古い手帳がでてきた。

元旦から本棚の整理を始めた。ハウスダストにアレルギーなぼくはまずマスクを二重にかけて、ゆっくり一冊ずつ手にして内容を思い出し、捨てる捨てないを決める。でも、本棚には10年以上手にしてない本もあって、ページを開いても記憶がよみがえってこないものもあって、こうした本は迷わず捨てる方に積みあげた。

うれしかったのは、やはり使った記憶もあいまいな手帳が4冊出てきたことだ。勤め始めたころの日々の予定やほとんど顔も忘れた友人のアドレス、デートで行った店の料理についての感想だったり、仕事で使う計算式や、すでに別れた女性を想って書いた詩など、くしゃみしながら読み返しては、その頃の痩せて不器用だった自分を思い出し、しばしノスタルジーに浸った。

掃除は、時の流れを強く意識させてくれる。まずは、前回の掃除のときに計画していたことがどれくらい実行できたかを考えさせてくれるし、久しぶりの大がかりの掃除だと、あと何回この反省の機会が与えられるのか、ちょっと計算して焦ってみたり・・・

百の思いがよぎったとして、その中の99までが辛く、甘酸っぱい。人生ってこんなものか・・・