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箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

病休をとる教員

2021年05月15日 07時08分00秒 | 教育・子育てあれこれ

学校では近頃、メンタル面での病休をとる教員が増えています。

もともと、学校の教員は一般企業と比較してメンタルでの病休をとる人が多い職場です。

病休の理由は様々ですが、独身の若手教員が多いようです。

その理由として、児童生徒への指導につまずいている、保護者とのコミュニケーションがうまくいかない、職場の人間関係の問題などを、おそらく思いつく人が多いでしょう。

もちろん、それらもありますが、教員の仕事は授業準備に加え、学校行事の準備や部活の事務的な仕事、校務を担うなど、複数の業務にまたがっています。

それらを並行して進めることにとまどって、身動きがとれず、「自分のキャパを越えた」と感じ、休むことになる場合がるように思います。

そういう場合は、傍からみているとなんとなく労働意欲が下がっているように見えます。

こうなると、管理職は要注意です。日頃の小さな困難がいくつも積み重なり、「大きく厚い壁」として、本人の前にそびえ立っているようなものです。

その前で、立ちすくんでいる教員は、相談するのが苦手で、相談できる人が少なく、かつ責任感の強い人が多いようです。

「この先どうなっていくか不安である」という気持ちでいっぱいになって、「もう、ダメだ」となって学校を休み始めるのではないかと、私は考えています。

くわえて、昨年は新型コロナウイルス感染防止のための臨時休校が続きました。

にいる児童生徒への学習保障、オンライン動画の作成、双方向オンライン授業の実施など、イレギュラーな対応が続きました。

登校が始まってからでも、つねに感染防止に傾注した授業や活動を行い、消毒作業もありました。


いまや、教員にとって学校現場は、ストレスフルな労働の場になっています。

ストレスを少なくするには、職員同士の雑談やコミュニケーションがじつは効果があるのですが、メンタルヘルス対策が十分できるような余裕がおたがいにありません。

心を病む教員が出ても無理のないことだと思います。

とくに、若年層の教員が相談できる相手としての同僚や上司がそばにいることが極めて重要になります。

コロナ禍でストレスを抱えているのは児童生徒だけではなく、教員も同様です。

「迷惑かけてすみません」からわかること

2021年05月14日 07時17分00秒 | 教育・子育てあれこれ

 

学校の児童生徒の中には、「手のかかる子」がいます。

 

たとえば、授業中に落ち着きに欠け、騒がしい子。

 

学習では、漢字を覚えたり、マス目の中に書き入れるのが苦手な子。

 

体に障害があり、教室を移動するのに時間のかかる子。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

この児童生徒の保護者の方は、しばしば「ご迷惑をおかけしますが、よろしくお願いします」と、最初ごあいさつされます。


ほんとうに「迷惑」なのでしょうか。

 

「迷惑をかける」を英語に直そうとすると、troubleなどの訳語になるのですが、ここでいわれる「迷惑をかける」というニュアンスに、ピッタリとくる言葉がなかなか見つからないのです。

 

というのは、この言葉が日本独特の慣習や考え方から来ているからです。

 

この言葉が出るのは、人びとに同調圧力を強く求める日本社会の規範が背景にあるからです。

 

ほかの人とちがうこと、つまり目立つことは「迷惑」になるという考え方です。

 

つまり、日本では、人とちがうことが「迷惑」になるのです。

 

端的に言えば、「ちがい」は、「まちがい」ととらえるのです。

 

日本の場合、親がわが子に求める「こんな人になってほしい」の願いは、「人に迷惑をかけない人」がトップにきます。

 

その社会規範がいまも存在するので、「迷惑です!」と言われると、言われた側はその冷たい言葉を受け、ほかの人とちがうことをしないようになり、有無を言わず、しばりつけられるのです。

 

その点で、日本では、新型コロナウイルス感染予防で「自粛しなさい」と「要請」されると、じっさいに「自粛」するように従う人が多いのです。


ただ、感染第一波ではみんなが自粛したので、日本では感染拡大がこれでも一定程度防ぐことができた、という見方もできます。

 

この場合は、人びとに同調圧力を求める社会規範(文化)が功を奏したと考えることもできます。


だから、従うことが一概にダメだと言えないのが、ウイルス対策の難しさです。

 

