クリミア自治共和国の状況を考えると、国家とか民族の問題って複雑で、当事者と外部の人間では話しあうことさえも難しいって痛感する。
「ウクライナの問題」って言っても、ウクライナの国内にはロシア系の人々が多く住み、とくにクリミアでは6割以上がロシア系だという。たぶん、帰属問題を国民投票で決めることになったら、クリミアは独立するかロシアの飛び地になるだろう。いつから誰が住んでいるのかわからないけど、当然、ウクライナ人とロシア人の結婚もあっただろうし、思想と民族の間で引き裂かれる人だって多いと思う。
このまま行けば、ユーゴスラビアの二の舞になりかねない。少数民族としてルーマニア系とかモルドバ系とかが住んでいるところもあって、国レベルの判断が常に正しいとは言えないようだ。日本人は国=民族と考えがちだけど、ヨーロッパに行くとその考えが通用しない。スペインのカタルーニャも独立すると、かなりの「スペイン系」がカタルーニャの中で少数派を形成することになる。スペインの中でカタルーニャが抑圧されてきたと言って独立すれば、カタルーニャは内部に「少数民族」を抱えることになる。その人たちを抑圧しないカタルーニャの国家をつくれるのか。
ウクライナの紛争はヨーロッパの民族問題の複雑さを明らかにし、各地でくすぶる民族問題に火を付けるかもしれない。
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