箕面三中もと校長から〜教育関係者のつぶやき〜

2015年度から2018年度に大阪府の箕面三中の校長を務めました。おもに学校教育と子育てに関する情報をのせています。

おせち料理で回顧したこと

2017年12月18日 20時01分52秒 | 教育・子育てあれこれ



今年も残すところ、あと2週間となりました。

三中では、2階の渡りローカの給食コーナーに、「おせち宝船」の展示が掲げてあります。

おせち料理のレシピが図になっています。それを1枚ずつめくると、中にはその説明が書いてあります。

ときどき生徒が、触って読んでいます。

写真では、そのレシピのうち、鯛と黒豆とごまめをのせています。

はかには、伊達巻、えび、昆布巻、れんこん、くりきんとん、かずのこが貼ってあります。

宝船というだけあって、おせち料理はめでたい料理です。

今では、家庭で作ることが少なくなり、買うことが多いと思います。

高価なおせち料理も予約が入り、売れているとか。

いまの中学生にとっては、和食を基調とするおせち料理は苦手な子も多いようです。

でも、前回のだしの展示のように、和食にも親しむよう、お勧めします。



さて、前任校では、校区クッキングというイベントで、子どもたちが伝統的なおせちレシピを作りました。

それほどたくさんは食べませんが、けっこう喜んで食べていました。

その校区クッキングの講師は、地域の大人でしたが、なかには学生ボランティアも来ていました。

その学生の中に、中学校の卒業生がいて、久しぶりに再会しました。

その女子生徒は、中2の夏前から拒食症になり、どんどん痩せていきました。そのとき、私は教頭でした。

卒業式の日には、だいぶんよくなり、私はその子の手をとって「卒業おめでとう。しっかりするんやで」と送り出した生徒でした。

いま大学は食物科へ通っていると聞きました。

「食べることで悩んだわたしだから、将来は栄養士になりたいんです」

彼女のこの言葉は、どれほど嬉しかったか。

教師としてこのような言葉を聞くと、ほんとうに嬉しくなるのです。

中学時代は悩みの時期です。

でも、それをくぐり抜けた生徒は、自分の生き方を見つめ、たくましく成長します。

三中のおせち宝船を見ながら、こんなことを回想したのでした。