箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

幸福は生きることの意味を感じるとき

2021年05月25日 07時21分00秒 | 教育・子育てあれこれ
わたしの知人で65歳以上の高齢者が新型コロナウイルスのワクチンを申し込むと、7月接種となりました。なかなか順番がまわってこない。

不満が渦巻きます。

また、東京オリンピック開催に否定的な人が多いのですが、政府や大会実行委員会はその声に耳を傾けようとしない。

このように、日本では、新型コロナウイルスに対する政府や関係者の対応に不満をもつ人が多いのが現状です。

今年3月に国連は「世界幸福度2021」を発表しました。

フィンランドが4年続いて幸福度トップだったそうです。

フィンランド国民が幸福を感じるのが高いのは、それほど悲惨な生活をしている人が少ないからではないでしょうか。

とにかく、フィンランドの公的制度をフィンランドの人びとは信頼しています。

政府の公的制度が人びとを公正に守ってくれると、人びとは国を信頼します。そして、その制度を維持したり、さらなる充実をしようとする政治家を選びます。

けっきょく、「信頼」がキーワードになるのではないかと思います。

マスク着用や人との距離を開ける、外出を控えるなどのコロナ対策は、人びとの自発性に委ねられます。

政府への信頼が高いと、感染予防・防止に協力しようとするのではないでしょうか。

フィンランドのコロナ感染死者は5月現在で900人ちょっとです。

幸福とは、感情にすぎません。この日本の生きづらい世の中で幸福を感じるのはどんな時でしょうか。

買いたいものが買える。行きたいところへ行けるなどで幸福を感じるかもしれませんが、それは長続きしないでしょう。
すぐに、「次はこれが買いたい」とか「次はあそこへ行きたい」など、人の欲望は果てしなく続きます。

中学生が職場体験をして、自分のおこないが人を喜ばせることを知ったとき、大きな満足感を得ます。「はたらくこと」で、自分も社会や他者に貢献できることを理解したとき、元気な様子で学校へ戻ってきます。

教師が、こころを傾け、手をかけて育てた子が卒業前から、「先生、ありがとうございました」といわれるとき、大きなやり甲斐を感じます。

けっきょく、人が生きることや人生を意味のあるものにしようとしたとき、他者とかかわる喜び、人に必要とされる喜びを感じるとき、幸福と感じるのではないでしょうか。