ミーロの日記

日々の出来事をつれづれなるままに書き綴っています。

お父さん、ありがとう

2017-06-03 10:58:45 | 日記
長く記事の投稿ができなかったが、先月末に父が亡くなった。86歳だった。

父は誤嚥性肺炎で入院していたのだが、一時はよくなったかのように見えた肺炎が再び悪化して、亡くなる前の最後の二週間は父もかなり苦しかったと思う。

私たち家族は何度ととなく病院から父が危ないという連絡をもらい、昼夜問わずに病院へ駆けつけるという日が続いていた。

そして本当に最期のお別れとなった日、本州に行っている孫や義理の息子などが帰って来ていて、深夜だったが家族みんなが揃って、父を囲んでお別れをすることができた。

最期の日は、それまで苦しそうにしていた父が、呼吸が楽になったようで穏やかな顔になり、体調は落ち着いているように見えていた。しかし、それとは反対に呼吸数はどんどん少なくなっていた。

「もうこれで最期だ」と家族だれもが思った時、父の周囲を囲んでいた家族みんなが口々に父に対する感謝の言葉をかけていた。

「おとうさん、今までありがとう」
「おじいちゃんが援助してくれたお陰で留学できたよ。ありがとう。おじいちゃん大好き」
「向こうでお母さんに会ったら、みんなしっかり頑張っているから安心してって伝えて」

泣きながら声をかけ続けると、今までほとんど反応の無かった父がまるでそれに応えるかのように大きくうなづいて、左側の目から涙を一粒流してから目を閉じ、そして逝ってしまった。

向こうでお母さんに会ったら・・・と言ったのは妹だったが、まだ亡くなっていない父に母への伝言を託すとは、ふだんなら笑い話になるところだが、この時は誰もが真剣で生きている父に話しかける最後のチャンスとばかり、今まで照れくさくて言えなかった感謝の言葉もたくさんかけることができた。

本当に父とは良い別れ方ができたと思う。

本当は父が元気なころに、もっともっと感謝の言葉を言えていたらよかったのだけどと思うが・・・

しかし、妹とも話したが、父に対してやってきたことに、もう後悔することは何もない。

やれることはすべてやったと思う。

ただ悲しみは変わらずで、父を思い出すと涙が出る。

また淡々とクールに葬儀をこなしていた弟が、葬儀で最後の挨拶の時に言葉を詰まらせて泣き出したのには胸が痛んだ。

弟は離れた場所で暮らしているので、父の最期には間に合わず、また父の介護にもなかなか参加することができなかった。
それは仕方がないことだが、もしかしたら弟なりに思う所があったのかもしれない。

ただ姉弟で争うことなく協力して後始末を進めていることに、父も喜んで見ていてくれているような気がする。








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