箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

教員免許をもたずに「先生」になる!

2021年05月11日 07時26分00秒 | 教育・子育てあれこれ


学校で教員をするには、ふつう教員免許をもっている必要があります。

この教員免許は、決められた年数になると、教員免許更新の講座をうけなければなりません。

もし、失念していて期限を過ぎると免許を失効します。


教員免許に関して、このたび文科省は免許がなくても専門的な知識・技能があれば教員に登用できる「特別免許状」を適用する範囲を広げる指針を5月中に出す予定です。

新しく、スポーツ・芸術・学術などのきまった分野で実績を残している人を対象に含めます。

また、博士号をもつ人には、その関連する教科の免許を与えます。

その背景には、いまの学校での教員不足です。そこで、多様な人を導入するねらいがあります。

近年、教員不足が深刻化しています。たとえば、教員の誰かが産休・育休に入れば代替教員が講師として配置されますが、その教員が見つからないことがあります。

とくに中学校の場合、教科も関係してくるので人が見つかりにくいのです。

加えて、教諭を新規採用するため、どこの都道府県も教員採用試験を行いますが、2020年度の採用倍率は2.7倍でした。

「教員採用氷河期」と言われた1990年代ごろとは、隔世の感があります。

その後、団塊世代の大量退職期を迎え、若手教員の大量採用が続くとともに、教員の労働時間の長さが社会的な注目を集めたことによる教員不人気のためか、採用倍率が下がってきています。

倍率が高ければいいというのではありません。でも一定の倍率水準を維持しないと、教員の資質の確保に困難が生じます。

今回の特別免許の具体的な手続きとしては、学校から採用したい人を推薦します。それを受け、都道府県教育委員会が教科ごとに特別免許を授与します。

たとえば、国際的なスポーツの大会、オリンピック、国際規模の音楽コンクールに出場した人に、その該当教科の免許を与えます。