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ゆめと心理と占いのはなし
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 Rosalia de Castro

ネルソン・マンデラ追悼式典の手話通訳がインチキ野郎?

2013-12-13 02:14:09 | 日記

ネルソン・マンデラの追悼式がヨハネスブルグのサッカーシティで行われ、世界90カ国以上の元首やその代理が出席した。ヨーロッパの各紙はまずその式典でオバマとカストロが握手したという話題を一面に挙げた。でも、次の印刷の時は、オバマとキャメロンが、若いころはきれいだっただろうデンマークのシュミット首相を挟んで写メして、賢婦ミシェルの怒りを買った話しを取り上げた。そして最後は、あの世界最大級の追悼式典の英語手話通訳がインチキ野郎だったという話しでオチがついた。ヨーロッパの各紙、各局のトップは、オバマとその斜め後ろに立つ彼が映っている写真を掲げ、「セキュリティはどうなっているのか」「政府は彼の名前すら把握できていない」「彼は‘ありがとう’も通訳できていなかった」といった話題で埋まった。

オバマとミシェルの話しはともかく、手話通訳者の件は興味をそそられた。実際、ああいった大きな式典での通訳は2人、3人が交代でやるものだ。ましてや手話の場合は同時通訳になり体力的にも実に大変だ。ぼくは2時間ばかりこの式典を見ていたけど、式典自体が1時間遅れで始まり、さらに4時間以上続いたわけで、それを1人の男に任せてしまうっていうのが、大体からして役人のインチキだと感じたし、手話がわからないぼくが見ても、初めから彼の目はうつろで、声に対して手話がとても短くて、どう考えてもおかしいと思った。

結局、このインチキ野郎といわれた男は、翌日マスコミにつかまった。「式典のとき幻覚症状が出て集中できなかった」という。彼は統合失調症で、その症状があの式典の最中に悪化したというわけだ。統合失調症の診断を受けた者がプロフェッショナルとしてああいった大きな舞台に立てるということ自体、多くの障害者に勇気を与えたかもしれないと思う反面、手話通訳の仕事の大変さを理解してないというか、軽んじている南アフリカの役人たちのお粗末さに唖然とした。さらには、英語手話のわかる人やそういった手話の団体の人間が何で気づいた段階で通報や抗議をしなかったのか不思議だ。式典後に南アの聾唖者協会の会長が告発して初めておおごとになったというのがなんとも解せない。

かくしてオバマがガンジーやリンカーン、キング牧師と並べて業績を称賛したマンデラの追悼式は終わった。現大統領のズマがかなり大きなブーイングを浴びていて南アの政治状況も何となく理解できた。「葬儀」が「祝典」のように執り行われたのもアフリカらしくて印象的だった。何といってもマンデラは天寿を全うして天国に召されたのだから、国民は祝うしかなかっただろう。日本の皇太子もアフリカという異文化体験を、家族団らんの中で楽しい話題にしてくれたらうれしい。


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