一方、やまゆり園の相模原事件の場合、「重度の障害者は、国や国民に迷惑だ。生きている価値がない」という主張がありました。


この事件については、社会に「迷惑をかけてはいけない」という呪縛にとらわれた極端なケースとして、私たちは認識しておかなければならないでしょう。


「あなたへのおすすめ」

2021年05月13日 06時40分00秒 | 教育・子育てあれこれ

 学校のいまの授業では、たんに知識や技能を教わるだけにはとどまりません。 
 
自分で問いをもち、なぜだろうという疑問をもち、それを習った知識をつかって調べたり、推察しながら考えていき、他の人と話しあうことで、自分の考えを深めていく。 
 
このような学力を育てる授業を、学校では教員が研究して実践しています。 
 
そこで、私がちょっと危惧していることがあります。 
 
それはタブレットやPC、スマホを使うときに立ち上がる「レコメンドシステム」です。 
 
インターネットでは、使う人の過去の通販購入履歴や調べものをする人の閲覧履歴をサイトの運営側が蓄積していき、そのデータをもとに「あなたにおすすめ」として表示するしくみになっています。 
 
たとえば、ダンスをしている動画を見たいと思った中学生がインターネットを通じてみると、「こんな動画もどうですか」とたくさんの動画が出てきます。 
 
そこで、次のダンスの動画を見ると、また次の動画が出てきます。
 
 この場合、最初に見た動画は子どもの「知りたい」というニーズにこたえる便利な情報です。でも、その後から出てくる動画を見続けるのは、その動画サイトに踊らされていることになります。 
 
これを続けていると、知識を取り入れ、疑問をもつ間もなく、どんどん情報だけがあふれ出し、生徒が考えるということをしなくなるという危惧です。 
 
 
もう一つの危惧は、「レコメンドシステム」により、嗜好に偏りができ好みが固定化することです。
 
子どもが広い視点から疑問をもつ感度が鈍ってしまうことにもなりかねません。 
 
いま、学校で行っている授業は、国の言い方では「主体的で対話的で深い学びのある授業」を推進するとあります。
 
そのためには、タブレットなどのICT機器が必要です。

スマホは子どもがおもに家庭で使う習慣はふつうになりました。
 
しかし、その機器に備わるインターネットが、子どもの学習に役立つという光の部分と子どもの学習を妨げるという影の部分を、私たちに突きつけるのです。

ICTを学習にどう活用するか

2021年05月12日 07時57分00秒 | 教育・子育てあれこれ


新型コロナウイルスの感染防止策として、全国の学校ではタブレット端末の児童生徒1人1台の整備が一挙に進みました。

このタブレット端末は、子どもの学習スタイルを大きく変える可能性をもっています。

というのは、最近、タブレット端末で使う学習アプリがたくさん開発されているからです。

この学習アプリの多くは、『自学自習』が家庭でできるように工夫されています。

いま主流の学力観は、学習について、自学自習ができる力と習慣をもつことに、重きが置かれています。

たとえば、ある学習アプリでは、数学の場合、数式の空欄が3つあり、そこに記入する数字が選択肢で示されます。

端末の画面はタッチパネルになっていて、答えを書き正解すると、今度は選択肢がなくなり当てはまる数字を自分で考えて記入する(入力する)問題にジャンプアップします。

解答状況がかんばしくない場合は、易しい問題に変わります。

もともと、このような学習アプリは、コロナ渦のまえから、学校よりは学習塾で自学自習教材として広がりつつありました。

私が校長を務めていた2015年には、総務省の『ドリームスクール』の実証研究として、この事業を中学2年生の数学で行いました。

このときの学習アプリは、まだまだ改善の余地があるものでしたが、5年ほどのうちに大きく改善されてきて,今に至っています。

学習塾の講師や学校の教師はアプリを通じて、かりに子どもの学習場面が教室から離れてても、それぞれの子どもの利用状況や学習習熟度を把握できます。

児童生徒にしても、自分で丸つけをしなくてもすむので、答え合わせの時間も短縮できます。

教師も採点しなくてもすみ、その採点結果を管理する機能がアプリについています。

学校の授業はいままで、多様な個性をもつ児童生徒に対して、一人の教師が教えるという学習スタイルが基本でしたが、学習アプリはそれにも変化をもたらす可能性をもっています。




