箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

教育相談の難しさ

2021年05月03日 08時48分00秒 | 教育・子育てあれこれ

各自治体には、いろいろな教育相談機関があります。

地域によって名称はいろいろですが、子育て支援センター、教育センターの相談室、「いじめ・体罰ホットライン」、教育委員会担当室、保健所、いじめ相談ダイヤル、子どもの悩み相談フリーダイヤルなどです。

保護者や子どもにこのような相談機関を周知することは、もちろん大切ですし、必要です。

学校でも、中学の場合、「生徒相談」の期間を年に2回ほど設け、生徒と学級担任が一対一で面談します。

また非常勤にせよ、SC(スクールカウンセラー)が出勤しています。

しかしながら、
「こんなにひどくなるまで、なぜ黙っていたの。なぜもっと早く言わなかったの!」

学校では、ときとして、こんな言葉を大人が思わず言ってしまうほどの事態が起きることがあります。

このときに、「もっと早く気がつかなくて悪かったね。いままでがまんしてたことがわかるよ」と言える教師や教育関係者、親が、その子の周りにどれほどいるでしょうか。

じつは、子どもが(大人もそうですが)、悩みごとや困りごとを相談するのは、それほど簡単ではありません。

相談したくても、まわりの大人を頼りにできず、言い出せないでいることもあるでしょう。

また、中学生に多いですが、自分がいじめられたり、やられていることをまわりの人に知られたくないという心理が働いているときもあります。

すなわち、相談の難しさは「助けて」が言えない子と「助けて」が届かない環境の両方からきています。

「助けて」が言えない子には、ふだんからの信頼関係を深め、学校側からの見守りを厚くする必要があります。

それでも、残念ですが、教職員が気がつかないこともあることは経験上思います。

「助けて」が届くには、学校側のアンテナを高くするとともに、教職員間の連携が重要です。また関係機関との連携も大切になります。

そして、相談を受けたときには必ず解決するための動きをつくることが大切です。




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