽しい飲み会となりました。
その折に芦別岳の本谷を登ってみたいと言っていましたので5月16日~17日に行くことで約束していました。

 5月16日は、午後から札幌を出発して芦別岳の麓にある「太陽の里」キャンプ場でテント泊をします。
翌17日に日帰りで本谷を登る計画で挑みました。
参加者は、いつも一緒に登っているSz氏と私、それにYb氏の3人です。


 5月17日(日曜日)

 朝4時に目を覚まし、朝食を食べて出発します。
   
   テントは草原に張りました。

   
   登山道の入り口に設置されている鹿除けのゲートです。
このゲ-トを5:00分に通過します。
ここから1.2kほど林道歩きとなります。
その先はユーフレ川に沿って登ります。
歩いているときに霧雨が2ほど降ってきましたが、雨具を着るほどではありません。
それもすぐに止んでしまいました。

 途中に5~6カ所高巻きがありますが、Yb氏の足取りは順調です。

 6:40分、滝下の渡渉点に着きました。
   
   ここには1本の木が橋のように架けられていますが、この木は滝の飛沫で濡れており、とても歩けるものではありません。
私たちは、木の上流側を飛び石を使って渡りました。

   
   上流にある滝です。
   水量がありますのでなかなかの迫力です。

 7:00分、約時間でユーフレ小屋に着きました。
   
   小屋の付近に雪が残っているのでゴルジュは雪で埋まっていることでしょう。
   今年は雪が少ないのでちょっと心配していました。
 ここで少し休んで飲み物や軽食を口に入れます。

 ここからは、左岸沿いに進みます。
ほどなく沢が雪で埋まってきます。
   

 そして、ゴルジュまで来ました。
    
   ゴルジュはまだまだ厚い雪で埋まっていました。

 ここから先は雪の上を歩くと思いアイゼンを付けます。
しかし、すぐ先で沢が開いているではありませんか。
でも右岸沿いに難なく抜けることができました。
ここから先はズーッと雪の上です。

    
   天気が気になってきます。
沢の上部が雲で隠れています。
視界がないのが気になります。

    
   登るにしたがって傾斜が増してきます。
枝沢からの雪崩の跡はそれほど目につきません。

   
   前方に三股が見えてきますが、そのすぐ上は雲で見えないのです。
パラパラと霰が降ってきます。
風も強くなってきました。

   
   私たちの後ろから若者が5人ほど登ってきます。

 さて、三股からどう登るかで私とSz氏の意見が別れました。
私は正面に見える真ん中の沢を登るように主張したのですが、Sz氏はいったん右股に入りすぐに左へ曲がれば傾斜が少しゆるく登れるといいます。
そのルートを私は登ったことがないのですが、ここから上は雪面の表面が堅くなっているので傾斜がいくらかでもゆるいならその方がいいかと思いSz氏の言う右股に入ることとします。

 しかし、右股に入って少し登ると視界が10m~20mほどになってしまいました。
そため、Sz氏のいう左へ進む起点となるポイントがうまく見つけられないのです。
やむなく、上の方が白く見えている方向へ向かって登ります。
感覚的にも本谷を右にずれてることは分かっていたのですが、上部の稜線には旧道がありますのでとりあえずどんどん登ります。

 やっと稜線まで登ると、そこは強風が吹き荒れていました。
そのため、後から登ってくる2人を待つために風陰に隠れます。
視界がないことと強風が吹き荒れる稜線で待つこと20分、11:20分、2人が稜線に到着します。
   
 ここから本谷上部のコルを目指して旧道を歩きます。
20分ほどでコルに到着いたのですが、ここから山頂へ向かうには風が強すぎます。
3人で協議した結果、山頂を目の前にして下山することにしました。

 ここからの下山も緊張を強いられれるものでした。
急傾斜の固い雪面、おまけに積もった霰が風に吹き飛ばされてサラサラと流れてくるのです。
アイゼンの爪がこの霰によって雪面への食い込みが甘くなるのです。
ここは安全性を高めるためにバックステップで本谷を降ります。

 三股までは気の抜けない下りが続きます。
3人が三股まで下ってホッと一息つけました。
この三股からの登行でYb氏の消耗が激しく疲れが溜まっていました。

しかし、さすがに大学で山岳部に入っていた人です。
泣き言ひとつ言いません。

 ここからの下山は、消耗した身体にとって厳しい高巻きの登り返しがあります。
それを乗り切って登山口へ戻ってきたのは17:00分でした。

 やあやあ、長い1日が終わりました!