一斉授業の中で、手をあげて発表するのが恥ずかしくてできなかった子も、チャットやコメント機能を使い、意見を言うチャンスが生まれるでしょう。

ただし、タブレット端末で学習アプリを使うには、教員に対して学習アプリの使い方を支援するしくみが必要です。児童生徒にも必要でしょう。

この使い方のサポートがなければ、使える人はどんどん使い学力を上げていき、使えない人は置き去りにされる。デジタルの格差があらたに広がるという危惧もあります。

さらに、一斉授業の経験をもつ教師なら誰でも知っていますが、一斉の対面授業には優れた価値があります。

30名から40名ぐらいの児童生徒がいるクラスで授業をすると、人間関係の多様性をもとに、ダイナミックな学習ができます。

これが学校教育の中での一斉授業の価値です。この醍醐味は、少人数授業や個人学習では経験できないものです。

誰かの発言にユーモアがあり、周りの子が微笑んで受け入れる。自分ではまったく気がつかなかった視点で課題を捉える子がいることに驚く子がいる。

なかまといっしょに学習できる楽しさは、個別学習にはないものです。

このような授業の楽しさを失うことなく、個別学習とうまく棲み分ける必要があると思います。

教員免許をもたずに「先生」になる!

2021年05月11日 07時26分00秒 | 教育・子育てあれこれ


学校で教員をするには、ふつう教員免許をもっている必要があります。

この教員免許は、決められた年数になると、教員免許更新の講座をうけなければなりません。

もし、失念していて期限を過ぎると免許を失効します。


教員免許に関して、このたび文科省は免許がなくても専門的な知識・技能があれば教員に登用できる「特別免許状」を適用する範囲を広げる指針を5月中に出す予定です。

新しく、スポーツ・芸術・学術などのきまった分野で実績を残している人を対象に含めます。

また、博士号をもつ人には、その関連する教科の免許を与えます。

その背景には、いまの学校での教員不足です。そこで、多様な人を導入するねらいがあります。

近年、教員不足が深刻化しています。たとえば、教員の誰かが産休・育休に入れば代替教員が講師として配置されますが、その教員が見つからないことがあります。

とくに中学校の場合、教科も関係してくるので人が見つかりにくいのです。

加えて、教諭を新規採用するため、どこの都道府県も教員採用試験を行いますが、2020年度の採用倍率は2.7倍でした。

「教員採用氷河期」と言われた1990年代ごろとは、隔世の感があります。

その後、団塊世代の大量退職期を迎え、若手教員の大量採用が続くとともに、教員の労働時間の長さが社会的な注目を集めたことによる教員不人気のためか、採用倍率が下がってきています。

倍率が高ければいいというのではありません。でも一定の倍率水準を維持しないと、教員の資質の確保に困難が生じます。

今回の特別免許の具体的な手続きとしては、学校から採用したい人を推薦します。それを受け、都道府県教育委員会が教科ごとに特別免許を授与します。

たとえば、国際的なスポーツの大会、オリンピック、国際規模の音楽コンクールに出場した人に、その該当教科の免許を与えます。

気持ちの切り替えは、共感から

2021年05月10日 12時40分00秒 | 教育・子育てあれこれ


中学生は、ときに自分が理不尽な目にあって、心が折れそうなときもあります。

クラスの友だちに、不条理なことを言われたり、されたりして傷ついた生徒が教師と面談をしています。


じっさい、現場の中学校の教師の仕事は授業をする「学習指導」だけではありません。

傷つき、落ち込んでいる生徒をサポートして、学校生活に適応させる「生徒指導」もします。

そのとき、話を聴く教師によって、生徒が心の切り替えができるかできないかに分かれます。

<気持ちの切り替えをさせるために>

①まずは、話をよく聞きます。
(口をはさまず)
よく聴きます。うなずきながら。
「ウン、ウン」

②相手の心を想像して,こういうことかなと推し量りながら。
「そうか。たいへんやなー」

③相手が話し終えたら、
「つらいことを言ってくれて、ありがとう」

④「それじゃ、こう考えたらどうかな」
「反面教師って知っている?」
「自分がつらいことをされたからこそ、ほかの人にはつらいことをしないような人になれるのかもしれないよ」

