ここ何年かスペインのマスコミで取り上げられている「事件」だ。市民戦争(1936-39)のあと、何万という戦争孤児が生まれ、彼らを里親に出すという事業が教会を中心に推し進められ、実際にそれによって幸せを掴んだ子どもたちが多かったが、こうした‘慈善’がいつの間にか子どもの売買、とくに乳児の売買につながっていった。
報道によれば、フランコ独裁下(1939‐75)で、医療機関とカトリック教会が結託して、保育器に預かった新生児を死んだと偽って母親から奪い、子どもを欲しがる資産家の家庭に譲っていたという。その数、推定で数十万人。教会や医療機関は資産家から「寄付金」を受け取っていたという。
すでに子どもが何人かいる夫婦の新生児が狙われたという。こうした犯罪を内部で見聞きしていたという教会のシスターの話では、「子どもを授からなかった夫婦にも平等に幸せを分かち与える」ということで、教会の一部ではそれがあたかも善行であるかのように語られていたという。
「奪われた弟」と会うことができたある中年女性がこう証言している。「晩年の母親が言ってたんです。産院の廊下で子どもの‘死’を信じられず悲しんでいると、シスターが『どうしてそんな悲しい顔をしているのですか』と尋ねてきた。『子どもが死にました』と答えると、『何人目の子どもですか? ・・・じゃあその子のことは忘れなさい。世の中には子どものいない夫婦もいるんです』と・・・」
彼女は、中年になってその話しが気になり、弟の出生届や死亡届を役所に調べに行くと、それがまったく残っていなかった。それで弟を探し始め、同様な疑惑を抱く人たちと連絡をとり、運動を始めたという。
昨日、友人がブログにこの事件を書いていたので、急に気になってぼくも書いてみた。これはスペイン社会の暗部である。急激な民主化を成し遂げたスペインであるが、まだまだ旧体制は清算されていない。またいつか続きを書きたい。
報道によれば、フランコ独裁下(1939‐75)で、医療機関とカトリック教会が結託して、保育器に預かった新生児を死んだと偽って母親から奪い、子どもを欲しがる資産家の家庭に譲っていたという。その数、推定で数十万人。教会や医療機関は資産家から「寄付金」を受け取っていたという。
すでに子どもが何人かいる夫婦の新生児が狙われたという。こうした犯罪を内部で見聞きしていたという教会のシスターの話では、「子どもを授からなかった夫婦にも平等に幸せを分かち与える」ということで、教会の一部ではそれがあたかも善行であるかのように語られていたという。
「奪われた弟」と会うことができたある中年女性がこう証言している。「晩年の母親が言ってたんです。産院の廊下で子どもの‘死’を信じられず悲しんでいると、シスターが『どうしてそんな悲しい顔をしているのですか』と尋ねてきた。『子どもが死にました』と答えると、『何人目の子どもですか? ・・・じゃあその子のことは忘れなさい。世の中には子どものいない夫婦もいるんです』と・・・」
彼女は、中年になってその話しが気になり、弟の出生届や死亡届を役所に調べに行くと、それがまったく残っていなかった。それで弟を探し始め、同様な疑惑を抱く人たちと連絡をとり、運動を始めたという。
昨日、友人がブログにこの事件を書いていたので、急に気になってぼくも書いてみた。これはスペイン社会の暗部である。急激な民主化を成し遂げたスペインであるが、まだまだ旧体制は清算されていない。またいつか続きを書きたい。
何が正義か分からない。
似たような話が どこかの国でもあったけど
その時も 個人で調査して
探し出し 再会していた。
真理の追求は 個人レベルの動きでも
達成できるんだ!と 深く感じました。
もちろんDNAの照合は予算化してやるべき
でしょうが、本人が気づいてない可能性も大きい。
人間がこんなことできるなんて、
ちょっと信じられない事件ですよね。