MELANCOLICO∠メランコリコ!

ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

田中慎弥

2012-01-19 04:16:58 | 日記
芥川賞を田中慎弥氏という人が受賞した。記者会見では、彼がユニークな人なのか、はたまた勘違いしているだけの人なのかよくわからなかったけど、ぼく的には、会見中、ずっと小学生のようにひねくれた姿勢を貫いたのは立派だった。単なる世間知らずの引きこもりという人もいるかもしれないが、ぼくにはモウリーニョから傲慢さを抜き取ったような、まあ、それなりの存在に見えた。

ところで、驚いたのは、日本で最も権威ある文学新人賞の受賞会見の質問があまりに通り一遍で瑣末で低レベル。世間の注目度も高いのに、記者の質問に文学のブの字も出てこない。昔、中田英寿が試合後のインタビューを「あまりに質問がくだらないので」と言って出ようとしなかったことがあるけど、日本の記者会見はどの分野でも、飽くまでぼくの知る限りだけど、質問者がとても静かで礼儀正しく、おまけに下調べがないというか、ありきたりのことしか訊こうとしないので、訊かれる側は本当に「これも仕事」と割り切るか、ミーハー気分を楽しまない限り耐えられそうにない。スポーツも文学も、批判精神あふれるファン、読者、マスコミや評論家がいて初めて成長するものだと思うのだけれども…

田中慎弥氏が大物なのか小物なのかよくわからないけど、これからもなよなよしながらあのギョロッとした目で世間と渡り合っていくのか、ちょっと注目してみたく思った。 経歴も面白い。彼のこれまでの母子関係や、幼児期、学童期の移行対象の持ち方なんかも十分に魅力的な取材テーマのような気がする。

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