聴き手が相手に共感するからこそ、「こう考えてみたら」という声かけを、相手は受け入れることができます。気持ちの切り替えができるからです。

新年度最初の行事もオンライン

2021年05月08日 06時05分00秒 | 教育・子育てあれこれ
中学校では新年度のはじめに「対面式」を行います。

体育館で新入生全員と新2、3年生全員が向き合って「よろしくお願いします」とあいさつをするものです。

今年も新型コロナウイルス感染防止のため、オンラインの画面を通して、新入生の代表生徒と上級生の生徒会長のあいさつを、各クラスの教室で聞きました。

新入生代表生徒は、中学校生活を楽しみにしていることが伝えました。

生徒会長は、1年生に早く学校生活に慣れて、楽しく過ごしてほしいと願っていることを伝えました。





中学校生活で1年生が楽しみにしているものの一つが、部活動です。 2・3 年生の先輩たちも 新入生が入部を歓迎しています。

「部活動紹介」は、本来上級生がそれぞれの部活動がどんなものかをデモンストレーションして見せます。

これもオンラインで、画面越しのデモンストレーションでした。

1年生はそれを見て聞いて、どの部活に入るかを決め、仮入部で体験→本入部へと移っていきます。

ただし、大阪府は緊急事態宣言が出ていますので、公式戦を控えている場合以外は、部活動はできません。

今年の3学年そろった部活動の始まりは、6月頃までずれ込みます。



デカ盛り野菜のラーメン

2021年05月07日 20時08分00秒 | エッセイ
JR神戸駅の近くに、ラーメン「神起」があります。

注文すると、「ニンニク入れますか?」と聞かれます。

モヤシとキャベツの野菜、カツオなどの盛り方は、「ちょい増し」、「増し」、「増し増し」を選びます。

スープはわりとあっさりで、麺はかなり太めです。

野菜をたくさんとりたい人におすすめです。



孤独とつきあっていく

2021年05月07日 07時40分00秒 | 教育・子育てあれこれ


誰かと人間関係ができたとき、その人のことを理解しようとします。

でも、100パーセント理解するのは無理でないかと思います。

私は妻のことを理解しようとします。

でも、30年以上たっても、いまだにわからないところがあります。

同じことが自分についても言えます。

他者に自分のことを100パーセントわかってもらおうというのは、やはり無理なのです。

また自分のことを理解しているとしても、わからない点は残ります。

人は本来的に一人ひとりが別の人格です。

100パーセント理解されることはないのです。

そういう意味では、人には孤独な面があると言えるかもしれません。

でも、その孤独とつきあうことで、その人は成長するのです。

私たちは、愛する人をもっていないと孤独になりますが、反対に愛する人をもつことで感じる孤独もあるのだと思います。

孤独から私たちは離れることはできないのです。

中学生という時期は、内省的に自分を顧みて自分を理解し始めるのですが、そこには悩みや迷いが生まれます。

そのとき、寄り添ってくれる大人の見守りを受けながら、自分の生き方を見つけていきます。

孤独とつきあっていくのが、とりもなおず人生なのかもしれません。

AIの光と影

2021年05月06日 08時14分00秒 | 教育・子育てあれこれ



膨大なデータの集積から共通する傾向や特徴を見つけ出し、自分も進歩する働きをもつものが人口知能です。

さらに、5Gが加わり、次世代通信規格が整っていきます。

それらを応用して、自動車の自動運転が本格化するでしょう。

その自動車はAIが操縦することになります。

しかし、AIがミスをして起きた事故の責任は誰がとるかという新たな問題が生まれてきます。

だから、AIは私たちの生活を豊かにしてくれる反面、厄介なことも引き受けていくことになるのです。

つまり、AIは言うなれば光の部分と影の部分の両方を持つのです。

原子力が大きな恩恵をもたらすことから、過去に科学者は鋭意研究して開発をして利用可能なものにしました。

しかし、同時にそれが爆弾に使われて大惨事が起きてはじめて、ことの重大性を認識しました。

