何年かぶりでキャンプをしてきた。
キャンプは、子どもたちが小さかった頃はよく行っていたのだが、大きくなってからはすっかり行かなくなっていた。
行かなくなった理由は、次女が虫嫌いでキャンプは行かないと言い始めたことや、長男が友だちと行くようになったことなどだが、一番の理由は年々夫と私が(キャンプは)大変疲れるようになったということ。
昔キャンプに行くと、いつもテントやタープの設営だけで体力の大半を使い果たした。
何度も設営しているはずなのに、なぜか毎年手順を忘れて四苦八苦する。
設営も大変だったが、それを片付けるのもまた大変で、次第にテントは張らずロッジに泊まるようになり、やがてキャンプは行かなくなった。
それが、なぜ今更またキャンプなのか。
それは、夫が再びキャンプに目覚めてしまったことと、長女の為に行く・・という理由がある。
長女は次女と違ってキャンプが好きだが、一緒に行く仲間がいない。
今も兄が友だちとキャンプへ行くのを羨ましそうに見ているので、ずっと連れて行ってあげたいと思っていた。
また夫が60歳を過ぎて再びキャンプに目覚めたのには、テントの進化がある。
今のテントは昔と違って、とても楽に建てられるようになったらしい。
ワンタッチテントとは一瞬にしてテントが広がるそうで、なんと2秒でテントが建つのだとか。
しかし2秒とは、いくらなんでも早すぎやしませんかと疑いの目で見ていたら、本当に2秒くらいでテントが広がって出現した。
ただしテントは現れたのだが、そのあと杭を打って紐で固定して・・・なんてことをやっていたら、20分くらいはかかるのではないかと思う。
それでも四苦八苦して建てていた昔に比べれば雲泥の差。これだけでずいぶんキャンプのハードルが下がった。
というわけで、簡単に建てられるテントを持ってキャンプ行ってきた。
行った場所は、穂別町営キャンプ場。
このキャンプ場がある「むかわ町」は、全長8メートルの恐竜(学名カムイサウルス・ジャポニクス)のほぼ全身の化石が発掘されたことで有名。
キャンプ場の中には、サヌシュペ川という名の小さな川が流れている。
浅瀬で澄んだ水がさらさら流れる川では、小さなお子さんたちが水遊びを楽しんでいた。
穂別町営キャンプ場に行ったのは今回初めてだったが、うちも子どもたちが小さい頃に来てたら、もっと楽しませることができたのに残念だったと思う。
さすがに26歳の娘は、もう水遊びはしなかったので・・・
それにしても大昔、この辺りにもカムイサウルスが歩いていたのかもしれないと思うとわくわくした。
ところでわくわくと言えば、もう一つキャンプでのお楽しみがあった。
それは焚火で、夫などは焚火がしたくてキャンプに目覚めたと言っても過言ではない(らしい)
そばを流れる川のせせらぎを聞きながら、焚火の炎をじっと眺めていると、不思議と心が静かに落ち着いてくる。
いつの間にか、家族三人無言になってひたすら炎を見つめていた。
炎を見ていると、いつの間にか無思考になっている。一種の瞑想状態というものだろうか。
それにしても、水と炎はひとたび荒れ狂うと非常に恐ろしいものだが、反対に人の心を癒してくれるのも水と炎だと言うのは不思議なものだと思う。
ところでこの日は晴天だったので星空が素晴らしく、天の川まで見えたのには感激した。
最初は億劫だと思っていたキャンプだったが、これはけっこうハマるかもしれない。
次はどこへ行こうかと、家族で話し合っている。