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ゆめと心理と占いのはなし
Por donde, amor, he de ir?
 Rosalia de Castro

鳥瞰図を描くことができる人とできない人

2013-09-13 21:35:11 | 日記

スペインのパンプローナで毎年7月に開催されるエンシエロの祭りで今年は事故が起こった。牛と一緒に多くの人が走ってくる闘牛場の入口が、ある人の不注意で狭くなっていて、そこで人が倒れ、そこに後ろからの人が積み重なるようになり、壁ができてしまったのだ。もちろん、牛もその壁に突入してきた。幸い死者はでなかったが、下敷きになった人たちや、後ろから突っ込んでくる牛への恐怖におののく人たちの顔は、生放送のカメラにしっかりと捉えられた。

今日、ジムのスタジオの出口で人が詰まって、一瞬動けなくなった。次のプログラムに参加する人が前室から廊下への出口左のところに立っていた。それで幅3mほどの出口が1mほど狭くなり、出て行く人の一人が右側の壁に貼ってあったプリントを見るために立ち止まって、さらに右側の1mほどがふさがれた。その瞬間、2人をよけて行こうとした人は互いに隣の人と肩を押しあう形になり、その後ろにいた人はわぁ~と言って立ち止まり、さらに後ろから出てきた人は何が起こったかわからないまま前の人にぶつかって、10人くらいの人が団子になって動けなくなった。わぁ~という声で、左右に立った人たちは振り返ったが、自分たちが原因になっていることをまったく理解していない顔だった。

結局、10秒ほど混乱があったが、一番前の2人の人が前につんのめる様に廊下に出て、事態は解消された。そのとき、エンシエロでできた「人の壁」を思い出した。今日はけが人がでるような状況ではなかったけど、入口とか出口といった地点を塞ぐと、すぐに人は団子に、または壁になってしまい、さらに、塞いでいる人は、ことが深刻になるまで自分が原因になっていることに気付かないでいるのだ。

人が流れていているところを上からの視点でイメージできれば、常にではなかったとしても、そこに立ち止まったりすると何が起こるかってことは容易に想像できる。でも、少なからぬ人は床や地面と平行に向かう視点でしか物事を見れない。これは自動車の運転をしててもよく思うことだ。横から人や車が出てくる危険性が容易に想像できるところなのに、自分の前だけしか想像できない人は、平気でスピードを出し、いったん停止しないで通過して行く。つまり他者とか相手といった人の視点に立てない。他者とか相手の視点からものごとを見ることができるできないってことは、ひとつの先天的な能力なのだろうか。


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