日本人は唯一の原爆が投下された悲惨さを経験しています。

AIが同じ道をたどらぬように、影の部分をしっかりと見つめ、人間を中心にするという一貫した軸をAI活用の中心にすえなければならないのだと思います。

わが国は、少子高齢化に突入します。介護や医療にかかわる人が足りなくなると言われています。

地方では過疎が進み、買い物や病院でみてもらうことや行政のサービスに困難が生まれることが予想されます。

このような課題に対して解決策を示すAIの役割は大きいでしょう。

第一に人間を大切にするという価値観を根本にしてAI活用を推進していくことが、現実的であり、恩恵も望むことができる必須の条件だと思います。

日本が成長社会から成熟社会として発展する行方は、この価値観にあります。

教育でも、その成熟社会実現の担い手を育てる方向で、人を育てるという役割が求められるのです。

こどもの日 子どもの声をきく

2021年05月05日 10時10分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今日はこどもの日。

いま、家庭の経済状況や保護の役割を果たさない家庭問題などで、親と暮らすことができない子は40000〜50000人いると言われています。

その子たちは、おもに施設に入所して、そこから学校へ通います。

わたしは、以前に大阪府内の児童養護施設を訪問したことがあります。

さまざまな課題を引き受けて、児童養護施設の職員が、子どもの育ちに向き合っていることを知りました。

また、数としてはあまり多くはないですが、里親制度で育てられている子もいます。

子どもの養育には、家庭で育てる以外にもさまざまなカタチがあります。



ことしのGWは2年連続で、感染が広がる中で、人びとは迎えました。

人手の多い場所はあるにせよ、外出がままならず、子どもとどう過ごすか、悩んだ人もいるでしょう。

コロナウイルスの感染が広がるなかで、多くの子どもたちは我慢を強いられています。

不安感をもつ子、体調不良をいう子が気になる。

このような学校は少なくないのです。

だからこそ、どんな場合でも、子どもの声を聞く。
子どもそれぞれにあわせて、その子がわかるように説明する。

国連子どもの権利条約では、それらの原則がうたわれています。

5月5日、子どもを大切に、その声に耳を傾けたいです。

沖縄の緑と海

2021年05月04日 12時52分00秒 | 教育・子育てあれこれ
今日はみどりの日です。

私たちは「みどり」と聞くと、ふつう、山をイメージすることが多いようです。

しかし、海のブルーに映える緑が沖縄にはあります。

4年前に、修学旅行の引率で沖縄の東村へ行き、民泊をしました。

この東村は沖縄の中でも、まだ自然が手つかずで残っています。

緑の木々に覆われた山がそのまま海につながっていました。

山の緑と海のブルーが、きれいなコントラストを醸し出していました。

生徒たちは東村の集落にある民家さんに一泊させてもらい、沖縄の郷土料理をごちそうになりました。

民家さんについてもらい、パイナップルの刈り入れを手伝ったり、ゴーヤを収穫したりの活動をしました。

人とのふれあいができるのが、民泊のメリットす。

わたしの脳裏には、いまも美しい緑と青い海にかわ焼きついています。






水問題に取り組む

2021年05月04日 07時05分00秒 | 教育・子育てあれこれ
1996年、私は中学2年生を担当していました。

当時は学校での体験学習がはやり出したころで、参加型体験学習として、生徒たちがワークショップのアクティビティに、屋外で取り組む行事を行いました。

そのアクティビティとは、たとえば12人の生徒が地面に置いたレンガの上に無造作に立ち、合図とともに、身長順に並び直すのです。

もちろん誰かが地面に足をつけたら最初からやり直しというルールです。

このアクティビティは「ラインナップ」といいますが、生徒たちは、試行錯誤をしながらやりきりました。

一人がレンガの上に乗り、しゃがんだりしている間に、別の生徒が他の生徒に手を引かれて、地面に足がつかないように、しゃがんでいる生徒をまたいで移動したりして、入れ替わるのです。

