パンキーなイメージがともなうP!NKだけど、彼女はアコースティックな楽曲もしっとりと聴かせてくれる。ニューヨークのオレンジなP!NKが歌うライブはそのひとつだ。このライブの中では、彼女が子どもの頃に彼女の母親と離婚して家を出て行った父親が登場してくる。「今の私があるのは彼のおかげ」と紹介しているように、P!NKは父親がよく歌い聴かせてくれたフォークソングやロックで音楽の基礎を築いてきた。なので、彼女の曲のメロディーラインにときどき60年代70年代のフォークソングやロックの影響が色濃く出てくるわけだ。
一緒にステージで歌う『I have seen the rain』は、CCRの『Have you ever seen the rain?』のアンサーソングのような感じでもあり、ベトナム戦争に従軍していた父親が書いた書いた曲だ。ここにあるrainはジャングルに降る雨であって、戦争そのものを指しているのだと思う。父親はギターも歌もプロ級だ。きっちりP!NKとハモッている。若いころは確執があったのかもしれないけど、こんなおとんとなら一緒に酒も飲みたいし、語り明かしたい。
