お墓参りに行ってきた。
お墓に到着してお参りの準備をしていると、急にカラスたちが騒がしくなったので後ろを振り返ってみると、一匹のキツネが道路を挟んだ向こう側の墓地を歩いていた。
市内にあるこの墓地は周囲を木に囲まれているので、まるで森林の中にあるかのようだが、実は木が多いのは墓地の中だけで、実際は山間部に隣接しておらず、墓地を出ると交通量の多い道路がすぐそばを通っている。
「家の周りではよく見かけるけど、こんなところにもキツネがいるんだね」と家族で話しながらキツネを見ていると、そのキツネはちょうど私たちとまっすぐに向かい合う場所まで歩いてきてチョコンとお座りをした。
ちょうど小型の犬のようで、その姿はなんとも可愛らしかった。
私たちから見える場所に座ったまま動かないところを見ると、もしかして餌のおねだりに来たのかもしれない。
すると、そこへもう一台、車が到着して、中から三人の年配の女性たちが降りてきた。
女性たちは「キツネだわ!かわいいねぇ」と言いながら、それぞれが自分のカメラで夢中になってキツネの写真を撮り始めた。
この墓地にお参りに来ると言うことは、女性たちも市内か近郊から来たのだと思うが、その喜びようを見ると、キツネが珍しくない我が家周辺と違って、あまりキツネが出ない場所に住んでいらっしゃるのかもしれない。
女性たちがカメラを構えてキツネに近づいて行くと、キツネは警戒してか小走りで離れて行った。
その時、一人の女性がおもむろにカバンの中から食べ物を出すとキツネに向かって投げた。
食べ物につられて再び戻ってキツネを、女性たちはまた夢中になって写真を撮っていたのだが、その中のおひとりが中腰でカメラを構えて後ろに下がった瞬間、尻餅をついたかと思ったら、なんと後ろ回り(後転)をしながら坂道を下って行った!
まるでマンガのワンシーンのように、きれいに後ろ向きで坂を転がって行く姿は、お見事としか言いようがなく、私たちはただただボー然と見ているしかなかった。
幸いにも、その方はお怪我はなかったようで一安心だが、女性たちの大騒ぎの声に驚いてキツネはどこかへ逃げて行ってしまった。
そのあと、私たちもやっとお墓に向かって静かに手を合わせたのだが、家族全員が先ほどの出来事を思い出して笑いをこらえていた。
私たちがお参りしている姿をうしろから見たら、きっと全員の肩が震えていたと思う。
というわけで、私は何が言いたかったかというと、キツネに餌を与えちゃイカンよということを言いたかった。
お墓に現れたキツネもきっと他の参拝客から餌をもらっているから、人間のそばまで来て待っていたのだろう。
人間から餌をもらうことを憶えたキツネは人間の住んでいる場所まで出てくるようになり、交通事故に遭ってしまうかもしれない。
また人が与える餌、例えばスナック菓子などは、キツネにとっては害のあるものが含まれている場合があり、キツネが病気になるかもしれない。
結局、人間が餌を与えることでキツネがかわいそうなことになってはいけないので、私はキツネを見かけても心を鬼にして餌を与えない。
もちろん人間側にとっても危険で、キツネから感染するエヒノコックス症という怖い病気がある。
これは何年もかけて進行して命を落とすことがある。
こんな看板も立ってます↑
人間と野生動物の共生は、お互いの領域に足を踏み入れないということだと思うが、近年は人間が動物の領域に入りすぎてしまった。
人間として、動物たちには本当に申し訳ないと思ってしまう。
お墓に到着してお参りの準備をしていると、急にカラスたちが騒がしくなったので後ろを振り返ってみると、一匹のキツネが道路を挟んだ向こう側の墓地を歩いていた。
市内にあるこの墓地は周囲を木に囲まれているので、まるで森林の中にあるかのようだが、実は木が多いのは墓地の中だけで、実際は山間部に隣接しておらず、墓地を出ると交通量の多い道路がすぐそばを通っている。
「家の周りではよく見かけるけど、こんなところにもキツネがいるんだね」と家族で話しながらキツネを見ていると、そのキツネはちょうど私たちとまっすぐに向かい合う場所まで歩いてきてチョコンとお座りをした。
ちょうど小型の犬のようで、その姿はなんとも可愛らしかった。
私たちから見える場所に座ったまま動かないところを見ると、もしかして餌のおねだりに来たのかもしれない。
すると、そこへもう一台、車が到着して、中から三人の年配の女性たちが降りてきた。
女性たちは「キツネだわ!かわいいねぇ」と言いながら、それぞれが自分のカメラで夢中になってキツネの写真を撮り始めた。
この墓地にお参りに来ると言うことは、女性たちも市内か近郊から来たのだと思うが、その喜びようを見ると、キツネが珍しくない我が家周辺と違って、あまりキツネが出ない場所に住んでいらっしゃるのかもしれない。
女性たちがカメラを構えてキツネに近づいて行くと、キツネは警戒してか小走りで離れて行った。
その時、一人の女性がおもむろにカバンの中から食べ物を出すとキツネに向かって投げた。
食べ物につられて再び戻ってキツネを、女性たちはまた夢中になって写真を撮っていたのだが、その中のおひとりが中腰でカメラを構えて後ろに下がった瞬間、尻餅をついたかと思ったら、なんと後ろ回り(後転)をしながら坂道を下って行った!
まるでマンガのワンシーンのように、きれいに後ろ向きで坂を転がって行く姿は、お見事としか言いようがなく、私たちはただただボー然と見ているしかなかった。
幸いにも、その方はお怪我はなかったようで一安心だが、女性たちの大騒ぎの声に驚いてキツネはどこかへ逃げて行ってしまった。
そのあと、私たちもやっとお墓に向かって静かに手を合わせたのだが、家族全員が先ほどの出来事を思い出して笑いをこらえていた。
私たちがお参りしている姿をうしろから見たら、きっと全員の肩が震えていたと思う。
というわけで、私は何が言いたかったかというと、キツネに餌を与えちゃイカンよということを言いたかった。
お墓に現れたキツネもきっと他の参拝客から餌をもらっているから、人間のそばまで来て待っていたのだろう。
人間から餌をもらうことを憶えたキツネは人間の住んでいる場所まで出てくるようになり、交通事故に遭ってしまうかもしれない。
また人が与える餌、例えばスナック菓子などは、キツネにとっては害のあるものが含まれている場合があり、キツネが病気になるかもしれない。
結局、人間が餌を与えることでキツネがかわいそうなことになってはいけないので、私はキツネを見かけても心を鬼にして餌を与えない。
もちろん人間側にとっても危険で、キツネから感染するエヒノコックス症という怖い病気がある。
これは何年もかけて進行して命を落とすことがある。
こんな看板も立ってます↑
人間と野生動物の共生は、お互いの領域に足を踏み入れないということだと思うが、近年は人間が動物の領域に入りすぎてしまった。
人間として、動物たちには本当に申し訳ないと思ってしまう。