子どもは柔軟な発想とアイデアで、協力しあいながら取り組み、見事に身長順に並び直すことに成功させます。

生徒たちは相談して、協力しあわなければできない状況に置かれ、一つの目標を達成します。

そして、後でふりかえりのミーティングをして、相互評価をしあい、達成感を感じるというねらいで体験学習を行うという教育的な活動です。

この参加型体験学習は、1クラスを3グループに分け、それぞれのグループには一人ずつファシリテーターが計3人つきます。

一人は学級担任で、あとの二人はプロのキャンプカウンセラーでした。

その人たちは、神戸市のマザー・アース・エデュケーションという参加型体験学習を専門に行うスタッフでした。

前書きが長くなりましたが、そのとき、彼らが常に携行していたのがペットボトルに入れた飲料水で、腰につるしていました。

当時はまだ今のようなペットボトルに入れた水は珍しかったですし、日常生活で水を普通に飲む習慣はなかったのでした。

自販機には、ジュース類や缶コーヒー、炭酸飲料などを売っていました。
お茶も今ほどポピュラーに売ってはいなかったのでした。

水として売っているのは、ミネラルウォーター程度で、酒屋やスーパーに置いている程度でした。

ちょうどクリスタルガイザーが出始めたころでした。

キャンプカウンセラーは、生徒たちにアクティビティをさせながら、適時に水を飲んでいました。

そのとき、水分を適宜飲むことの大切さを私たち教員に伝えてくれました。

それから25年が経過した今、私たちの生活にペットボトルに入った水を飲む習慣は、すっかり定着しました。

この25年の間に、日本人の健康面での意識は高まり、スポーツ医学も発展して、適度な水分補給のため、飲料水を飲むことが普通になりました。


さて、大阪市にあるOSGコーポレーションは水にこだわる浄水器を販売する会社です。

社会の課題を生活者の視点で掘り起こし、国内・国外の水問題に取り組むビジネスを展開してきました。

1998年にアルカリイオン水の浄水器を売り出し、アジア圏で水環境を改善する事業を展開しています。

美味しいと評判の「銀座に志かわ」の食パンもOSGコーポレーションのアルカリイオン水を使い、パン生地を練っているそうです。

除菌水にも力を入れてきましたが、今回のコロナ禍により、医療機関、自治体、小中学校で、需要が急増しました。

OSGコーポレーションは経営目標に、「ステハジ」を掲げています。

いまは、SDGsの価値観を受け、「サステナブルをはじめよう」というメッセージを込めて、持続可能な社会をつくるビジネスを会社をあげて進めていこうとしています。

これからの企業は、持続可能な経営を進めるという点が大切になってきます。







教育相談の難しさ

2021年05月03日 08時48分00秒 | 教育・子育てあれこれ

各自治体には、いろいろな教育相談機関があります。

地域によって名称はいろいろですが、子育て支援センター、教育センターの相談室、「いじめ・体罰ホットライン」、教育委員会担当室、保健所、いじめ相談ダイヤル、子どもの悩み相談フリーダイヤルなどです。

保護者や子どもにこのような相談機関を周知することは、もちろん大切ですし、必要です。

学校でも、中学の場合、「生徒相談」の期間を年に2回ほど設け、生徒と学級担任が一対一で面談します。

また非常勤にせよ、SC(スクールカウンセラー)が出勤しています。

しかしながら、
「こんなにひどくなるまで、なぜ黙っていたの。なぜもっと早く言わなかったの!」

学校では、ときとして、こんな言葉を大人が思わず言ってしまうほどの事態が起きることがあります。

このときに、「もっと早く気がつかなくて悪かったね。いままでがまんしてたことがわかるよ」と言える教師や教育関係者、親が、その子の周りにどれほどいるでしょうか。

じつは、子どもが(大人もそうですが)、悩みごとや困りごとを相談するのは、それほど簡単ではありません。

相談したくても、まわりの大人を頼りにできず、言い出せないでいることもあるでしょう。

また、中学生に多いですが、自分がいじめられたり、やられていることをまわりの人に知られたくないという心理が働いているときもあります。

すなわち、相談の難しさは「助けて」が言えない子と「助けて」が届かない環境の両方からきています。

「助けて」が言えない子には、ふだんからの信頼関係を深め、学校側からの見守りを厚くする必要があります。

それでも、残念ですが、教職員が気がつかないこともあることは経験上思います。

「助けて」が届くには、学校側のアンテナを高くするとともに、教職員間の連携が重要です。また関係機関との連携も大切になります。

そして、相談を受けたときには必ず解決するための動きをつくることが大切です。



新聞は頼りになるメディア

2021年05月02日 08時24分00秒 | 教育・子育てあれこれ

今という時代、人が情報を得る方法は多様化しました。

スマホで検索のアプリを使えば、世界の誰かが発信した情報、コメント、ブログ、チャットなどを見て、読むことができます。

私の若い頃は、調べるには辞書や紙の百科事典や「現代用語の基礎知識」を活用しました。

私は英語科の教員ですが、中学・高校時代には、学研の「アンカー英和辞典」が手垢で黒くなるほど使い込んだことを覚えています。

スマホ等で、いとも簡単に情報を得ることができるようになった一方で、怒濤のごとく押し寄せる情報の波に足元をすくわれ、流されずに、客観的に正しい情報を見極め、自分の軸をぶれないように保っておくことが難しくなってきています。

そこで、頼りにするのは、やはり紙の新聞です。

新聞に載せている情報は、記者が恣意的に集めた情報が載っている場合もあるようには思いますが、いろいろな立場の人の考えや意見をあつめ、その最大公約数的な情報や事実を載せています。

こんな現状を踏まえたとき、中学生には情報を自分で判断して、どのように社会に働きかけるのかという観点で、発言したり、行動したりしてほしいと願います。

新型コロナウイルスの感染が始まって以来、新聞の読者投稿を読むと、困難な毎日が続く中でも、人としての喜びや楽しみを必死に探そうとする人びとの思いや願いに触れることができます。

元気づけられたり、微妙な心の揺れに共感することもあります。

そんなとき、困難ないまを生きている、生命の息吹に触れたように感じることもあります。

新聞は、やはり大切で、万人に必要な情報メディアだと思います。