今年も残すところ、あと2週間となりました。
三中では、2階の渡りローカの給食コーナーに、「おせち宝船」の展示が掲げてあります。
おせち料理のレシピが図になっています。それを1枚ずつめくると、中にはその説明が書いてあります。
ときどき生徒が、触って読んでいます。
写真では、そのレシピのうち、鯛と黒豆とごまめをのせています。
はかには、伊達巻、えび、昆布巻、れんこん、くりきんとん、かずのこが貼ってあります。
宝船というだけあって、おせち料理はめでたい料理です。
今では、家庭で作ることが少なくなり、買うことが多いと思います。
高価なおせち料理も予約が入り、売れているとか。
いまの中学生にとっては、和食を基調とするおせち料理は苦手な子も多いようです。
でも、前回のだしの展示のように、和食にも親しむよう、お勧めします。
さて、前任校では、校区クッキングというイベントで、子どもたちが伝統的なおせちレシピを作りました。
それほどたくさんは食べませんが、けっこう喜んで食べていました。
その校区クッキングの講師は、地域の大人でしたが、なかには学生ボランティアも来ていました。
その学生の中に、中学校の卒業生がいて、久しぶりに再会しました。
その女子生徒は、中2の夏前から拒食症になり、どんどん痩せていきました。そのとき、私は教頭でした。
卒業式の日には、だいぶんよくなり、私はその子の手をとって「卒業おめでとう。しっかりするんやで」と送り出した生徒でした。
いま大学は食物科へ通っていると聞きました。
「食べることで悩んだわたしだから、将来は栄養士になりたいんです」
彼女のこの言葉は、どれほど嬉しかったか。
教師としてこのような言葉を聞くと、ほんとうに嬉しくなるのです。
中学時代は悩みの時期です。
でも、それをくぐり抜けた生徒は、自分の生き方を見つめ、たくましく成長します。
三中のおせち宝船を見ながら、こんなことを回想したのでした。