ボディコンバット

「あしたのジョー」ばりに、アッパーやクロスになるといつも力が入る。体の中心に頭から鉄棒を入れている感じで軸を作って、肩を回転させながらパンチを繰り出す。基本的にゴルフスウィングににているけど、速い繰り返しが根本的に違う感覚を味あわせてくれる。

スタジオで面白いのは狭い閉所にたくさんいるのに、ある種の‘楽しい孤独’があることだ。ときどきイントラ以外の顔を見ないまま終わることがある。それがゆえか、参加者にはあまり対人関係が得意そうでない人たちが多いような気がする。本来、音楽に合わせてパンチやキックをして、体全体を使うエクササイズ何だけど、ほとんど腕も脚も伸びずに、イントラの指示に反応して体をピクピクッと動かすだけの男性が数人いる。逆にものすごく動きがすばやく大きいんだけど、全く音楽にノレないままの人もいる。どちらのタイプもまさに自分の殻の中に閉じこもっている感じで、近寄りがたいオーラを放っている。そして‘一般人’も、そうした彼らをいぶかることもなく、勝手に楽しんでいるところがいい。ジムでは、行くたびに顔を会わせる人がいるけど、名前も知らずに話していたり、話しはおろか挨拶もしない人もいる。ジムに定期的に来る人たちはある種、心のよりどころを求めているような感じがする。適度に満たされている人は長続きしないようにも感じる。

デイケアやナイトケアに専門職としてかかわっている人たちは、これをどう見るのだろうか。